スポンサーリンク

カテゴリーに「五等分の花嫁」追加 ٩(๑´0`๑)۶

スポンサーリンク

穂乃果「Re:世界樹の迷宮から」

ラブライブ!

1: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:43:22.63 ID:JGtWBem1
パロディSS(でも原作はあまり関係ないので注意してください)

オリジナル要素あり。地の文多め。苦手な方はお戻りください。

※この物語はフィクションです。登場する人物・地名・団体・名称などは架空のものであり、実在のものとは関係ありません。




2: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:43:55.09 ID:JGtWBem1
―ミズガルズ図書館―

にこ「にこたちを調査隊として派遣?」

海未「ええ、にこもあの噂は聞いたことがあるでしょう」

真姫「そう、世界樹の迷宮よ」

3: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:44:32.59 ID:JGtWBem1
海未「ここから遠く離れた地にある小さな街、オトノキの近くで発見された迷宮です」

海未「私たちにその迷宮を調査するように話がきたのです」

海未「ミズガルズ図書館は、世界中の情報や文献を集め、保管する場所」

海未「おそらく本格的に迷宮の調査を開始する前に、小規模な調査隊を派遣しようということなのでしょう」

にこ「なんでにこたちが調査隊に選ばれたのよ」

海未「分かりません……」

真姫「ま、選ばれたんだから任務をこなすだけよ」

にこ「なんだか嫌な予感がするわね……」

海未「……実を言うと私も何かおかしいと思っているのです」

真姫「……」

海未「なぜかとても嫌な予感がします……」

真姫「……」カミノケクルクル

にこ「……まあ、考えても仕方ないわね。真姫の言う通り任務をこなしましょう」

4: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:45:13.78 ID:JGtWBem1
―移動中―

にこ「ぬわぁんで!! こんなに! 遠いのよ!! もう何日歩いてると思ってるのよ!!」

真姫「はあ……さすがに疲れるわ」

海未「仕方ないですよ……ミズガルズとオトノキはとても離れた場所にあるのですから」

にこ「はあ、なんでこんなことになったのよ……」

真姫「……海未も無理してない?」

海未「ええ、私は大丈夫です。普段から鍛えていますので」

海未「そろそろ日が暮れますね……これ以上は危険なので野宿にしましょう」

にこ「はあ……また野宿なの……」

真姫「ヴェェ……」

5: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:45:44.85 ID:JGtWBem1
海未「手慣れてきたものですね」

にこ「こう何日もやってると慣れるわよ」

海未「真姫の料理が一向に上達しませんが」

真姫「うるさいわね」

真姫「はい、にこちゃん。干し肉よ」

にこ「ん」

真姫「たまには他のものも食べたいわね」

海未「なぜか野宿すると気分が高揚するんですよね……」

にこ「なんでよ」

にこ「で、あとどのくらいでオトノキに到着するわけ?」

海未「ええ、もう2~3日で到着するはずです」

真姫「やっとこの生活が終わるのね」

海未「ええ……当然、ミズガルズへの帰り道もこの生活になるわけですが……」

にこ&真姫「……」

7: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:46:24.69 ID:JGtWBem1
―オトノキ・門前―

にこ「やっと着いたわね」

海未「ええ」

真姫「あっちの門から入るみたいね」

女兵士「君たちも迷宮を訪れた冒険者か?」

海未「いえ、ミズガルズ図書館より調査隊としてやってまいりました」

にこ「これが街へ入る許可証よ」

女兵士「これは失礼致しました、執政院より話は聞いております。中へお進みください」

8: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:47:13.93 ID:JGtWBem1
どこまでも続く緑の大地

その中でも一際大きくそびえ立つ巨大な樹

【世界樹】

人々はこの不思議な樹をそう呼んだ

世界樹はそのすぐ下にある小さな街「オトノキ」で暮らす人々にとって心の原風景であった

その世界樹の根元から地の底へと巨大な樹海の迷路が続いていた

【世界樹の迷宮】

名も知らぬ草花が不思議な果実をつけ 見たこともない獣たちが徘徊する地下樹海

「その迷宮には莫大な財宝が眠っている」

「樹海を抜けるとこの世のものとも思えないほど美しい楽園が広がっている」

「迷宮の奥へたどり着いたものは世界樹の加護を受け永遠を約束される」

噂は瞬く間に広まり 人々はこの世界樹の迷宮に夢を馳せた

冒険者たちはこぞってオトノキに集まり 小さな街は賑わいを見せた

富 名声 権威 そして飽くことなき冒険心を刺激し続ける樹海

冒険者たちにとってそれは 自らの命を天秤にかける価値のあるものだった

だが迷宮の奥へと到達する者は一人として現れず 冒険者たちは次々に樹海へと消えていった

樹海は全てのものに平等だ

ミズガルズ図書館の調査隊としてやってきた君たちも例外ではない

今まさに 君たちも危険な冒険へと足を踏み入れようとしているのだ…………

9: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:47:44.29 ID:JGtWBem1
にこ「で、この後はどうするの?」

海未「荷物を下ろしたら、まずは執政院に行きましょう。執政院はこの街を統治しているところだそうです」

真姫「私たちはここの執政院から調査を依頼されて、ミズガルズから調査隊に選ばれて来たのだから、顔を出すのは当然でしょ」

君たちは門をくぐり、オトノキの街へと入っていく

豊かな緑に囲まれたこれまでの道から一転、石畳でできた街へと風景が変わる

街は意外にも整備されていて、広場や街のいたるところに草花や樹木が植えられ

どこからか小川のせせらぎが聞こえてくる

最近の噂により人々が集まってきたためであろうか

冒険者用の施設も充実しており、街は驚くほど活気に満ち溢れていた

10: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:48:18.59 ID:JGtWBem1
「いらっしゃませ!」

「このまえのアイテムなのだけれど……」

真姫「あそこは冒険者用の道具屋さんかしら?」

海未「冒険者の方が多いですね。やはり噂を聞きつけて集まってきたのでしょうか」

真姫「そういえば、ここのところ保存食ばかりだったわね」

海未「そう言われると食事処はどこなのでしょうか」

真姫「あとで街を見て回りましょう」

海未「ええ、しばらくはこの街にいることになりますから」

にこ「……」

11: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:48:57.47 ID:JGtWBem1
―オトノキ・広場―

真姫「それで執政院はどこにあるのかしら?」

海未「えぇっとですね……」

にこ「……」

真姫「……にこちゃん、どうしたの?」

にこ「……え? いえ、なんでもないわ」

海未「きっと長旅で疲れているのでしょう、何かあったら言ってください」

にこ「ええ、ありがとう……」

海未「真姫もですよ?」

真姫「ありがと、海未も何かあったら言うのよ?」

海未「はい、ありがとうございます」

にこ「……」

真姫「……」

君たちは執政院へ向かって歩き出した

12: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:49:37.01 ID:JGtWBem1
―執政院―

親鳥「執政院へようこそ。あなたたちがミズガルズ図書館からの調査隊ですね?」

海未「はい」

親鳥「私はこの執政院でオトノキを統治しているものです」

親鳥「今回、あなたたちを呼んだのは、知っての通り世界樹の迷宮の調査です。」

真姫「なぜ私たちを呼んだの? この街の兵士や冒険者への依頼でもできることでしょ?」

海未「真姫、失礼ですよ」

親鳥「いえ、あなたたちにはきちんと答えておく必要があります」

親鳥「世界樹の迷宮が発見されて、冒険者がこの街に集まってくるようになったのは知っていますよね」

海未「ええ、迷宮の奥には何かがあるという噂ですね」

親鳥「ですが、それだけで済むほど簡単な話ではないのです」

真姫「……どういうこと?」

親鳥「迷宮に挑んだほとんどの冒険者が、街に戻って来ないのです」

海未「街に戻って来ない……」

真姫「それってつまり……」

親鳥「そう、迷宮に挑み命を落としてしまう者が後を絶たないのです」

にこ「……」

13: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:50:28.59 ID:JGtWBem1
真姫「そんな…………それが分かっていて執政院はその状況を止めようとしないの!?」

親鳥「執政院としても全力で冒険者を支援しています」

真姫「そうじゃなくて、止めないのかって聞いてるのよ!」

にこ「…………止められないのよ」

真姫「……え?」

にこ「この街を見たでしょう? 他の街からやってくる冒険者によってこの街は潤っているのよ」

親鳥「……その通りです。この街は冒険者たちによって発展しているのが現状です」

親鳥「執政院としては、冒険者の安全を守りたいという一方で、街をより発展させたいという考えもあるのです」

真姫「なんで……命を落とすと分かっているのに……」

海未「ここにやってくる冒険者の方たちは、樹海が危険だということを知っていてここに来るのですか?」

親鳥「冒険者によって理由は様々です」

親鳥「富や名声の欲しい者もいれば、命を懸けて冒険することそのものに生きがいを感じている者もいる」

親鳥「どこからかやってきては樹海へと消えていく冒険者たちの循環を止めることができないの」

真姫「そんな……」

14: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:51:05.91 ID:JGtWBem1
海未「つまり……私たちに調査を依頼した理由は……」

親鳥「ええ、一つはこの迷宮を調査し、ミズガルズ図書館ならびに各街に共通の情報として文献にまとめて欲しいということ」

親鳥「そして、この街にやってくる冒険者たちの安全を守るため、この迷宮をより詳しく調査して欲しいということ」

親鳥「ミズガルズの調査隊の腕前を見込んでの依頼よ」

真姫「待って、それなら私たちより適任がいるはずよ」

親鳥「私もこんなに若い子たちが来るとは流石に予想できていなかったわ」

親鳥「でもあなたたちが選ばれたのには、きっと理由があると信じています」

親鳥「だからあなたたちに、この任務をお願いするわね」

真姫「なによそれ……」

にこ「……」

親鳥「あなたたちにも樹海へと入ってもらうわけですが、他の冒険者と同じようにある程度は冒険者としての扱いになります」

親鳥「これはあなたたちの安全を守るためでもあります」

親鳥「冒険者ギルドに行き、冒険者とギルドを登録をしてきてください。それじゃあ、よろしくね」

海未「……分かりました」

真姫「……」

にこ「……」

15: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:52:39.92 ID:JGtWBem1
―広場―

にこ「……」

真姫「……」

海未「……」

真姫「……納得いかないわね。人の命を何だと思っているのかしら」

海未「真姫、執政院としてもやるだけのことはやっているのです。そう責めるわけにはいきません」

海未「私たちにはどうすることもできないことですから」

海未「それに真姫も言っていたじゃないですか、私たちは任務を遂行するだけだ、と」

真姫「……分かってるわよ」

にこ「……」

真姫「……にこちゃん、さっきから喋らないけど大丈夫?」

海未「にこ、どうかしたのですか?」

にこ「……」

にこ「……分からないの」

海未「…………分からない?」

にこ「なにかおかしいの……」

16: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:55:00.77 ID:JGtWBem1
…………ザザッ

いらっしゃ……せ……もし…………ザザッ……かにゃ……

スピリ……ザッ……チュアル……ザザ……やね…………

これで私も……ザッ……にこちゃ……ザッ……

 

真姫「…………にこちゃん?」

海未「…………大丈夫ですか?」


  

勇気……ザザッ……蛮勇を……ザザ……き違えるな……

…………もう……ザッ……少…………倒せ……よ……

……強……な……ザザッ……攻撃……注……してください!

…………こ……ザザッ…………れば逃げ……よ!

ぐっ…………真……姫…………ザザッ…………

ごめん……ザッ……ね…………にこ……ちゃ……ん……ザザザザ

  
  

にこ「…………何かおかしいわ」

海未「……どういうことですか?」

   

にこ「……この街に来たことがあるかもしれない」

17: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:55:52.92 ID:JGtWBem1
真姫「そんなはずないわ。私たちは小さい頃から一緒にミズガルズにいたでしょ? ここに来たことは一度もないはずよ」

にこ「…………あそこの角、曲がると冒険者用の食堂があるの」

海未「本当ですか? 私たちはこの街は初めてですので分からないはずですが…………本当にありましたね」

にこ「あっちには酒場があるはずよ」

真姫「なんで来たことないのにそんなことが分かるのよ!」

にこ「……なぜか分からないわ」

にこ「……」

海未「……」

真姫「……」

にこ「…………あまり気にしても仕方ないわね。任務に戻りましょ」

海未「……にこ、無理しないでくださいね?」

にこ「ありがと。ほら、言われた通り冒険者ギルドに向かうわよ」

海未「ええ……」

海未「……」

真姫「……」

18: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:56:38.24 ID:JGtWBem1
―冒険者ギルド―

ツバサ「あら?いらっしゃい。ここは冒険者ギルドよ。私はギルドマスターのツバサ」

ツバサ「ここでは、冒険者としての登録とギルド登録をしてもらうわ」

海未「私たちはミズガルズから来たものなのですが」

ツバサ「ええ、聞いているわ」

ツバサ「でも、執政院や街があなたたちを支援するには冒険者としての手続きが必要なの」

海未「そうなのですか」

ツバサ「さっそくだけど、どのクラスにするか選んでもらおうかしら?」

海未「クラス?」

ツバサ「ええ、冒険者としての登録情報に必要なの」

海未「剣で戦うソードマン、盾で仲間を守るパラディン……色々あるのですね」

真姫「私はメディックにしようかしら?」

にこ「真姫らしいわね」

ツバサ「別に何を選ぼうとあなたたちの自由よ。でも私から言えることは……そうね、パーティのバランスは大切にね、ってことかしら」

にこ「分かったわ」

19: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:57:09.38 ID:JGtWBem1
~しばらくして~

ツバサ「……決まったかしら?」

真姫「私はメディックにするわ」

ツバサ「いいんじゃないかしら。メディックは医療のスペシャリストよ。常に危険がつきまとう冒険には欠かせないクラスね」

海未「真姫らしいですね」

真姫「私は元々、医術を学ぶためにミズガルズ図書館に入ったから当然と言えば当然よ」

海未「ふふ、真姫のこと、頼りにしていますね」

ツバサ「で、問題は……」

にこ「私はダンサーよ」

海未「私もダンサーです」

真姫「なんでよ」

20: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:57:53.54 ID:JGtWBem1
ツバサ「私はアドバイスをしたつもりだったのだけれど……」

真姫「ええ、これから先が思いやられるわ」

ツバサ「でも、あなたたちが何を選ぼうと口出しするつもりはないわ」

海未「これで弓が使えますね」

にこ「まさかあんた、それだけのために選んだんじゃないでしょうね?」

ツバサ「ダンサーは踊りで仲間の士気を高めるサポートタイプのクラスよ」

ツバサ「他の前衛のクラスほどではないけれど、戦うのも得意なクラスよ」

ツバサ「それで、ギルド名はどうするのかしら?」

にこ「オトノキね」

海未「奇遇ですね、私も同じことを考えていました」

真姫「なぜかしらね、私もよ?」

ツバサ「分かったわ、ここでの手続きはこれで終わりよ」

ツバサ「これからあなたたちには大変な冒険が待っているはずよ」

ツバサ「それでも負けずに頑張ってね」

にこ「ええ、元からそのつもりよ」

海未「にこ、行きましょう」

君たちはこの場を後にした

21: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:58:28.32 ID:JGtWBem1
―広場―

海未「ところで長旅で疲れていると思いますが、このまま出発しても大丈夫ですか?」

にこ「ええ、大丈夫よ。任務だから早く取り掛かりたいもの」

真姫「にこちゃんってこういうところ真面目よね」

にこ「うるさいわね」

海未「では、樹海へと向かいましょう」

にこ「ええ」

君たちはさっそく迷宮へと向かうことにした

22: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 00:59:00.84 ID:JGtWBem1
【世界樹の迷宮】

―第1階層・始マリト音ノ樹海―

鮮やかな緑がどこまでも続く森

色とりどりの草花が生い茂り 穏やかな風が吹いている

それは危険な獣たちが徘徊する樹海であるということを忘れてしまいそうなほど美しい景色であった

君たちはついに樹海へと足を踏み入れたのだ

しかし油断は禁物だ

なぜならここは腕のある冒険者でさえその命を落としてしまう危険な森

君たちはそのことを胸に刻み 冒険への一歩を踏み出した

23: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:00:18.46 ID:JGtWBem1
にこ「……」

真姫「へえ、思ったより綺麗なところね」

海未「ええ、ですが油断してはいけませんよ」

真姫「この樹海って地下へと続いているのよね?」

海未「ええ、世界樹の下から地下へ向かって樹海が続いているようですね。奥がどのようになっているか分かりませんが……不思議です」

にこ(……やっぱりおかしいわね)

真姫「それで最初はどうするの?」

海未「まずは地図を描いていきましょう。今回は調査に来ているのでなるべくしっかりと描きたいところです」

真姫「今日は海未に地図は任せるわ、それでいいわね?」

海未「ええ、私はそれで構いませんよ」

真姫「にこちゃんが描いたら間違って描いちゃいそうだもの」

にこ「何よ失礼ね」

海未「しかし実際に描き間違えた場合、私たちはこの樹海から街に戻れなくなってしまうかもしれません」

海未「そうならないように気をつけなければ」

にこ「ええ、分かっているわ」

真姫「お互いに気をつけましょう」

君たちは樹海の地図を描きながら冒険を進めることにした

24: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:00:54.10 ID:JGtWBem1
海未「地図を描きながら歩くのは意外と大変ですね」

真姫「時々立ち止まったほうがいいかしら?」

海未「ええ、お願いします。あと、何か見つけたら教えてください。メモしますので」

にこ「……」

真姫「そういえば樹海で命を落とす冒険者が後を絶たないって言ってたわよね?」

海未「ええ、あれはモンスターの仕業である場合が多いようです」

真姫「モンスター?」

海未「この樹海では魔獣が出るらしいです。もちろん樹海自体も危険ですが」

そう話をしているうちに 君たちの目の前に魔物が現れた

さあ、剣を握り 目の前の敵と戦おう

25: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:02:01.97 ID:JGtWBem1
森ネズミが現れた

真姫「あれが魔物? 大きいだけでただのネズミに見えるわね」

海未「真姫、油断をしてはいけません」

真姫「ええ、分かっているわ」

海未「今度は気をつけるのですよ」

真姫「……今度?」

海未「……今度とは何でしょうか」

にこ「……ほら、戦うわよ」

海未「え、ええ」

にこは剣を握りしめると森ネズミに接近し、剣を振るう

森ネズミにダメージを与えられたようだが、意外にもしぶとく平然としている

海未「動きの素早いにこは前に出て攻撃を仕掛けてください!私が後ろから弓で援護射撃します!」

真姫「そして最後にまきちゃんが鈍器でぶん殴るわ!」

にこ「言い方が怖いわよ……」

平然としている森ネズミに正確に狙いを定めた矢が刺さる

かなりのダメージを与えたようだが まだ倒すには至らない

26: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:03:05.26 ID:JGtWBem1
魔物も生きるために必死だ

海未に飛びかかり攻撃を仕掛けてきた

必死の体当たりで海未の身体がわずかに揺らぐ

海未「くっ……意外と力が強いですね……」

にこ「大丈夫!?」

海未「ええ、なんとか」

真姫「力が強くてタフな海未が食らってもバランスが崩れるほどの攻撃……私やにこちゃんが食らったらちょっと危険かもしれないわね」

後方からハンマーを持った真姫が飛び出し、反撃後に隙ができた森ネズミに肉薄する

その渾身の一撃でどうやら森ネズミを倒すことができたようだ

28: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:19:25.45 ID:MtusK08W
森ネズミを倒した

海未「なるほど……これがこの樹海の魔物ですか……」

にこ「それより海未は大丈夫なの?」

海未「ええ、なんとか。ですが、念のため真姫に診てもらいましょう」

真姫「任せて」

真姫はメディック 回復のスペシャリストだ

真姫は海未の怪我をしている部分を治すため 回復スキル『キュア』を使った

真姫「これで大丈夫ね」

海未「ありがとうございます。これで調査の続きができそうですね」

にこ「ええ、まだまだ進んでいくわよ」

君たちは初めての魔物との戦いに勝利した

だがそれと同時に、この戦いで樹海での危険を再度確認するのだった

君たちは再び気を引き締めると樹海の奥へと進んでいく

29: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:20:42.11 ID:MtusK08W
地図を描きながら調査を進めていく君たちは目の前の樹に 赤い果実がなっているのを見つけた

果実は手に取ることができる高さにあり 実際に採って食べることができそうだ

君たちはこの果実を食べてみてもいいし 採らずに調査を再開してもいい

海未「真姫の髪のように赤い果実ですね」

真姫「見た目は美味しそうよね」

にこ「トマトみたいとか思ってないでしょうね」

真姫「お、思ってないわよ……」

にこ「食べてみる?」

海未「誰が食べるのですか?」

にこ「真姫?」

真姫「こういう時は問答無用でにこちゃんでしょ?」

にこ「ぬわぁんでよ!」

海未「毒があったらどうするつもりですか」

にこ「そうよ」

真姫「にこちゃん、あーん」

にこ「あーん」カプ

にこ「って、ぬわぁんでよ!」モグモグ

海未「そう言いながら食べてるじゃないですか……」

30: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:21:19.98 ID:MtusK08W
にこ「……」モッキュモッキュ

海未「どうですか?」

にこ「……ええ、とっても美味しいわよ? あんたたちも食べてみなさいよ」

海未「本当に大丈夫なんでしょうね……」

真姫「にこちゃんがそういうんだから大丈夫よ」カプッモグモグ

真姫「うーんピリピリとしたこの程よい辛味と酸味、外はグチャッと中はカリカリで絵の具と砂を混ぜたような味が絶妙なハーモニーを奏でる……」

真姫「……って、すっっっごく不味いじゃないのよこれ!!」

にこ「かかったわね!! にこに毒見させた罰よ!!」

真姫「うぇぇぇまずいぃぃぃぃ……なにこれぇ」

にこ「海未! 早く水頂戴!! 早く!!!!」

海未「何をしているんですか二人とも……」

君たちは口直しをした後 再び調査に戻るのだった……

31: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:22:15.44 ID:MtusK08W
森を進むと古ぼけた木製の看板があった

他の冒険者たちが自分たちと同じ冒険者のために残したものだろう

看板にはこう書かれていた

 

ここは 危険な魔獣が住まう場所

勇気と蛮勇を 履き違えるな

真姫「どういうことかしら? 勇気を持つことと、無鉄砲に突き進むのは違う、ってことかしら?」

海未「分かりませんが、この場所に忠告する看板があるのには何か意味があるはずです。ここに書かれている通り警戒するべきでしょう」

にこ「……」

君たちは看板がこの場所にある意味を考えつつ調査を再開した

32: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:23:09.43 ID:MtusK08W
慎重に冒険を進めていく君たちだったが 何かの気配を感じ 足を止める

見るとそこには見上げるほどの巨大な鹿が道をふさいでいた

真姫「なによあれ……あんなの神話とかの文献で挿絵になってるような生き物じゃない」

海未「たしかに、もし例えるならそのくらいの大きさと力強さがありますね……」

君たちは立派な角を持つこの巨大な鹿から 自然の力強さと神々しさを感じるのだった

だが君たちは調査隊だ なんとかしてこの道を進まなければならない

真姫「さっきの魔物のように戦って勝てるかしら?」

海未「いえ、おそらく勝てないでしょう。私たちもこの樹海で命を落とすことになりかねません」

にこ「……あれはF. O. Eよ」

海未「F. O. E?」

真姫「ええ、私も聞いたことがあるわ」

33: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:23:57.24 ID:MtusK08W
【F. O. E】

F. O. E(Field On Enemy)はフィールドを徘徊する大型のモンスターだ

他のモンスターより圧倒的に強い力を持ち、現状で倒すことができるとは限らない

逃げることは決して恥ではない

時には無駄な戦いを避けることも冒険においては賢い選択と言えるだろう

F. O. Eはその動きをよく観察すれば戦いを避けて進むことができるかもしれない

君は目の前の敵に挑んでもいいし 他の道を探してもいい

34: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:24:55.85 ID:MtusK08W
にこ「考えるのよ。F. O. Eと戦わずこの先へ進む方法を」

真姫「でも、どうするつもり?」

にこ「ほかの冒険者たちもこの道を通っているはずなのに、みんなこの奥へと進んでいるわ」

海未「たしかに……ほかの冒険者の方たちはどうやって進んでいるのでしょうか」

にこ「何か方法があるはずよ。周りをよく観察してみましょう」

真姫「大きな鹿だけあって足は速いわね。もし仮に追いかけられたら逃げきれないと思うわ」

海未「……」

海未「ところで……あの鹿は私たちに気づいているのでしょうか?」

にこ「どういうこと?」

海未「いえ、ここに私たちがいるのが分かっているのに襲って来ないのだとしたら、敵意はないということになります」

海未「むやみに近づかなければ襲って来ないのではないでしょうか」

にこ「なるほど」

真姫「それにあの鹿、さっきからずっと同じところを回っているわ」

真姫「追いかけて来ないのなら、上手く先へ進めるかもしれないわね」

にこ「待って、あそこの草むらの奥に小さな獣道があるわ」

真姫「あの狭い獣道なら体の大きなF. O. Eは入れなさそうよ」

海未「なるほど……つまりF. O. Eが遠くに離れた時になんとかしてあの獣道に入り込めばいいというわけですね」

36: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:27:23.69 ID:MtusK08W
F. O. Eは君たちのことを知ってか知らずか 同じ場所を飛び跳ねながら周回し続けている

こちらに来る様子はなさそうだ

にこ「いい? F. O. Eがあの角を曲がって見えなくなったら走って獣道に入るわよ」

海未「はい、ですが慎重に行きましょう」

にこ「……」

海未「……」

真姫「……」

真姫「F. O. Eが向こうへ行ったわ! 今のうちに走るわよ!」ダッ

にこ「急ぐわよ!」ダッ

海未「はい!!」ダッ

君たちは急いで獣道に向かって走り出した

F. O. Eが追いかけてくる気配はしない

にこ「追いかけてくる様子はないわね!」

真姫「ええ、なんとかなりそうよ!」

君たちはなんとか獣道に入り込むことができた

これで樹海のさらに奥へ行くことができそうだ

海未「追いかけてくる様子はありませんね。調査を再開しましょう」

にこ「ええ、そうね」

君たちは獣道を抜けた先で調査を再開した

37: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:28:25.16 ID:MtusK08W
道なりに進む君たちであったが、途中で変わった形の木を見つけ、足を止める

枝は渦を巻き、木の幹はラッパのように今にも音が出そうな穴がところどころに開いている

よく見ると、あちこちに同じような木がある

にこ「何かしらこの変な形の木は」

海未「楽器のような形をしていますね」

真姫「でも音なんて出ないでしょ」

周辺を調査してみるが、特におかしなところは見当たらない

君たちは次の場所を調査するため この場を後にした

38: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:29:25.54 ID:MtusK08W
真姫「海未、地図の出来はどう?」

海未「順調です。この辺り一帯の地図はあらかた描けていると思います」

にこ「……」

海未「にこ? 大丈夫ですか?」

にこ「……やっぱりこの樹海も見覚えがある気がするわ」

海未「おかしいですね……来たことはないはずですが」

真姫「……」

地図を描きつつ進む君たちは 樹海の中の開けた広間のような場所に出た

その真ん中には石碑のようなものがあり ひときわ存在感を放っている

真姫「何かしらね、これ」

海未「文字が書かれているようですが……私たちが読める文字ではありませんね。おそらく古代の文字でしょう」

にこ「誰が何のために作ったのかしら?」

39: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:30:40.23 ID:MtusK08W
周辺を調査する君たちだったが 突如、強烈な殺気を感じて周囲を警戒する

どこかに魔物が潜んでいるのだろうか

???「あかーーーーーーーーん!!!!」

声の聞こえてきたほうを見ると、茂みの奥から一人の少女が叫びながら飛び出して来る

「フェェェェエエエェェエエエエエエエーーーーーー!!!!」

さらに、少女の後ろから巨大な魔物が追いかけてきているではないか

にこ「何っ!? いきなりどうしたの!?」

海未「まさか……F. O. E!?」

真姫「ヴェエエ!?」

F. O. Eは全身をふわふわとした白い体毛に覆われており、その姿はアルパカを彷彿とさせた

しかし、普通のアルパカよりも凶暴ではるかに巨大であった

にこ「なんで樹海にアルパカなんているのよ! おかしいでしょ!!」

海未「にこ!! 言っている場合ではありません!! 身を守らなくては!!」

真姫「……アルパカ、かわいい」

にこ「あんたも戦うのよ!!」

君たちはF. O. Eとの戦いに巻き込まれてしまった!

逃げることはできそうにない! 剣を握り、このF. O. Eと戦うしかない!

40: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:31:37.40 ID:MtusK08W
狂乱の羊駱駝が現れた

希「巻き込んでごめんな! ウチは希! ドクトルマグスをやってるんよ」

真姫「私たちはミズガルズ図書館から派遣された調査隊よ! 私は真姫! こっちが、にこちゃんと海未」

にこ「希、いまは協力して戦いましょう! そうしなければあんたも私たちも命を落とすことになるわ!」

海未「いきなり連携を取るのは難しいかもしれませんがよろしくお願いします!」

希「うん、よろしく!」

彼女はそう答えると剣を構えた

ドクトルマグス(Doctor Magus)は、まじないの力で戦う中衛タイプのクラスだ

まじないの力を込めて敵を攻撃する巫剣と、味方の回復・補助および敵への妨害ができる巫術を使うことができる

「フェェェェエエエエェェエエエエエエーーーーーー!!!!」

アルパカは興奮状態で暴れまわっている 今にもこちらに攻撃を仕掛けてきそうだ

にこ「どうしてこうなったのか理由は後で聞くわ! 攻撃を仕掛けるわよ!!」

真姫「ええ!!」

41: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:32:28.36 ID:MtusK08W
にこ「はぁッ!!」

にこは剣を構えアルパカに飛びかかる

だが巨大な体のF. O. E.にとっては無傷も同然の攻撃のようだ

ダメージが通っているようにはとても思えない

海未「にこ!! どいてください!! 弓矢で狙撃します!!」

にこ「ダメなの! 剣が毛に絡まって動かない!」

アルパカの剛毛が剣に絡みつき ダメージを通さない

それだけではなく 剣を引き抜くこともできないのだ

海未「くっ……引き抜いたら飛び退いて下さい!! 狙われないようこちらに注意を向かせます!」

にこ「引き抜けた!! 退避するわ!!」ダッ

海未「……」ヒュンッ

海未はにこが飛び退いた後、隙を埋めるために連続で射撃する

真姫と希もそれに続き攻撃を加える

しかし、剛毛に遮られダメージが入っているようには見えない

42: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:33:47.26 ID:MtusK08W
アルパカは長い首を振り回し、攻撃を仕掛けてくる

アルパカ「フェエエェェエエエエーーーー!!!!」ドゴォ

にこ「ぐっ……ッ!!」

希「うっ……ッッ!!」

真姫「にこちゃん!!」

海未「二人とも落ち着いて体勢を立て直してください!!」

ダメージを受けつつも冷静に対処する二人であったが、F. O. Eはさらに何かをしようとしている

にこ「待って! 口をもごもごさせ始めたわ!」

海未「どういうことでしょうか」

アルパカ「ペッ!!」

アルパカは突然、ツバを吐いた!

真姫「ツバ!? 汚いわね!!」

にこ「臭い~!!」

希「あかん! グローブにくっついてしもた!!」

海未「ッ!? ちょっと待ってください!! そのグローブ、だんだん石のようになってませんか!?」

希のグローブはツバが付着した部分から徐々に石化し始めていた

辺りを見ると地面にあるツバが付着した草花も石になっていることに気が付く

海未「石化です! ツバに当たると石になってしまうんです!! 希、早くグローブを脱ぎ捨ててください!!」

希「あかんって!! このグローブ買ったばっかりなのにぃ!!」バサッ

希はそう言いつつもあわててグローブを脱ぎ捨てた

もう少し遅ければ、彼女も石になってしまっていたことだろう

あのツバに当たらないように気をつける必要がありそうだ

43: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:34:57.57 ID:MtusK08W
真姫「……なんでアルパカ自身の口の中は石にならないのかしら?」

にこ「今それどころじゃないでしょ!!」

海未「私たちにはユニークスキルというものがあります! それも活用していきましょう!」

海未「ラブアローシュート!!」シュバッ

苛烈な矢がアルパカにダメージを与える!

いままでの攻撃より効果がありそうだ

希「フォースブースト!! スピリチュアルパワーをこの剣に宿す……」

希「巫剣:霊防衰斬ッ!!」

巫術を込めた斬撃をアルパカに浴びせる!

F. O. Eの物理・属性防御力を低下させることに成功した!

希「これで今までより攻撃が通るはずやん!」

にこ「ありがとう希! さあ攻撃を……」

44: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:35:59.48 ID:MtusK08W
「フェェェェエエエエエエェェェエエエエエーーーー!!!!」

突如、F. O. Eが叫び始めた

にこ「な、何!? いきなりどうしたの!?」

真姫「にこちゃん!! 構わず攻撃を……」

「フェェェェェエエエエエェェェェエエエエエーーーーー!!!!」

なんということだろうか!! すぐ近くから他のF. O. Eの叫び声が聞こえるではないか!

海未「まさか……仲間を呼んだのでは!!」

真姫「なんですって!!」

当たって欲しくない予想は、見事に当たってしまう

樹海の奥から巨大なアルパカのF. O. Eが姿を現した

こちらのアルパカは茶色の毛並みに覆われ、白いアルパカよりもさらに気性が激しい

F. O. Eを二体同時に相手どらなければならなくなってしまったのだ!

にこ「一体……どうしたらいいの」

海未「にこ!! まだあきらめないでください!!」

希「さすがに万事休すやん……」

!!ああっと!!

45: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:36:53.75 ID:MtusK08W
狂乱の茶羊駱駝が乱入してきた

真姫「二体になったくらいで何よ!! こんなことくらいで負けてられない!!」

その自信はどこから出てくるのであろうか、後方から飛び出してきた真姫が巨大なハンマーを叩きつける

茶アルパカの巨大な体が、ほんのわずかに揺れ動く

他の攻撃より効いているのだろうか

だが、それが逆にアルパカの逆鱗に触れた!

「フェェェエエエエエェェェエエエエエエーーーーー!!!!」

茶アルパカは巨大な体で体当たりし、真姫を吹き飛ばす

真姫「ぐっ……ッッ!!!!」

にこ「真姫!!」

希「落ち着いて! ウチはドクトルマグス!! 回復もできるんよ!」

海未「真姫をお願いします! にこ、希たちが狙われないように攻撃をしましょう!」

にこ「くっ……真姫……」

希は真姫の元に向かい、巫術で真姫を回復させている

しかし、二人で巨大なF. O. Eを二体も相手取るなどできるはずもない

この状況ではいつ全滅してもおかしくはない

にこ「このままじゃ……みんなが……」

ザザッ

ぐっ……ザザッ……真……姫……ザザザザ……

ごめん……ザザッ……ね……にこ……ザザッ……ちゃん…………

ザザッ

46: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:37:51.55 ID:MtusK08W
にこ(さっきから一体何なの……? デジャヴっていうのかしら……?)

にこ(あのときみたいになりたくない……もう誰にも傷ついてほしくない……)

にこ(…………あのときって何なの?)

にこ(にこに、もっと力があれば……みんなを守れるのに……)

――――SUNNY DAY SONG……

――――どんな……ことも乗り越えられる気がするよ~♪

にこ(歌……?)

――――にこちゃん、どんなことでも乗り越えられるよ!

――――あの頃のように!

にこ(誰……? 誰が話かけてきてるの?)

にこ(あれは……光?)

…………突然、光に包まれたような気がした

気が付くと白い光に包まれた遺跡にいた

その石造りの遺跡にはいたる所に白い光を放つ花が咲いている

そして、遺跡を包む白い光はどこまでも続いていた……

にこ「なんで……さっきまで樹海にいて……F. O. Eと戦ってたはずなのに」

47: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:39:05.92 ID:MtusK08W
――――にこちゃん! 久しぶりだねっ!

にこ「誰なの? どこにいるの?」

――――あのね! みんなを守って欲しいの!

にこ「どういうこと?」

――――これから迫る危機から……できるのはたぶん、にこちゃんだけ

にこ「これから迫る危機……?」

――――だから、そのチカラを使ってね

にこ「チカラ……?」

――――きっとみんなを守るために必要になると思うんだ!

にこ「どうすればいいのよ」

――――うーん、実はよく分かんないや

にこ「はあ?」

――――でも、にこちゃんなら大丈夫っ!!

――――ファイトだよっ!

にこ「ちょっと!! 全然分からないんだけど!!」

48: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:44:05.21 ID:d0bJz0XD
…………ッ!! ……ッ!! にこ!! 大丈夫ですか!?

……返事をしてください!!

海未「にこ!! 返事をしてください!!」

にこ「……え? 私……いったい?」

海未「にこ! 戦いの最中ですよ! 気をつけてください!」

にこ「え? ええ、分かってるわ」

F. O. Eと戦うため再び剣を握りしめる彼女だったが、右手に違和感を感じ、その部分を見る

にこ「……え? 私の右手……どうなってんの?」

見ると、彼女の右手には謎の刻印のようなものが刻まれている

 

そして……


にこ「ぅぅうう……あああああぁぁあああぁぁああああああーーーーーー!!!!」

49: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:47:13.87 ID:d0bJz0XD
にこの右手の刻印から蒼い炎が吹きあがり、そのまま彼女の全身を包み込む

海未「にこ!! しっかりしてください!! どうしたのですか!!」

だが、燃え盛る蒼い炎の中から現れたのは、にこではなかった

全身が黒く、まるで鎧を身にまとっているかのような、異形の姿であった

海未「にこ……なのですか?」

??「ええ、そうよ」

人の形をした怪物は、呼びかけに答える

どうやらこの化け物は姿こそ変わってしまったが、にこ本人のようだ

にこ「……どうしたのかしら、全身からチカラが満ち溢れてくるの」

にこ「みんなを守れるような気がする!」

海未「にこ……」

50: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:48:11.72 ID:d0bJz0XD
彼女は再び剣を握ると、F. O. Eめがけて突っ込んでいく

狙いは白い毛並みのアルパカのようだ

人間とは比べものにならないほどのスピードとパワーで斬撃を浴びせる

そして、F. O. Eに隙ができたのを見てすかさず追撃を加える

にこ「フレイムセイバー!!」

炎をまとった斬撃を目にも止まらぬ速さで叩き込んだ

さすがのF. O. Eも堪らず倒れる

なんということだろうか、たった一人でF. O. Eを撃破してしまった

もう片方の茶色のアルパカは、真姫と希に狙いを定めていた

急いで彼女たちに元に向かう

にこ「あんたたち、怪我はない?」

真姫「……にこちゃんなの?」

希「その姿は…………まさか……」

真姫と希を襲おうとしていたF. O. Eもあっという間に倒してしまった

彼女の、この形容しがたい姿はいったい何だというのであろうか……

51: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:50:10.02 ID:d0bJz0XD
戦闘が終わると、にこは蒼い炎に再び包まれ、一瞬で元の姿に戻った

右手の刻印以外、にこの体におかしな様子はない

今まで通りの人間の姿だ

にこ「……」

海未「……にこ、今のは一体なんですか?」

にこ「……分からないわ」

海未「今のは人智を超えた力……今回は助かりましたが、本来なら人間が手にして良いものではないはずです」

にこ「……」 

真姫「にこちゃん! 大丈夫!?」

にこ「真姫、怪我はもういいの?」

真姫「ええ、希のおかげで治ったわ。それより今のは何? 大丈夫なの?」

にこ「今、自分に何が起こったのか分からないわ……」

希「……」

真姫「にこちゃん……そ、その……さっきは守ってくれてアリガト……///」

にこ「え? いいのよ別に……真姫を守れたんだから」

真姫「ヴェ///べ、別に……そ、それより、どんな姿になっても、にこちゃんはにこちゃんなんだからね! それだけ!」

52: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:51:21.76 ID:d0bJz0XD
海未「……本当に大丈夫なんですか? 右手に何か刻印のようなものが出来ていますね」

にこ「くっ……うぅぅ……」

海未「ッ!? やはりどこかが痛むんですか!?」

真姫「!? そうなの!? にこちゃん!」

にこ「うぅ……右手が……」

海未「やはり右手ですか! 右手がどうしたんですか!」

にこ「……右手に封じ込められし『にこにー☆』が!」

海未「右手に封じ込められしにこにーとは何ですか!」

にこ「海未ちゃんがにこと一緒に『にっこにっこにー!』してくれたら治る気がするにこ」

海未「な、なんで私なんですか!」

真姫「海未、早く! にこちゃんが!」

海未「む、無理です……恥ずかしいです!」

にこ「うう……右手が……」

海未「くっ……仕方ありません! 女は度胸です!」

にこ「にこが、せーの、って言ったら二人で全力でやるにこ!」

海未「わ、分かりました///」

にこ「せーのっ!」

海未「にっ///にっこにっこにー!!//////」

にこ「……」

真姫「……」

希「……」

海未「……」

にこ「……にこっ☆ 恥ずかしがってる海未ちゃんとっても可愛かったよっ☆」

海未「ふざけないでください! 本気で心配したじゃないですか!」

真姫「本当よ……まったく」

希「……」

53: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:52:34.75 ID:d0bJz0XD
希「ふっふっふっ、それではウチがにこっちの変身に名前を付けてしんぜよう」

海未「希まで急にどうしたのですか」

真姫「初対面とは思えない馴れ馴れしさね」

にこ「そもそもこれって変身なのかしら?」

希「ウチはこれでも占いができるんよ。何にしても名前って必要やろ? さあ、にこっちの変身の名前は……」

【ファフニール】

希「出たで! にこっちはこれから『ファフニール』として戦っていくんや」

にこ「ファフニールね……まあ、せっかくだし使わせてもらうわ」

海未「どういう意味なのでしょう?」

希「占いの結果やからね、そう深く考えんでもいいんよ」

海未「そういうものなのでしょうか」

希(にこっち……どんな困難が訪れようと、負けないでね…………)

希(だってにこっちはみんなを守る、ウチたちの…………)

 

【ファフニールの騎士】なんだから…………

54: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:54:41.38 ID:d0bJz0XD
海未「……とにかく今回は街に戻りましょう。ある程度ですが地図を描くことができましたから」

真姫「ええ、そうね。さすがに疲れたわ」

にこ「ここからまた歩いて帰るっていうの? 途中には大きな鹿のF. O. Eがいるし、いつまた魔物に襲われるか分からないわよ?」

希「そういうことならコレや!」

海未「それは……」

希「『アリアドネの糸』や。このアイテムを使うとなぜか一瞬で街まで戻ることができるんよ」

真姫「それがアリアドネの糸なのね。聞いたことがあるわ」

希「これを使って一緒に街に帰ろう」

にこ「ありがとう。そうさせてもらうわ」

希「それじゃあ、糸を使うよ」

希は『アリアドネの糸』を使った

気が付いたら、君たちは樹海から街に戻ってきていた

これからの冒険ではアリアドネの糸を持って行ったほうがいいかもしれない

55: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:56:00.58 ID:d0bJz0XD
―オトノキ―

にこ「助かったわ。そういえばどうしてF. O. Eに追いかけられていたの?」

海未「たしかに聞いていませんでしたね?」

希「ああ……ちょっとしくじっちゃってね」

真姫「なんか怪しいわね」

希「それはそうと」

真姫「ちょっと、まだ話は終わってないわよ?」

希「ウチをみんなのギルドに入れて欲しいんよ」

にこ「にこたちのギルドに?」

海未「先ほど言いましたが、私たちはミズガルズ図書館からの調査隊です。普通のギルドとは少し違うのですよ?」

希「分かってる」

海未「二人はどう思いますか?」

真姫「助けてもらっておいて言いたくないけど、少し怪しいわね」

にこ「どうしてにこたちのギルドに入りたいのかしら?」

希「……その時が来たら答える」

にこ「いまは答えられないのね」

希「……」

君たちは彼女を仲間に入れてもいいし 断ってもいい

56: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:57:26.16 ID:d0bJz0XD
真姫「ますます怪しいわね。でも不思議ね、一緒にいてもいいような気がするの」

海未「調査のためには入れるべきではない。それは分かっているのですが……」

海未「なぜでしょうか。私も入って欲しいと思います。にこはどうですか?」

にこ「……なぜかしら。私も入ってもらいたいと思うわ」

真姫「決まりね」

海未「なぜでしょうね。でも、これでいいような気がします」

にこ「これからよろしくね。希」

希「ありがとう! にこっち! みんな!」

希がパーティに加わった

にこ「それじゃあ、まずは宿に行きましょ。その後、歓迎会も兼ねてどこかで食事するのはどうかしら?」

希「じゃあ、ウチはみんなが泊まる宿に移ろうかな?」

君たちは宿屋に向かって歩き出した

57: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:58:07.99 ID:d0bJz0XD
―宿屋―

雪穂「いらっしゃいませ! あ、皆さん初めてのお客さんですか? 私は雪穂です。この宿で働いています」

雪穂「ここは冒険者用の宿です。普通のお客さんも泊まれますが、冒険者の方が多いです」

雪穂「医療施設も完備していますので、必要であればご利用ください」

海未「今日からお世話になりますね」

真姫「医学を学んでいる者として、この宿の医療施設は見てみたいわね」

にこ「悪いけど、さっそく部屋に案内してもらえるかしら?」

雪穂「こちらへどうぞ。部屋は一人ずつ個室になっています」

にこ「それじゃあ、みんな後で集合ね」

希「分かったやん」

58: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:58:55.52 ID:d0bJz0XD
―にこの部屋―

にこ「……はあ、疲れたわね」

にこ「……」

――――今のは人智を超えた力

――――人間が手にして良いものではないはずです

――――にこっちはこれから『ファフニール』として戦っていくんや

――――みんなを守って欲しいの! これから迫る危機から……

――――できるのはたぶん、にこちゃんだけ……

 

にこ「……いったいこれは何なの」

にこ「どうすればいいの……」

<コンコン

<ドア ガチャ

真姫「にこちゃん入るわよ? そろそろ食事に行きましょ」

にこ「ええ、いま行くわ」

59: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 01:59:41.09 ID:d0bJz0XD
―酒場―

にこ「ここが冒険者酒場ね。食事もできるみたいだけど」

海未「冒険者の方が多いですね」

真姫「情報収集に来てるのかしら?」

希「ウチもこのお店は初めて来たけど、そういう人もいるし、ウチたちみたいに食事に来てる人もいると思うよ」

亜里沙「いらっしゃいませ! ハラショー! 皆さん初めてのお客さんですか? 私は亜里沙です」

亜里沙「亜里沙は、このお店のお手伝いをしているんですよ」

真姫「食事以外の目的で来てる冒険者も結構多いわね?」

亜里沙「はい、冒険者同士の情報共有だけでなく、ここではクエストも扱っていますので」

海未「クエストですか?」

亜里沙「はい、個人や団体からの依頼をクエストとして扱っています」

亜里沙「そして、クエストを達成すると報酬が受け取れるんですよ」

希「あとで見てみるのもいいかもしれへんね」

60: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:00:26.90 ID:d0bJz0XD
にこ「とりあえずご飯にしましょ? 注文いいかしら?」

亜里沙「はい!」

にこ「えっと……クルミ入りライ麦パンと、シカ肉のステーキでしょ?それから……」

にこ(シカ……? 樹海にF. O. Eがいたけど……まさかね……)

海未「旬の野菜ポトフとかも良さそうですね」

真姫「トマトはないの?」

希「ウチは焼肉!」

注文を済ませ、料理の到着を待つ君たちだったが とさかのような変わった髪型の冒険者に目が留まる

どうやらその冒険者は吟遊詩人(バード)のようだ

なぜであろうか 気になっていた君たちであったが、その冒険者はこちらに声をかけてきた

???「ちょっとお話いいですかぁ?」

にこ「なにかしら?」

61: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:02:08.07 ID:d0bJz0XD
ことり「皆さん冒険者の方ですか? 私はことりって言います。なんか皆さんが気になっちゃって」

海未「私たちも……なぜかあなたのことが気になっていたところです」

希「スピリチュアルやね」

真姫「何よそれ……」

にこ「……あんた、どこかであった?」

ことり「えっとぉ……ごめんなさい分からないです」

海未「なんだかぷわぷわした子ですね……」

真姫「待って……もしかして執政院の!」

ことり「お母さんです」

海未「なるほど……そう言われてみると似ていますね」

希「ウチも会ったことあるよ」

にこ「それで、私たちに何か用かしら?」

ことり「皆さん、新しく冒険者になったばかりですよね?」

ことり「気になったついでに教えておこうと思って話しかけちゃいました」

海未「教える? 何をでしょうか」

62: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:02:11.80 ID:d0bJz0XD
ことり「皆さん冒険者の方ですか? 私はことりって言います。なんか皆さんが気になっちゃって」

海未「私たちも……なぜかあなたのことが気になっていたところです」

希「スピリチュアルやね」

真姫「何よそれ……」

にこ「……あんた、どこかであった?」

ことり「えっとぉ……ごめんなさい分からないです」

海未「なんだかぷわぷわした子ですね……」

真姫「待って……もしかして執政院の!」

ことり「お母さんです」

海未「なるほど……そう言われてみると似ていますね」

希「ウチも会ったことあるよ」

にこ「それで、私たちに何か用かしら?」

ことり「皆さん、新しく冒険者になったばかりですよね?」

ことり「気になったついでに教えておこうと思って話しかけちゃいました」

海未「教える? 何をでしょうか」

63: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:04:02.14 ID:d0bJz0XD
ミスって連投してしまいました。
64: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:04:56.60 ID:d0bJz0XD
ことり「樹海で変わった形の木を見ませんでしたか?」

にこ「たしかに見たわね。楽器みたいな形をしていたわ」

ことり「あれには秘密があるんですよ」

海未「秘密?」

ことり「樹海の奥に進むにはあの『音ノ木』の近くでこの特殊な笛を吹く必要があるんです」

真姫「そのオカリナが必要だって言うの? なんだか信じられないわね」

ことり「これを皆さんにあげちゃいます!」

にこ「ちょっと待ちなさいよ。なんで急にそんなことするのよ!」

ことり「理由はよく分からないけど……なんとなくです!」

希「スピリチュアルやね」

真姫「イミワカンナイ」

ことり「それじゃあ、またどこかで会いましょうね!」

海未「行ってしまいました……」

にこ「全然意味が分からないわ……」

真姫「それに怪しいわよ? 信じていいのかしら?」

希「ならウチが信じるべきか占ってみよか?」

にこ「あんたそのセリフ便利ね」

希「信じるべし」

にこ「結果出るの早くない!?」

君たちは『ことりのオカリナ』を手に入れた

食事を済ませた君たちは 冒険の疲れを癒すため宿に戻ることにした

65: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:06:26.90 ID:d0bJz0XD
―宿屋・にこの部屋―

にこ「突然だけど、抜き打ちでいきなりみんなの部屋に突撃するわ!」

にこ「イタズラしちゃうわよ!」

にこ「ずっとミズガルズで暮らしてたから、みんなで宿に泊まるなんてあんまりしたことなかったのよね」

にこ「それぞれ部屋で何をしてるのか気になるでしょ? ふふっ、ちょっと楽しみだわ」

―海未の部屋前―

にこ「まずは海未からね」

にこ「しっかり者の海未だけど、部屋では何してるのかしら?」

にこ「よーし、いくわよ……」

―そのころ、海未の部屋では―

海未「うぅ……あの時、にこは可愛いと言ってくれましたが……本当に可愛いのでしょうか……」

海未「にっ……にっこにっこにー//////」

海未「ダメです///恥ずかしいです///」

海未「自分っぽくしてみましょう……うっ、うっみうっみうー//////」

海未「も、もっと全力でやれば恥ずかしくないはずです!」

海未「いきますよ!」

66: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:07:19.24 ID:d0bJz0XD
ドア ガチャ

にこ「海未! 突然だけど部屋に入るわよ!」

海未「うっみうっみうー!」

にこ「……」

海未「……」

にこ「……」ドア ガチャ

>そっとしておこう

67: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:07:50.19 ID:d0bJz0XD
―真姫の部屋前―

にこ「……気を取りなおしていきましょう」

にこ「次は真姫ね!」

にこ「あの子はなかなか自分の思ってることを話してくれないから、何か少しでも本当の真姫を知ることができれば嬉しいわね」

にこ「よーし、いくわよ……」

―そのころ、真姫の部屋では―

真姫「にこちゃん……あの時、怪我をして動けない私のこと心配して助けてくれたのよね……」

真姫「さっきからにこちゃんのことが気になってる……」

真姫「ヴェェ別にそんなはずないわよ!///いつも一緒だったんだから///」

真姫「…………にこちゃん///」

68: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:09:14.66 ID:d0bJz0XD
ドア ガチャ

にこ「真姫! 突然だけど部屋に入るわよ!」

真姫「にこちゃん!にこちゃん大好き!ハアハア!大好きなの!にこちゃん!にこちゃん!!///」ジタバタ

そこには枕を抱きしめながらジタバタとベッドで転げまわる真姫の姿があった……

にこ「……」

真姫「……」

真姫「……///」

にこ「……///」ドア ガチャ

>そっとしておこう

69: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:13:06.89 ID:d0bJz0XD
―廊下―

にこ「……///」

にこ「知ってはいけないことを知ってしまった気がするわ……」

にこ「少しでも真姫を知ることができたらって思ってたけど……」

にこ「これからどうやって真姫に顔を合わせればいいの……///」

にこ「……」

にこ「さあ、気を取りなおしていきましょう!」

にこ「ついに希の番よ!」

にこ「まだ知り合ったばかりだから、するべきじゃないかもしれないけど、ここはあえてやるわよ!」

―希の部屋―

ドア ガチャ

にこ「希! 突然だけど部屋に入るわよ!」

にこ「……あれ? 部屋にいない?」

希「ふっふっふっ、後ろに隠れていたのだ! にこっち!」

にこ「しまった!」

希「にこっちが来ることは占いで分かってたんよ!」

にこ「あんたそれ本当に便利ね!」

希「ウチにイタズラしようとした罰や! わしわしぃぃぃぃ!!」

にこ「いいぃぃやぁぁぁああああぁぁぁぁああああああーーーーッッ!!!!」

70: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:14:27.08 ID:d0bJz0XD
―翌日―

雪穂「ゆうべはおたのしみでしたね! それではいってらっしゃいませ!」

にこ「……」

海未「……」

真姫「……///」

にこ「ゆうべはおたのしみでしたね」

海未「にこ?何か言いましたか?」ゴゴゴゴゴ

にこ「いえ、なんでもないです……」

にこ「ゆ、ゆうべはおたのしみでしたね///」

真姫「ヴェェ……むぅぅ~~//////」ポカポカ

にこ「ちょ、叩かないでよ//////」

希「にこっち、ゆうべはおたのしみだったやん?」

にこ「あんたのせいでひどい目にあったわよ……」

君たちは調査のため再び樹海へと向かうことにした

71: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:15:22.63 ID:d0bJz0XD
―広場―

海未「にこ。今日も冒険に出かけますが、アリアドネの糸は持ちましたか? 今日はにこの担当ですから」

にこ「ええ、持ってるわよ」

真姫「にこちゃんが万が一忘れてたら困るから、私も持ってきてるわ」

海未「奇遇ですね真姫、まったく同じ理由で私も持ってきてます」

希「ウチも持ってるよ」

にこ「信用されてなさすぎじゃない?」

海未「それと、ことりからもらったオカリナやその他アイテム類も持ってきています」

海未「あと、今日の地図の担当は真姫でいいですね?」

真姫「ええ、任せて。 にこちゃんじゃ描き間違えるでしょ?」

にこ「にこの味方はいないの!?」

72: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:16:23.66 ID:d0bJz0XD
―第1階層・始マリト音ノ樹海―

にこ「それじゃあ、張り切って調査していくわよ!」

海未「とにかく樹海のより奥を目指すために、ことりが話していた『音ノ木』まで行ってみましょう」

真姫「魔物にも気をつけなきゃね」

君たちはあの楽器のような形をした不思議な木を目指し、歩き始めた

海未「そういえば昨日は早めに調査を切り上げましたが、今回も日が沈む前には街に戻りましょう」

にこ「なんで?」

希「夜は夜行性の魔物が出てきて、すごく危ないんよ」

真姫「昼間に出てくる魔物よりずっと強いのよ」

にこ「なるほど」

そう話している君たちの目の前に、魔物の群れが現れた

73: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:17:00.64 ID:d0bJz0XD
森ネズミと森林チョウが現れた

だが、君たちは昨日の経験を活かし冷静に対処する

冒険者としてまだ未熟ではあるが、成長しているようだ

真姫「森林チョウは突属性攻撃が有効よ! 海未、弓で狙撃お願い!」

海未「任せてください!」ヒュンッ

にこ「森ネズミも簡単に倒せるわね」

海未「ですが、油断してはいけませんよ」

希「いやぁー、みんな強くなったやん」

魔物の群れを倒した

君たちは自分たちの成長を実感しながら樹海を進んでいく

74: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:18:20.19 ID:d0bJz0XD
地図を描きながら進んでいく君たちだったが、謎の木箱を発見し足を止める

中を調べると様々な冒険用のアイテムが入れられている

どうやら冒険者同士でアイテムを共有しているようだ

君たちはありがたく思い、アイテムを持って行ってもいいし 他の冒険者のために何かを入れてもいい

海未「冒険者共有の木箱ですね。どうしますか?」

にこ「今はアイテムも大丈夫だから、他の冒険者のために何かアイテムを入れましょうか?」

希「ふむふむ、いいやん?」

真姫「何を入れるのよ?」

海未「アリアドネの糸はやめておきましょう。自分たちのために持っておくべきです」

真姫「そうね。回復アイテムのメディカがいいんじゃないかしら?」

にこ「じゃあ、メディカを入れておきましょう」

希「情けは人の為ならずやね!」

君たちは木箱にメディカを入れると、その場を後にした

75: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:23:42.62 ID:d0bJz0XD
樹海の中を進む君たちは、小道の先で動く影を見付ける

目を凝らしてみたところ、大きな草の影にリスのような小動物の姿を発見した

そのリスは君たちに怯える様子もなく、小さな声で鳴いてすり寄ってくる

君たちは、この可愛らしい小動物に手を伸ばして触れてもいいし このまま立ち去ってもいい

にこ「リスね」

真姫「か、可愛い……」

海未「ええ、本当ですね」

希「いや、そのリスはアカンよ。たぶん……」

にこ「触っても大丈夫かしら?」

希「にこっち、あかん!!」

76: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:24:50.42 ID:d0bJz0XD
希が止めるより先に にこは草の影に潜む小動物に手を伸ばしてしまった

その瞬間、愛らしい様子で小首をかしげていたリスがにこの体を駆け上がってきた!

そしてリスは、にこが装備していた腕輪を乱暴にひったくると一目散に逃げていった!

おそらく取り戻すことは不可能であろう……

にこ「ぬわぁ! にこの腕輪がぁ!」

希「だから言ったやん……」

海未「まさかリスすらも樹海の脅威だったとは……」

真姫「よく考えたら、こんな危険な樹海で生活してるんだから、ただ者じゃないわよね……」

希「大事なアイテムを取られなかっただけマシ……そう考えよう?」

もしアリアドネの糸や地図が盗まれていたら冒険を進めることができなくなっていただろう

最悪の場合、樹海から帰ることができず全滅していたかもしれない

君たちは樹海の危険さを改めて感じ、より気を引き締め 先に進むことにした

77: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:26:12.91 ID:d0bJz0XD
冒険を進める君たちだったが、二人組の冒険者と出くわした

しかし、一人はどうやら魔物との戦いで負傷しているようだ

??「凛ちゃん! しっかりして!」

凛「ハァ……ハァ……凛は大丈夫だよ……ぐっ…………」

花陽「すみません! 助けていただけませんか! 私は冒険者の花陽と言います」

しかし、ここは樹海 立ち止まっている間に魔物に襲われる可能性もある

君はこの冒険者たちを助けてもいいし 自らの安全のために立ち去ってもいい

にこ「助けるに決まってるでしょ! 真姫! お願い!」

真姫「私はメディックよ! その怪我、治してみせるわ!」

希「ウチも手伝うよ!」

海未「にこ、二人が治療している間に周りを見張りましょう」

にこ「ええ、分かったわ」

二人は魔物が襲ってきても対処できるように周りを見張ることにした

幸いなことに治療中に魔物に襲われることはなかった

そして、彼女の怪我は真姫たちの懸命な治療によりすっかり治ったようだ

78: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:27:21.76 ID:d0bJz0XD
凛「ありがとにゃ! かよちん、治ったよ!」

花陽「凛ちゃん……うぅぅ……よかったよぉ……」グスン

凛「かよちん泣かないで」

真姫「怪我は治っても精神的にはかなり疲労しているはずよ。今日は念のため街に戻りなさい」

花陽「皆さん、ありがとうございました! いつかお礼をします!」

凛「バイバイにゃあ!」

にこ「なんとか治って良かったわね」

海未「ええ、そうですね」

真姫「真姫ちゃんが治したんだから当たり前でしょ」

希「さすが真姫ちゃん」

二人はそう言うと、街へと戻っていった

君たちもそれを見送ると、調査を再開した

79: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:28:15.44 ID:d0bJz0XD
順調に君たちは、昨日見つけた不思議な木のある場所に着いた

『音ノ木』と呼ばれるこの楽器のような木の近くで『ことりのオカリナ』を吹くと、樹海の奥に進めるようになるらしい

怪しいと思う君たちだったが、とにかくオカリナを吹いてみることにした

海未「真姫、オカリナをお願いします」

真姫「なんで私が……」

にこ「あんたピアノできるでしょ?」

真姫「それとは関係ないでしょ」

希「ウチも真姫ちゃんが吹いてるところ見たいな~」

真姫「もう……仕方ないわね……」

海未「お願いしますね」

真姫「それじゃあ吹くわよ」

真姫「~~♪♪」

オカリナは驚くほど美しい音を出し、あたりに音を響かせた

すると、まるでラッパのような形をした『音ノ木』の中の空洞をオカリナの音が反響する

さらにそれは他の『音ノ木』と共鳴し、人間によって作曲された一つの音楽のような美しいハーモニーを奏でる

いったいどうしてこのようなことが起こるのか分からないが、森全体が何かを歌っているかのような錯覚を起こすほどであった

80: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:29:16.73 ID:d0bJz0XD
にこ「結局何なの? たしかにすごいことが起こってるけど」

真姫「待って! この曲、何かおかしいわ」

海未「おかしい? 真姫、どうおかしいのですか?」

真姫「この曲はおそらく暗号になっているの」

希「そうなん?」

真姫「『絶対音感』という能力を持っている人がいるのを知っているわよね?」

海未「ええ、簡単に言うと音を聞いたときに『どの音なのか分かる』人のことですよね」

真姫「生まれつきその能力がある人もいれば、ピアノとかをする上で身に着く人もいるわ」

希「つまり真姫ちゃんも今の音を聞いて、何か分かったってこと?」

真姫「ええ、そういうことよ。海未、メモできるものを貸して」

海未「ええ、どうぞ」

真姫は何かを書きながら、暗号を解いている

そして、しばらくすると解き終わったのか、手に持っていた地図と解いた暗号を照らし合わせる

どうやら何かの場所を示しているようだ

81: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:29:44.63 ID:d0bJz0XD
真姫「地図にあるこの場所に行けばいいはずよ。何があるかまでは分からないけど」

海未「いえ、真姫がいなかったら分からなかった情報です」

希「真姫ちゃんお手柄やんね」

にこ「それにしても不思議なギミックね……なんでこんなことが起こるのかしら……」

海未「さっそくこの場所まで行ってみましょう」

君たちは不思議に思いながらも暗号が指す場所へ向かうことにした

82: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:30:15.85 ID:d0bJz0XD
真姫「さあ、答え合わせね」

君たちは解読した場所までやってきた

真姫「解読が正しければ、このあたりのどこかに何かがあるはずよ。慎重に探しましょ」

海未「ここは通ったことのある道ですから、何かを見落としていたのかもしれませんね」

より慎重にあたりを調べる君たちは、抜け道が隠されていることに気づいた

にこ「こんなところに抜け道があったのね」

希「これは知らなかったら見つけられへんわ」

海未「ええ、ほとんどの他の冒険者の方たちも知らない道でしょう」

希「おお、偉いぞ真姫ちゃん」ナデナデ

真姫「ヴェェ///なでなでしないで!///」

にこ「なんかちょっと嬉しそうね……」

君たちは隠されていた秘密の抜け道に入り、さらに樹海の奥へと進んでいく

83: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:30:54.28 ID:d0bJz0XD
希「きゃあ!」

抜け道を進む君たちだったが 後ろを歩く希の叫び声を聞いて足を止める

見ると、地面のぬかるみに足を取られ、動けなくなっているようだ

希「ちょっと! なんでウチだけ沈むんや! みんなもここ通ったやん!」

海未「たしかに私たちは沈みませんでしたね」

にこ「つまり希は私たちより体重が重いってこと?」

希「そんなことない! ウチそんな重くないもん!」

真姫「分かってるわよ。そんなこと言ってないで、三人で引っ張るわよ」

希「いやぁぁ!! ウチ軽いもん! きっと装備が重いんだもん!」

にこ「口調おかしくなってるじゃないの……」

三人に引っ張られ、希はぬかるみから無事脱出した

希「ウチそんな重くないもん……」

真姫「そうね。よしよし」ナデナデ

希「なでなでしないで///」

真姫「さっきのお返しよ」

少しだけ涙目になっている希を慰めつつ、君たちは再び抜け道を進んでいく

84: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:31:32.23 ID:d0bJz0XD
抜け道を進む君たちは 木の陰にリスのような小動物を再び発見する

先ほどのリスであろうか

リスは君たちに怯える様子もなく、小さな声で鳴いてすり寄ってくる

君は再びこの可愛らしい小動物に手を伸ばして触れてもいいし このまま立ち去ってもいい

にこ「またリスね……さっきはひどい目にあったから気をつけなきゃね」

真姫「さすがに別のリスだと思うわよ? だから大丈夫じゃないかしら?」

海未「ここは樹海ですから……何があるか分かりませんよ」

希「そのリスも気をつけたほうが……」

そう言っている間にもリスは、にこの体をよじ登りかばんの中に首を突っ込むと何かを盗み、逃げ去っていった!

あわててかばんの中を確認してみると、どうやらアリアドネの糸を盗まれたようだ!

おそらく取り返すのは不可能であろう……

にこ「ぬわぁ! またやられた!」

海未「これが樹海……なんと恐ろしい……」

真姫「アリアドネの糸を盗んで何をするつもりなのかしら……」

希「予備の糸を持って来てよかったね…………あれ?」

85: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:32:31.05 ID:d0bJz0XD
見ると、別のリスが希のかばんから何かを盗んでいた

気が付いたときにはすでに遅く そのまま逃げられてしまう

こちらも取り返すことはできないだろう

中を確認すると、希の持っていたアリアドネの糸も無くなっていた

希「リスは二匹いたッ!」

真姫「いいえ、二匹じゃないわ……三匹よ」

いつのまにか真姫もアリアドネの糸を盗まれていたらしい

残るアリアドネの糸は海未が持っている一つだけだ

86: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:33:14.99 ID:d0bJz0XD
海未「一つだけですが、糸が残っていて良かったです」

海未「全て盗まれてしまっていたら、歩いて街まで帰らなければならないところでした」

真姫「途中の道にはF. O. Eや他のモンスターもいるから危険よ」

真姫「歩いているうちに夜になってしまえば、危険な夜行性モンスターが活動を始めるわ」

希「最初にリスに出会ったとき、にこっちの腕輪じゃなくてアリアドネの糸が盗まれていたら、そうなっていたかもしれないやんね……」

にこ「にこに感謝しなさいよね」

希「それは何か違うで、にこっち……」

君たちは再び調査のため歩き出した……

87: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:34:21.71 ID:d0bJz0XD
抜け道を進むと、広場のような開けた場所に出た

その奥には階段のようなものがある

その階段は地下へ向かって伸びているようだ

この地下樹海よりも下に、さらに何かがあるのだろうか

君たちはその先へ進んでもいいし いったん街へ引き返してもいい

にこ「進みましょう」

海未「ええ、この樹海を調査するものとして、先に進む必要がありそうですね」

真姫「でも、もうすぐ日が沈むわ。早めに引き返すわよ」

希「……」

君たちは階段を慎重に下りていく……

88: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:34:48.40 ID:d0bJz0XD
―第2階層・過去ヲ閉ザサレタ廃都オトノキ―

樹海から地下に向かって階段を下っていくと、荒廃した街が見えてきた

ツタに覆われた変わった形の建物が乱立し、小高い丘の上には学校のようなものが見える

ところどころ緑が見えるものの、先ほどの自然豊かな樹海とは雰囲気がまるで違う

そして、上の樹海と同様に見たことのない魔獣が闊歩しているのが見て取れる

君たちはこの階層も調査すべく、荒れ果てた街を進んでいく……

89: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:37:03.98 ID:d0bJz0XD
海未「……どこかで見たことある街ですね」

真姫「ええ……」

海未「なぜでしょう……懐かしいような……不思議な気持ちです」

希「……」

にこ「……」

海未「いったいこの街は何なのでしょうか……なぜ樹海の下にこのような街があるのでしょう……」

真姫「それを解き明かすのが私たち調査隊の役目よ」

にこ「……」 

90: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:37:55.44 ID:d0bJz0XD
ザザザッ……

ザザッ……

……ちゃん!……ザザッ…………にこちゃん!

聞いてるの? あのね! 海未ちゃんがね!

聞いて……わよ……穂乃果……

穂乃……果…………やめ……て!…………

に……こ…………ちゃ…………ザザザッ…………

ごめ……ん…………ね……

私によこ……なさい…………


  
 

……………………ファフニールの力を……

ザザザザ……ザザザッ…………

91: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:38:58.36 ID:d0bJz0XD
にこ「ぐっ……うぅぅ……」

海未「ッ!? どうしたのですか!?」

真姫「にこちゃん!?」

希「にこっち……」

にこ「あ……あぁ…………」

 

にこ「私は……なんてことを……」

海未「どうしたのですか! にこ! しっかりしてください!」

真姫「どこか痛むの!? すぐに治療を……」

にこ「いえ……大丈夫よ……」

希「……」

海未「……今日の調査はここまでにしましょう」

真姫「ええ……」

にこ「!? 待って! 私はまだ……」

海未「いえ、引き返します。今のにこの状態で調査をして、もし何かあったら危険すぎます」

海未「ここはまだ、まったく分かっていない未開拓の地です。用心してしすぎるということはありません」

真姫「にこちゃんだけじゃなく、ここにいる全員に危険が及ぶことだってあり得るんだから」

にこ「……分かったわ」

希「……」 

君たちは彼女の身を案じ、街へと引き返すことにした……

92: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:40:05.74 ID:d0bJz0XD
―オトノキ・宿屋―

にこ「……」

にこ(この街に来てから、だんだんおかしくなってる……)

にこ(右手のこともだけど……)

にこ(……何かを思い出しそうで思い出せない)

にこ「……」 

希「にこっち、入るよ?」ドア ガチャ

にこ「希……」

希「にこっち……何か思い出せた?」

にこ「……あんた、何か知ってるの?」

希「……思い出せてないんやね」

にこ「希……あんたの知ってることを教えて」

93: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:40:59.65 ID:d0bJz0XD
希「……その時が来たら話すよ」

にこ「……なんでなの?」

希「……きっと、説明しても信じてもらえないから」

にこ「どういうことよ……」

希「でも……もう少しだけ待ってて。きっと話すから、ウチを信じて」

にこ「……わかった。待ってるわ、希」

希「……ありがとう、にこっち」

94: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:42:20.22 ID:d0bJz0XD
希「そうだ! にこっち、ウチと気晴らしにちょっとだけ外出せえへん?」

にこ「体を休めるために引き返してきたのに?」

希「閉じこもって煮詰まるよりいいと思うんよ」

にこ「……そうね、行きましょうか」

外は薄暗いが、日が沈む前に戻ってくれば問題ないだろう

二人は少しだけ街を歩くことにした

95: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:42:51.44 ID:d0bJz0XD
―オトノキ・繁華街―

にこ「……いい街よね。お店も賑わってるし」

希「そうやんな……あ、にこっち! あそこで果物買って帰ろ?」

にこ「いいわね」

???「すまない、りんごを3つくれないか」

「はい、どうぞ」

君はある二人組の冒険者に目が留まる

かなりの腕前の冒険者なのだろうか

纏っている雰囲気が他の冒険者と違うことが冒険者として日の浅い君にも分かった

????「あら? あなたたちは……」

その二人組の冒険者は君たちを見つけると話しかけてくる

96: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:43:26.57 ID:d0bJz0XD
にこ「何か用かしら?」

希「あの二人はギルド・A-RISEの英玲奈さんとあんじゅさんや」

希「ギルドマスターのツバサさんと三人チームなんよ」

希「この街トップのギルドやね」

あんじゅ「あなたたちのことは聞いているわ。ミズガルズ図書館から来たって」

あんじゅ「新進気鋭のギルドだって噂になってるわよ? 短い間に下の階層まで行くんですもの」

あんじゅ「私たちもあの階層を探索しているけれど、あそこまでたどり着ける冒険者はほとんどいないわ」

にこ「噂になるの早くないかしら? 私たち何も言ってないわよ?」

希「海未ちゃんがさっき執政院にここまでの調査を報告に行ったからやない?」

英玲奈「ああ、その通りだ。すぐ私たちの耳に入ったよ」

英玲奈「我々のギルドは執政院のミッションで動くことが多い。だからすぐに噂を話を聞いたよ」

英玲奈「そして酒場などの冒険者御用達の施設を中心に噂になったようだ」

にこ「そうなのね」

英玲奈「とにかく同じ冒険者として、ともに切磋琢磨しよう」

にこ「ええ、お互い頑張りましょう」

あんじゅ「それじゃあ、失礼するわね」

二人はそういうと、その場を立ち去って行く

君たちも買い物を済ませると、宿屋へと戻った

97: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:44:20.02 ID:d0bJz0XD
―翌日―

海未「にこ、大丈夫ですか?」

にこ「ええ、大丈夫よ」

真姫「無理しないでよ? にこちゃん、変なとこ真面目だから」

にこ「心配してくれてありがとう、真姫」

真姫「ヴェェ///調子狂うわね///やっぱりまだ具合悪いんじゃないの?///」

希「……」

98: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:44:46.15 ID:d0bJz0XD
海未「執政院には昨日のうちに私から報告しておきました」

にこ「ええ、ありがとう」

海未「引き続き私たちに調査を続けるよう依頼をされましたので、本日も調査をします」

真姫「ええ、あの新しく発見した階層ね」

海未「はい。あと、にこは何か問題があったらすぐに言ってくださいね。もちろん、希と真姫もですよ」

真姫「分かってるわよ」

希「海未ちゃんもね」

海未「はい、それでは出発しましょう」

にこ「……」

希「……」

君たちは新しく発見した階層を調査するため、再び迷宮に向かった……

99: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:45:30.97 ID:d0bJz0XD
―第2階層・過去ヲ閉ザサレタ廃都オトノキ―

海未「再びやってきましたね」

真姫「ええ、そうね」

にこ「……」

希「……」

海未「この街の建物は見たこともない材料で作られていますね。地面もそうです」

海未「石畳やレンガとも違う……とても丈夫そうです」

真姫「きっと遠い昔、高度な文明を持った街だったんでしょうね。興味深いわ」

海未「とても信じられません……」

海未「あれは……お店だったのでしょうか」

真姫「いったいこの街の人たちはどんな生活をしていたのか、何が起こって滅びたのか……調べる必要がありそうね」

荒れ果てた街を進む君たちだったが、小高い丘の上にひときわ大きな建物を見つける

赤レンガでできているのだろうか、周りの建物とは雰囲気の違うその建物に目が留まる

100: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:46:34.65 ID:d0bJz0XD
海未「大きな建物ですね……何かの施設だったのでしょうか」

真姫「そうね……学校かしら?」

海未「ここに来ると……やはり懐かしさを覚えますね……」

真姫「なぜかしらね……にこちゃんは?」

にこ「ええ、私もよ」

希「……」

海未「希はどうですか?」

希「……ウチもかな」

君たちは施設の敷地内に入り、調査を開始する

101: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:47:24.15 ID:d0bJz0XD
海未「あちらは校庭でしょうか」

真姫「学校にしてはずいぶん広いわね」

にこ「……」

希「……」

調査をする君たちは大きな足音を耳にして警戒する

どこかに魔物がいるのだろうか

その巨大な足音が次第に近づいてくるのが分かる

君たちは危険を感じ、隠れて様子を見ることにした

???「……」

見ると、そこには巨大な人形のような魔物が二本足で歩いていた

F. O. Eだ! 例えるならゴーレムが近いだろうか

君たちはその場に隠れてやり過ごしてもいいし 魔物を倒してもいい

102: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:48:01.23 ID:d0bJz0XD
真姫「……なぜかしらね、あのゴーレムもなんだか懐かしいわ」

にこ「なんでよ」

海未「それよりどうしますか? F. O. Eは強敵……この前のアルパカ戦のように苦戦するかもしれません」

海未「このまま隠れていますか?」

希「向こうはまだ、こっちに気づいていないみたいやん?」

海未「私は隠れて様子を見るのがいいと思います」

真姫「そうね。F. O. Eは決まった動きをすることが多いから、様子を見て逃げ道を探すのがいいかもしれないわね」

にこ「樹海にいた鹿のF. O. Eみたいに決まったルートを回っているのかもしれないわ」

希「実はF. O. Eにも色々いるんよ? 鹿さんのF. O. Eはこっちに気づいても追いかけて来なかったやん?」

希「でも中には追いかけてくるF. O. Eもいるんよ?」

希「ウチはこの前、アルパカさんのF. O. Eに追いかけられてたよね」

にこ「なるほどね……念のため気づかれないように注意しましょう」

君たちはゴーレムのF. O. Eの様子を注意深く観察する

どうやらこのゴーレムも決まったルートを周回しているだけのようだ

君たちはそれを確認すると、気づかれないように場所を移動することにした

103: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:48:58.06 ID:d0bJz0XD
だが、君たちが移動しようとすると、ゴーレムは足を止める

周回していたゴーレムはいきなり君たちのほうを振り向くと追いかけてきたではないか

どうやら気配を察知すると追いかけてくるタイプのF. O. Eのようだ

「ォオオオオォォオオオオォォォォオオオオオオオーーーーーーッッ!!」

にこ「こっちに来たわよ!」

希「どうやってウチらを探知したんや!」

海未「速い! あれでは逃げても追いつかれてしまいます!」

真姫「戦うしかないみたいね……」

迷っている時間はない 剣を手に取り、目の前の敵を迎え撃とう!

104: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:49:34.54 ID:d0bJz0XD
巡回する傀儡が現れた

にこ「ゴーレムといってもおそらく人形ね。どうやって戦えばいいのか考えなきゃ」

海未「相手はF. O. Eです! 皆さん気をつけてください!」

にこと真姫は接近し攻撃を仕掛ける

しかし、ゴーレムは二人の攻撃をもろともしない

海未「ユニークスキル! ラブアローシュート!」ヒュン

海未は後方から援護射撃をする

強烈な矢がゴーレムに突き刺さった

希「ウチに任せて!」

希「ユニークスキルや! スピリチュアルやね!」

希はカードを取りだしビシッと構えると、手にしていたカードが光り出した

するとゴーレムの周りを囲むように炎が燃え盛り、地面もろとも焼き尽くす

どうやらかなりのダメージを与えられたようだ

105: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:50:53.51 ID:d0bJz0XD
だが、F. O. Eもやられてばかりではない

反撃するように こちらに攻撃を仕掛けてくる

巨大な体から繰り出される攻撃は非常に強力だ

腕を振り回すと、ゴーレムに接近していたにこを吹き飛ばす

にこ「ぐっ……」

真姫「にこちゃん!」

にこはなんとか受け身を取ったようだ

吹き飛ばされたにこを見た真姫が血相を変えて彼女の元へ駆け寄る

真姫「にこちゃん! 大丈夫!?」

にこ「……ええ、なんとかね」

希「真姫ちゃん! 敵に隙を見せたら危険や!」

希は真姫たちが狙われないようにゴーレムを攻撃しつつ注意を引き付けている

にこ「真姫はメディックだから怪我がないか心配してくれたのよね」

にこ「でも敵の動きにも注意しなきゃダメよ」

真姫「わ、分かってるわよ! ちょっと心配になっただけなんだから!」

106: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:51:42.11 ID:d0bJz0XD
にこ「私たちも攻撃するわよ!」

にこ「ソニックレイド!」

にこは素早くゴーレムに接近し斬撃を叩きつける

だが、やはりゴーレムへのダメージは少ない

希「フォースブースト!! この剣にスピリチュアルを……」

希「巫剣:霊攻大斬ッ!!」

巫術を纏った強力な一撃がゴーレムに浴びせられる

ゴーレムはたまらずバランスを崩す

にこ「手ごたえありね! このまま畳み掛けるわよ!」

海未「待ってください! 何か様子がおかしいです!」

「ォオオオオォォオオオオォォォォオオオオオオオーーーーーーッッ!!」

突如、ゴーレムの体全体から光がほとばしる

真姫「何なの!?」

希「まさかパワーアップするんじゃ……!?」

光を放つF. O. Eは先ほどよりも動きが素早くなっている

どうやら本当にパワーアップしたようだ

107: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:52:40.55 ID:d0bJz0XD
ゴーレムは一瞬で距離を詰めると海未と希を弾き飛ばす

海未「うっ……!」

希「ぐっ……ッ!!」

にこ「海未! 希!!」

ゴーレムは吹き飛ばされた二人に、さらに追撃しようとする

にこと真姫からの距離では助けようにも間に合わない

真姫「このままじゃ二人がやられちゃう!」

108: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:53:54.70 ID:d0bJz0XD
ゴーレムの攻撃が二人に振り下ろされたその瞬間、謎の人影がF. O. Eと二人の間に割って入ってきた

見ると、立派な鎧を身に纏った聖騎士の少女が盾で攻撃を防いでいた

金色の髪を後ろで縛りポニーテールにしているその少女もどうやら冒険家のようだ

海未「あなたは……」

絵里「怪我はないかしら? 私は聖騎士(パラディン)の絵里よ」

希「絵里ち……」

絵里は盾でゴーレムの攻撃を弾き返し、剣で攻撃する

ギリギリのところで二人を助けることに成功したようだ

お互いの自己紹介を短く済ませると戦闘に戻る

絵里「冒険家は自らの安全を第一に考え、危険は避けるのが基本……」

絵里「本来は助けるべきではないのかもしれないのだけれど……でもなぜかしら、思わず助けちゃったわ」

絵里「協力してこの魔物を倒しましょう」

にこ「助かったわ! 一緒に戦いましょう!」

パラディンは身を挺して仲間を守る前衛タイプのクラスだ

敵の攻撃を防いだり仲間の代わりにダメージを肩代わりしたりできる

109: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:55:50.18 ID:d0bJz0XD
絵里が加わったことでF. O. Eの攻撃を防ぐことができるようになり戦況は安定した

だが、F. O. Eは人間よりもはるかに強大な存在だ

簡単に倒すことはできない

海未「真姫! 次の攻撃に気をつけてください!」

絵里「私に任せて! 防いでみせるわ!」

「ォオオオオォォオオオオォォォォオオオオオオオーーーーーーッッ!!」

凄まじい力で巨大な腕が振り下ろされる

絵里は盾で真姫への攻撃を防いだ

絵里「ぐっ……」

だが、絵里もずっと攻撃を防ぎ続けることはできない

このままジリ貧の状態が続けば 絵里も含め全滅してしまうであろう……

にこ「どうしたらいいの……」

110: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:56:43.89 ID:d0bJz0XD
希「にこっち! 思い出して!」

にこ「思い出す……?」

希「ファフニールの力を! みんなを守る力を!」

気が付けば彼女の右手に刻まれた刻印が光を放っている

にこ「お願い……みんなを守るチカラを……ッ!!」

 

にこ「変身ッッ!!」

右手から蒼い炎が吹きあがり、にこの全身を包み込む

蒼い炎の中から異形の姿へと変身した彼女の姿が現れる

にこ「……」

希「にこっち……」

真姫「にこちゃん……」

絵里「どういうこと……!? あの姿はいったい……!?」

111: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:58:26.17 ID:d0bJz0XD
にこ「アクセラレート」

にこは超高速状態でゴーレムに接近すると、氷属性を纏った斬撃は連続で繰り出す

にこ「フリーズセイバー&ブレイドリコール!!」

にこ「メテオスマッシュ!!」

強力な打撃をゴーレムに叩き込んだ

強靭な体のF. O. Eもかなりのダメージを受けたようだ

希「にこっち! 早く! 変身時間には制限があるんよ!」

海未「そうなのですか!?」

真姫「なんで希がそんなこと知ってるのよ!」

にこ「ショックセイバー!!」

雷撃を纏った雷属性の斬撃が叩き込まれ、ゴーレムは崩れ落ちるように倒れる

どうやら君たちはF. O. Eを撃破したようだ

そして、にこの変身も解除された

112: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 02:59:21.39 ID:d0bJz0XD
絵里「何だったの……?」

にこ「……」

海未「私たちにも分かりません……でも、一つだけ分かっていることがあります」

海未「どんな姿になろうとも、にこが私たちの大切な仲間だということです」

真姫「ええ、その通りよ」

 

にこ「……希」

希「……うん、みんなについてきて欲しいところがあるの」

君たちは彼女の後をついていくことにした

113: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:00:16.78 ID:d0bJz0XD
君たちは希の後に続き建物の中に入ると、廊下を進み、やがて小さな部屋へと案内された

海未「希、この部屋はいったい何なのですか?」

希「ここが、ウチたちの部室だったんよ」

真姫「……部室?」

希「ウチたちはずっと昔、この学校に通って、この部室に集まって、一緒にいた」

希「それがウチが今まで守っていた秘密、みんなに話さなきゃいけなかったこと」

114: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:01:52.74 ID:d0bJz0XD
海未「希はここで生活していたのですか?」

希「うん……海未ちゃんも真姫ちゃんもにこっちも絵里ちも」

希「正確にはちょっとだけ違うけどね」

海未「私たちも……?」

絵里「ちょっと待って、私はそんな覚えないわよ」

真姫「私もよ」

希「それに、ことりちゃん、花陽ちゃん、凛ちゃん」

希「そして……穂乃果ちゃんも」

海未「穂乃果……? 誰ですか……?」

 

にこ「…………穂乃果?」


ザザザッ……

ザザッ……

……ちゃん!……ザザッ…………にこちゃん!

聞いてるの? あのね! 海未ちゃんがね!

115: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:02:33.25 ID:d0bJz0XD
???「もう! にこちゃんってば~!」

にこ「え? あぁ、聞いてるわよ穂乃果」

穂乃果「聞いてよぉ~、海未ちゃんがまた……」

海未「穂乃果! また隠れてお菓子を食べていたのでしょう?」

穂乃果「ひぃぃ!」

ことり「海未ちゃん、あんまり怒ったら穂乃果ちゃんがかわいそうだよぉ……」

海未「ことり! そうやって穂乃果を甘やかして……」

真姫「……」クルクル

希「まあ、そんなに怒らないであげて海未ちゃん」

穂乃果「希ちゃぁぁん!」

希「おーよしよし」ナデナデ

穂乃果「くぅ~ん」

にこ「さて……それじゃあ、絵里たちが来たら今日の練習を始めるわよ!」

ザザザッ……ザザッ……

ザザッ……

116: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:03:08.49 ID:d0bJz0XD
ザザッ……ザザザッ……

にこ「穂乃果!! やめて!! 穂乃果!!」

穂乃果「ごめんね……にこちゃん……」

にこ「いやだ……私のせいで……穂乃果……」

 

にこ「いやぁぁああああぁぁぁぁあああああああーーーーーッッ!!!!」

にこ「穂乃果ぁぁあああぁぁああああああああぁぁぁあああああああああああ!!!!」

ザザザッ……ザザ……

にこ「穂乃果を助けるために……」

にこ「私によこしなさい……」


  
  

にこ「……ファフニールの力を!!」

  

――――――――
――――――

117: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:04:34.39 ID:d0bJz0XD
にこは過去の記憶を思い出した

前スレ:【SS】μ’s「世界樹の迷宮…?」【安価】
ttps://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1535934658/

※前スレを読む場合はお手数ですが、URLの先頭に「 h 」をつけてください。

※前作は読んでいなくても大丈夫です。一部つながりはありますが話自体はつながっていません。

※前作の物語も、本作と同様にフィクションです。

118: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:06:25.29 ID:d0bJz0XD
―オトノキ・宿屋―

にこ「…………ハッ!!」

希「にこっち起きた?」

にこ「私……どうしたの?」

希「気を失ってたんよ。絵里ちとは分かれて、街に戻ってきた」

にこ「そうだったんだ……」

希「にこっち……」

にこ「希……私、思い出したわ……」

希「やっぱり……」

にこ「みんなに話さなきゃ……」

希「でも、信じてくれないよ……今までもそうだった」

にこ「今まで?」

希「うん」

にこ「希……仲間を信じて……私たちが信じなきゃ、みんなには伝わらないわ」

希「……」

にこ「……話しましょう」

希「……分かった」

――――――――
――――――

119: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:07:57.82 ID:d0bJz0XD
海未「それで、私たちに話とは何でしょうか」

真姫「大事な話みたいだけど」

にこ「希、話して」

希「……信じてもらえないかもしれないけど話すね」

 

希「ウチたちはこの世界の人間じゃないんよ」

海未「……え?」

真姫「え?」

にこ「え?」

希「えっ!? にこっち!?」

にこ「ダイジョウブよ、うん」

希「本当に大丈夫なんかなぁ……」

120: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:08:34.87 ID:d0bJz0XD
希「話さなきゃいけないのは、主に2つ」

希「1つはウチたちがこの世界に来た理由、そしてもう1つは、ファフニールの力のこと」

希「ウチたちはみんなこの世界とは少し違う世界から来たの」

希「並行世界……パラレルワールドっていうんかな?」

希「いくつもある世界線のうちの1つ」

真姫「聞いたことはあるわ」

希「その世界はこの世界とよく似ていて、ほとんど一緒だった」

希「ウチたちはその世界でみんなで学校に通ってスクールアイドルをしてたんよ」

海未「スクールアイドル……?」

希「ウチも、にこっちも、海未ちゃんも、真姫ちゃんもね」

希「普通に学校に通って、みんなで部活をして……普通の女子高生だった」

希「廃校問題を解決するためにμ’sを結成して、そして、ラブライブも優勝した」

 

希「でもある日、運命の歯車が狂い始めたんや……」

希「幸せだった日々は一瞬で崩れ去った……」


希「伝承の世界樹」

  

希「それが悲劇の始まりだった……」

121: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:09:24.93 ID:d0bJz0XD
海未「伝承の世界樹?」

希「うん、ウチらの世界にはそう呼ばれる予言があったんよ」

真姫「予言?」

希「そう、といってもウチの家に古くから伝わる予言だったんだけど」

希「異世界からやってきた世界樹が世界を滅ぼすであろう」

希「そう伝えられていたんよ……もちろん誰も信じていなかったよ」

希「でも、その予言の通り世界樹は異世界からやってきた……」

海未「……」

希「正確には世界樹ではなく、世界樹の内部にいる化け物だったけど」

希「そして、その魔物の圧倒的な力の前に世界は滅ぼされていった」

真姫「……」

123: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:10:36.55 ID:d0bJz0XD
希「でも、予言はもう1つあったんよ」

希「破滅と救済の予言……そう、もう1つはファフニールの騎士」

 

海未「ファフニールの騎士……」

にこ「……」

希「圧倒的な力を持つ世界樹に唯一対抗できる存在」

希「この世界に危機が迫った時に現れる」

希「そんな予言があった」

希「そして、その予言の通りファフニールの騎士が現れた」

希「それが、穂乃果ちゃんだった」

海未「穂乃果……」

希「大地の守護者は、なぜかウチらμ’sの9人をファフニールの騎士団に選んだ」

希「理由は分からないけど、なぜかウチらを選んだんよ」

124: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:13:32.38 ID:d0bJz0XD
希「ファフニールの力を持つ穂乃果ちゃんを筆頭に世界樹の魔物との戦いが始まった」

希「でも圧倒的な力を持つ世界樹の魔物を抑え込むことができなかった」

希「だからファフニールの力で、魔物を異世界に飛ばすことにした……そうするしか世界を救う方法はなかったんよ……」

にこ「……」

希 「それで決着がつくはずだった……」

希「でも……わけあって穂乃果ちゃんも一緒に異世界に飛ばされてしまった」

希「異世界の……それも、その戦いから数百年経った世界に」

海未「数百年……まさか……」

希「うん……この世界のこと……」

希「調べたんだけど、この世界には元から世界樹があったみたい」

希「異世界から危機が迫るって予言はなかったけど、世界樹の危機とファフニールの予言はあったんよ」

希「それまで無害だった世界樹は環境汚染の影響を受け、内部で魔物のようなものを生み出した」

希「そして数百年が経ち、その魔物が外に溢れ出る前に、大地の守護者はファフニールの騎士を送りこんだ」

希「ファフニールの騎士は世界樹の内部で死闘の末、相打ちして異世界へ魔物を飛ばした」

希「どういう星の巡りか、ウチたちの世界に飛ばして、穂乃果ちゃんがまた飛ばして、ここに戻ってきてしまったみたいやけど」

海未「この世界に元々いたファフニールはどこに?」

希「分からないんよ」

125: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:14:25.07 ID:d0bJz0XD
真姫「ちょっと待って! つまりここにある世界樹の中にその魔物がいるのよね!?」

海未「ということは……」

 

希「うん……世界樹の中からおぞましい魔物が出てきて世界を滅ぼすかもしれない」

希「今は穂乃果ちゃんとの戦いで消耗して眠っているけど」

真姫「そんな……」

海未「あとどのくらいは大丈夫なのですか?」

希「分からないけど……あと数日くらいかな」

126: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:15:14.24 ID:d0bJz0XD
希「ウチたちがこの世界に来た理由を言うね」

 

希「穂乃果ちゃんの救出や」

希「穂乃果ちゃんはこの世界に世界樹と一緒に飛ばされているはずなんよ」

希「世界樹の奥底に封印されてる穂乃果ちゃんを助け出して元の世界に戻る」

海未「待ってください、私たちは小さな頃からこの世界で暮らしています」

海未「にこと真姫とミズガルズで暮らしていました」

希「みんな孤児やったやろ?」

希「この力は不完全……異世界へみんなを送りこむには少し不安定だったんよ」

希「だから孤児としてこの世界に現れて3人はミズガルズに引き取られた」

希「他のみんなもそれぞれ状況が違うんよ、記憶も引き継げてないみたいやし」

海未「そんな……」

真姫「にわかには信じられないわね」

127: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:16:13.29 ID:d0bJz0XD
にこ「希……私たちってタイムリープしてるわよね?」

希「うん……」

希「でも、記憶を引き継いでるのはウチだけみたい」

希「もう何万回もループして……ウチもうダメかと思ったんよ……」

希「でも、今回にこっちだけ何か違った……前の記憶を持ってる」

希「もしかしたら、今度こそ穂乃果ちゃんを救うことができるかもしれないって……そう思ったんよ」

海未「それで最近、にこの様子がおかしかったのですね」

真姫「何万回もやりなおしてるっていうの……」

希「もう何回か分からない……樹海のどこかで誰かが命を落としてしまう」

希「誰かがいなくなるたびに最初からやりなおし……」

希「真実を話しても信じてもらえなかった……」

希「だから……これが最後のチャンスなんよ……」

希「どんな結果になろうと……ウチはこれで終わりにする」

にこ「希……」

128: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:17:15.51 ID:d0bJz0XD
真姫「タイムリープ、パラレルワールド……それは分かったわ」

真姫「じゃあ、なんでにこちゃんがファフニールの騎士になったの?」

海未「たしかにそうですね……」

希「……にこっち、説明してくれる?」

にこ「ええ……」

にこ「私がファフニールになったのは……」

 

にこ「こうなってしまったのは私のせいだからよ」

――――――――
――――――

129: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:18:30.22 ID:d0bJz0XD
―世界樹の迷宮・最深部―

海未「穂乃果! 援護します! 着地の瞬間を狙われないよう気をつけてください!」

絵里「私が攻撃を防ぐわ!」

希「ファフニールの変身が解けたら隙だらけになるから一度戻って!」

穂乃果「うん!」

凛「かよちん……」

花陽「凛ちゃん! しっかりして!」

真姫「怪我してるところを見せて! 手当てするわ!」

ことり「ことりも手伝う!」

にこ「穂乃果! 中心部のコアは精神障壁で守られているわ! 周りを破壊しなきゃダメよ!」

穂乃果「分かったよ!」

ファフニールに変身した穂乃果は世界樹の奥の怪物【フォレスト・セル】と戦っていた

触手の生えた、なんとも形容しがたい異形の怪物だ……

戦いは順調に進み、勝利も目前のように思われた

だが……

130: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:24:24.02 ID:d0bJz0XD
「ォオオオオォォオオオオォォォォオオオオオオオーーーーーーッッ!!」

咆哮とともに凄まじい瘴気と衝撃波が発せられる

圧倒的な力を前に一瞬で全滅寸前の状態になってしまう

誰も立ち上がることができない

このまま敗北してしまうかと思われた

にこ「ぐっ……負ける……もんですか……ここで負けたら……この世界が……」

穂乃果「うぅ……にこちゃん……」

その時、フォレスト・セルは触手でにこを攻撃しようとした!

にこは瘴気をまともに受け、避けることもできない

穂乃果「にこちゃん!!」

ファフニールの力で立ち上がった穂乃果はにこをかばう

だが、それにより大きなダメージを受けることとなった

穂乃果「ぐっ……!!」

にこ「穂乃果……」

131: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:25:00.87 ID:d0bJz0XD
穂乃果「ごめんね……にこちゃん……みんな……」

穂乃果「このままじゃ……大切なみんなが……」

穂乃果「だから……このまま……異世界に飛ばすよ……」

にこ「やめて! 穂乃果! そのままだとあんたまで!」

穂乃果「ごめんね……にこちゃん……」

穂乃果は最後の力を使い、フォレスト・セルを異世界へと飛ばす

にこ「いやだ……私のせいで……穂乃果……」

 

にこ「いやぁぁああああぁぁぁぁあああああああーーーーーッッ!!!!」

にこ「穂乃果ぁぁあああぁぁああああああああぁぁぁあああああああああああ!!!!」

穂乃果の犠牲により、世界の平和は守られた

だが、どこか遠くの世界に飛ばされた穂乃果はもういない……

132: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:26:34.86 ID:d0bJz0XD
希「にこっち……」

にこ「私が……あきらめないとか言って出ていかなければ……穂乃果は……」

希「それは違うよ!」

にこ「でも! 穂乃果はもう! どこにもいない!」

「君たちのおかげで世界は守られた。礼を言おう」

「だが、向こうの世界は再び危機に直面したかもしれないな」

「向こうは私の管轄外だが、きっとファフニールの騎士が必要になっていることだろう」

希「にこっち、ウチの力を使って、向こうの世界に行こう」

希「穂乃果ちゃんを助けるんや!」

にこ「にこがファフニールの騎士になれば……穂乃果を助けられるかもしれないのね」

133: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:27:20.29 ID:d0bJz0XD
海未「私たちも行きますよ」

ことり「穂乃果ちゃんを助けるためだもん」

希「でも、一つ注意があるやん」

希「この力は誰がどんな状態で向こうの世界に行けるか分からないんよ」

希「今と同じとは限らない」

希「だから助けにいけるのは今いるうちの何人か」

希「でもきっと不思議な力で引かれ合う」

希「それでも大丈夫?」

にこ「それでも、向こうに行って助けなきゃ」

にこ「そして、私はファフニールの騎士になる」

にこ「穂乃果を助けるために……」

にこ「私によこしなさい……」


  
  

にこ「……ファフニールの力を!!」

  

――――――――
――――――

134: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:28:02.24 ID:d0bJz0XD
にこ「そして、私はこの世界でなんとかファフニールの騎士に選ばれた」

にこ「最近になってチカラに目覚めたけど」

海未「……」

真姫「……」

希「そういうことなんよ」

希「信じてくれる?」

海未「……にこと希がそう言うのですから」

真姫「信じないはずないでしょ?」

海未「私たちは二人のことを信じています」

希(いままでの世界と違う……信じてくれる……)

希「ありがとう……二人とも」

海未「それで穂乃果を助けるにはどうすれば良いのですか?」

希「世界樹の迷宮の最深部を目指せばいいはず……穂乃果ちゃんはきっとそこにいる」

にこ「ええ、そこを目指して世界樹の迷宮を進みましょう」

135: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:34:58.46 ID:d0bJz0XD
―翌日―

にこ「最深部を目指してあの階層を探索するわよ」

海未「ええ、行ってないところがあるはずですので」

真姫「どこから最深部まで行くのかしら?」

希「ウチにも分からない……とにかく探してみるしかないよ」

君たちは冒険を再開するため、宿屋を後にした

136: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:35:36.15 ID:d0bJz0XD
―第2階層・過去ヲ閉ザサレタ廃都オトノキ―

にこ「違う世界とはいえ、この学校とほぼ同じ学校に通っていたなんてね」

海未「私と真姫は記憶がないのですが、やはり同じなのですか?」

にこ「ええ、全く同じと言ってもいいわね」

真姫「私とにこちゃん、それに海未や希も通っていたのね」

希「ほかのメンバーもね」

君たちは学校を中心に探索を開始した

137: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:36:01.42 ID:d0bJz0XD
探索を進める君たちだったが、大きな足音を聞き 足を止める

どうやらゴーレムのF. O. Eが近くにいるようだ

あのゴーレムはこの階層に複数体いるのだろうか

にこ「昨日はかなり苦戦したから、あまり戦いたくはないわね」

海未「ええ、逃げ切れる距離を保つか、確実にやり過ごすまで隠れているのがいいでしょうね」

真姫「音に敏感みたいね……なるべく音を立てないように気をつけましょう」

希「にこっちが戦ってくれてもいいんよ?」

にこ「遠慮しておきたいわ」

138: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:36:40.92 ID:d0bJz0XD
君たちはF. O. Eが通り過ぎるまで隠れていることにした

隠れている間も大きな足音が鳴り響いている

君たちに近づいてきたのか、その足音は次第に大きくなっていく

海未「隠れていると、なんだかドキドキしますね」

にこ「ええ、緊張するわ」

真姫「バレてないわよね」

希「大丈夫だと思うよ」

やがて足音がだんだん小さくなっていくのが分かる

なんとかやり過ごしたようだ

君たちは周りを確認すると、探索を再開する

139: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:37:34.96 ID:d0bJz0XD
探索を続ける君たちは 小屋のようなものを発見する

それは人間が使うものというよりは、何か動物を飼うのに使っていたもののようだ

にこ「あぁ、この学校、アルパカを飼ってたのよ」

海未「アルパカですか?」

真姫「樹海で出会ったF. O. Eを思い出すわね」

希「まさか……あのF. O. Eと関係ないよね?」

海未「変わった学校だったのですね」

にこ「あんたも通ってたのよ」

希「花陽ちゃんが飼育係をしてたんよ。ことりちゃんも可愛がってたなあ」

真姫「ことり……海未と穂乃果の幼馴染だったのよね」

海未「ええ、私にその記憶はありません……おそらくことりにも」

希「どうかな……この世界線はみんな引かれ合って集まってきてるから」

希「なんだか上手くいきそうな気がするんよ」

君たちはしばらく話をした後、探索を再開した

140: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:38:28.72 ID:d0bJz0XD
君たちは建物の中を探索すると、階段をのぼり屋上へとたどり着いた

屋上からはこの階層を一望できる

あたり一面、街が続いているようだ

希「この屋上でみんなでダンスの練習をしてたんよ」

海未「ダンスですか……あまり想像できませんね」

希「海未ちゃんは恥ずかしがり屋さんやからね」

にこ「でも主に指導してたのは海未よ」

海未「そういえば、私のクラスはダンサーなのですが」

にこ「どっちかっていうとスナイパーみたいになってるものね」

真姫「にこちゃんもダンサー選んでたでしょ」

希「このパーティほんまバランス悪いなぁ……」

君たちは探索を済ませると、屋上を後にした

141: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:39:26.65 ID:d0bJz0XD
学校、街と一通り探索する君たちだったが、最深部への手がかりを見つけることができずにいた

にこ「見つからないわね……いったいどこにあるのかしら」

希「この階層のどこかにあると思うんやけどなあ……」

探索する君たちは目の前に人影を発見し、足を止める

それはギルド・A-RISEの英玲奈とあんじゅだった

話しかけようとする君たちだったが、異様な雰囲気を感じ取り身構える

あんじゅ「あなたたちをここから帰すわけにはいかなくなったわ」

にこ「……どういうこと?」

希「にこっち……」

にこ「分かってる……A-RISEの3人も理事長も、雪穂ちゃんや亜里沙ちゃんも、にこたちと同じように穂乃果を助けに来た」

希「そして……記憶を失っている」

142: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:41:05.15 ID:d0bJz0XD
英玲奈「私たちが暮らす街、オトノキはどうやって成り立っているか知っているな」

海未「ええ、世界樹の迷宮を訪れる冒険者が世界中から集まってくることで発展している街だと」

あんじゅ「じゃあ、この階層に何かあったかしら?」

真姫「……何もないわね」

英玲奈「それが何も知らない他の冒険者に伝わればどうなると思う」

にこ「世界樹の迷宮には何もない……その噂が広まれば冒険者は街を訪れなくなり、オトノキの発展は止まるでしょうね」

希「まさか……」

英玲奈「そうだ。その話をどこにも持ち出させないために、ここで消えてもらう」

あんじゅ「この街のためなの……悪く思わないで」

真姫「ちょっと待ちなさいよ! 数えきれないほどの冒険者が樹海で命を落としているのよ!」

真姫「それなのに……本当のことを隠して、街を発展させるために犠牲者を増やそうっていうの!?」

真姫「あなたたちに何の権限があるっていうの!?」

英玲奈「これは私たちが決めたことだ……誰に指図されているわけでもない」

あんじゅ「私たち二人が勝手にやっていることよ」

あんじゅ「私たちを育ててくれた……この街のために」

どうやら戦うしかないようだ 剣を取り二人を迎え撃て!

143: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:41:43.16 ID:d0bJz0XD
英玲奈はブシドー あんじゅはダークハンターのようだ

ブシドーは刀による苛烈な剣技で怒涛の攻めを行う強力な前衛タイプのクラスだ

ダークハンターはムチで相手を縛り上げたり弱らせたりする中衛タイプのクラスだ

英玲奈は構えを取ると高速で接近し抜刀する

冷気を纏った強烈な斬撃が繰り出され、君たちは咄嗟に回避する

しかし、今の斬撃で冒険者としての腕前の違いをはっきりと痛感する

身構えていたから回避できたものの本来ならば今の一撃で終わっていただろう

にこ「くっ……強いわね!」

希「にこっち! 最初からファフニールで戦わなきゃダメかも!」

希「戦えるのはにこっちだけや!」

英玲奈「次は逃がさないぞ」

海未「無敵のファフニールでなんとかしてくださいよォーーーーッ!!」

 

にこ「変身ッ!!」

右手から吹き上がる蒼い炎とともに異形の姿をした戦士が現れる

その戦士は英玲奈の斬撃を 手に持っていた剣で止めた

144: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:43:27.03 ID:d0bJz0XD
英玲奈「その姿は……」

にこ「さあ、何かしらね」

英玲奈の冷気を纏った斬撃と、にこの炎を纏った斬撃がぶつかりあう!

英玲奈はファフニールに変身しているにこと互角の勝負を繰り広げる

にこ「ぐっ……」

英玲奈「やるな……ッ!!」

もう二人の間に割って入ることはできない

強者同士の一騎打ちだ

145: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:43:59.88 ID:d0bJz0XD
あんじゅ「じゃあ、私はみんなを縛ってあげるわね♡」

海未「仕方ありませんね……」スッ

希「海未ちゃん、自分から縛られにいくのやめて」

あんじゅ「こっちに来れば縛り上げて弱らせて気持ち良くイカせてあげる♡」

海未「……」スッ

希「……」ガシッ

真姫「海未はさっきから何してるのよ……」

146: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:44:50.82 ID:d0bJz0XD
英玲奈とにこの激しいつばぜり合いは続く

英玲奈「私たちだって犠牲者が出ないほうがいいと思ってる」

英玲奈「だが、こうしなければ元々小さなこの街は発展せず廃れていってしまう」

英玲奈「これは仕方のないことなんだ」

にこ「だからってこんなことしていい理由にはならないわね!」

にこ「リーダーのツバサはこのことを知ってるのかしら?」

英玲奈「ツバサはギルドマスターとしての仕事にかかりきりでこのことを知らない」

にこ「なおさらダメなんじゃないかしら!」

あんじゅ「あなたたちに何が分かるの」

あんじゅ「私たちだってこんなことしたくないわよ!」

あんじゅ「でも、街のためなんだからしょうがないじゃない!」

希「……」

147: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:46:13.38 ID:d0bJz0XD
にこは戦いの中、説得を試みる

にこ「あんたたちは記憶を失っているのよ!」

にこ「あんたたちがこんなことをするはずがないってことは分かってるわ!」

英玲奈「お前たちは今の時代を生きる者たちのことを考えているのか?」

にこ「え……?」

英玲奈の剣技は極限まで研ぎ澄まされている

ファフニールに変身しているとはいえ、冒険者として日の浅いにこにとって

いつまでも防ぎきれるものではない

英玲奈「私たちにはお前たちが言うような過去の記憶はない」

英玲奈「だがこの街で育ち、この街で暮らす人々を見てきた」

英玲奈「今のこの時代を精一杯生きる人々を見てきた」

英玲奈「そのために戦って何がおかしいと言うんだ!」

にこ「それが犠牲者を出していい理由にはならないわ!」

にこ「あんたたちはちょっと間違えちゃっただけなの!」

にこ「もう一度よく考えなおして!」

148: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:47:16.18 ID:d0bJz0XD
戦いを繰り広げる君たちだったが 突然、建物を突き破りゴーレムのF. O. Eが飛び出してくる

近くにいたゴーレムに察知されてしまったのだろう

英玲奈とあんじゅもこれは想定外だったようだ

英玲奈「バカな……十分に気をつけていたはずなのに!」

あんじゅ「みんな逃げて!」

にこ「……ッ!!」

だが、F. O. Eは無慈悲にも近くにいた希を攻撃する

F. O. Eをはさみ、希はにこたちとは反対側に吹き飛ばされてしまう

希「ぐっ……ッ!!」

にこ「希!! 助けなきゃ!!」

しかし時間切れだ ファフニールの変身は解除されてしまう

全員、いまの戦いで消耗しきっている

希との距離は遠い この状況で助けに行けば全滅してしまうだろう

にこ「なんでよ! なんでいま変身が解けるのよ!!」

にこ「これじゃ希を助けに行けないじゃない!!」

149: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:48:24.89 ID:d0bJz0XD
海未「にこ! 逃げるしかありません!」

にこ「だって希が!」

海未「にこッ!」

にこ「ぐッ!!」

真姫「にこちゃん!」

英玲奈「話は後だ! とにかくここから離脱するぞ!」

にこ「いやぁ!! 希がまだいるのよ!!」

あんじゅ「彼女も冒険者よ! こうなることは覚悟の上よ!」

にこ「でも!!」

希「ぐっ…………にこっち……」

にこ「希ぃ!! いやぁぁ!! 希まで失いたくない!!」

150: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:49:22.59 ID:d0bJz0XD
希「にこっち……」

――――――
――――

希「みんな! やっと会えたね!」

海未「すみません……どなたですか?」

希「え?」

絵里「ごめんなさい……あなたが誰か分からないわ」

希「そんな……えりち……」

希(やっぱり覚えてない……)

――――――

希「花陽ちゃん……ウチのこと覚えてる?」

花陽「ごめんなさい……分からないです」

凛「行こう? かよちん」

花陽「待って、凛ちゃん」

希「……」

――――――

ウチ以外、誰も覚えていなかった……また一人だ

たった一人、この世界に取り残されたみたい……

――――――
――――

151: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:49:59.45 ID:d0bJz0XD
希「いやぁぁぁ!! 真姫ちゃん!!」

真姫「うぅ……ッ!! 希……逃げて……」

希「そんなのいやぁぁぁぁ!!!!」

――――――

ことり「そんな……海未ちゃん……」

海未「ことり……無事でし……たか……なに……よ、り……で…………す……」

希「……」

――――――

過酷な世界樹の迷宮……

何度挑もうと誰かが命を落としてしまう

必ず誰かが犠牲になる

何回タイムリープしても、必ず……

――――――
――――

152: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:50:34.88 ID:d0bJz0XD
希「なんでウチはファフニールになれないんや!!」

希「ウチにチカラがあれば、誰も犠牲にならないのに!!」

――――――

ファフニールになれるのは選ばれた者だけ

そう、にこっちだけ……

そのにこっちも世界樹の迷宮で……

何度やりなおしても……

――――――

希「何万回くり返したのかな……数えきれないや」

希「もう嫌や……ウチひとりでなんとかしよう……」

希「誰も犠牲にしないために……」

――――――

希「スクールアイドルやってたけど、普通の女子高生で、普通に学校に行って、普通に暮らしてたのに……」

希「みんなと一緒で、それで幸せだったのに」

――――――

希「もう……ダメなのかな…………」

――――――
――――

153: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:52:07.31 ID:d0bJz0XD
穂乃果ちゃんは太陽

みんなの太陽

それならウチは月かもしれへんなあ

月は太陽の光に照らされて輝く

穂乃果ちゃんがいたからウチはウチでいられた

穂乃果ちゃんがウチを照らして見つけてくれたから

だからウチが助けないと

そのために必要なのはにこっちの力……

きっとウチだけじゃダメなんよ

みんな一緒じゃなきゃ……ダメなんよ……

154: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:52:50.46 ID:d0bJz0XD
にこ「……え? 私の右手……どうなってんの?」

にこ「ぅぅうう……あああああぁぁあああぁぁああああああーーーーーー!!!!」

にこ「全身からチカラが満ち溢れてくる」

にこ「みんなを守れるような気がする!」

希(あれは……ファフニールの刻印……!!)

希(これで……穂乃果ちゃんを助けにいける!!)

――――――

希「にこっちはこれから『ファフニール』として戦っていくんや」

にこ「ファフニールね……まあ、せっかくだし使わせてもらうわ」

海未「どういう意味なのでしょう?」

希「占いの結果やからね、そう深く考えんでもいいんよ」

海未「そういうものなのでしょうか」

希(にこっち……どんな困難が訪れようと、負けないでね…………)

希(だってにこっちはみんなを守る、ウチたちの…………)

 

【ファフニールの騎士】なんだから…………

――――――

希(これが最後のチャンス……!!)

――――――
――――

155: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:54:26.21 ID:d0bJz0XD
にこ「希がこのままじゃ!!」

  

希「ありがとう、にこっち……ウチはここまでみたいや」

希「穂乃果ちゃんを……助けてね……約束だよ」

 

にこ「希ぃぃぃぃいいいいいいーーーーーーーッッ!!!!」

  
  

にこ「いやぁぁぁぁああああああああぁぁぁあぁあぁああああああああ!!!!」

――――――
――――

156: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:55:46.80 ID:d0bJz0XD
―オトノキ・宿屋―

にこ「……」

海未「……にこ、元気を出してください」

真姫「そうよ、にこちゃんらしくないわ」

海未「私たちもつらいのは同じです」

にこ「……」

 

君たちはなんとか街まで帰還することができた

また、説得の結果 ギルド・A-RISEの二人と和解することもできた

君たちは世界樹の迷宮にはさらに奥がある可能性があると伝えた

世界樹の迷宮にはまだ謎が秘められている

その可能性がある限り冒険者はこれからもこの街にやって来る

そして街は発展を続けていくことだろう

しかし、それは犠牲ではない

これは冒険者たちの飽くなき探求心による結果なのだと、君たちはそう結論づけた

これからも君たちはこれまでと同じように世界樹の迷宮を探索することになるだろう

だが、君たちのもとに希の姿はなかった……

157: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:56:40.86 ID:d0bJz0XD
にこ「……」

海未「にこ、希は穂乃果を助けることを望んでいたはずです。これからも冒険を続けましょう」

真姫「そうよ、にこちゃん」

にこ「そんな簡単な話じゃないわよ……」

にこ「あんたたちは記憶がないから……希との記憶がないからそんな簡単に言えるのよ」

にこ「私にはあるのよ! 希と一緒にいた時の記憶が!」

海未「にこ……」

にこ「私たちは9人一緒だった……」

にこ「それなのに、一人いなくなったのよ……」

にこ「いつもはふざけてるのに、本当は誰よりもみんなのことを大切に考えてる希が……」

にこ「それなのに……平気でいられるはずないじゃない……」

真姫「にこちゃん……」

158: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:57:08.78 ID:d0bJz0XD
にこ「……」

海未「……」

真姫「……」

真姫「……にこちゃんは、希の想いを受け継がないの?」

にこ「想いを……受け継ぐ?」

真姫「希は何度つらい目に遭ってもあきらめなかった」

真姫「にこちゃんはここで希がやってきたことを無駄にするの?」

にこ「……」

にこ「希……」

にこ「……そうね」

にこ「……穂乃果を助けることを考えましょう」

 

にこ「でも今だけは…………」


にこ「…………そっとしておいて」

――――――
――――

159: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:57:38.91 ID:d0bJz0XD
その夜、君は床に就くと不思議な夢を見た

いつかの白い光の遺跡にいるではないか

そして、あのときの声が あのときの歌が聞こえてくる

――――SUNNY DAY SONG……

――――どんな……ことも乗り越えられる気がするよ~♪

にこ(あの時の歌……私はこの歌を知ってる……)

――――にこちゃん! 聞こえてる?

にこ「ええ、聞こえてるわよ……穂乃果」

――――良かった! 穂乃果の声、ちゃんと届いてるんだね!

――――にこちゃんが元気ないから心配したよ

にこ「……」

160: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:58:15.27 ID:d0bJz0XD
――――あんまり長く話せないから用件だけ言うね!

――――あのね! 部室に来て欲しいの!

にこ「部室……? 迷宮にある学校の部室のこと?」

――――うん! そこからなら行けると思うんだ!

にこ「行ける? どこに?」

――――うーん、穂乃果のいるところ?

にこ「え?」

――――でも、本当は来て欲しくないかも……

にこ「どういうこと……?」

――――にこちゃんたちがすごく危ない目にあうかもしれない

――――だから来てほしくない

――――でも、伝えなきゃいけないから

にこ「穂乃果……私は希に想いを託されているの……」

にこ「希の想いを無駄にしたくない……」

にこ「絶対にあんたを助ける……」

にこ「穂乃果! あんたのいるところに連れていって!」

――――分かった……部室で待ってるね!

――――――
――――

161: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:58:45.41 ID:d0bJz0XD
―翌日―

にこ「……そういうわけだから、部室についてきて欲しいの」

海未「……実は私も同じ夢を見ました」

真姫「私もよ」

海未「あの声が穂乃果……私の幼馴染だった人……」

海未「ダメです……思い出せません」

真姫「海未、仕方ないわよ」

にこ「きっと、最後の戦いが待ってるわ……」

にこ「……それでもいいの?」

真姫「私は構わないわ」

海未「私もです」

にこ「……行くわよ」

君たちは気を引き締め、世界樹の迷宮へと向かった

162: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 03:59:30.58 ID:d0bJz0XD
―第2階層・過去ヲ閉ザサレタ廃都オトノキ―

にこ「ここが部室ね」

海未「またやってきましたね」

真姫「夢ではここに来るように言っていたけど……」

――――みんな来たね

にこ「穂乃果……」

海未「うぅ……!!」

真姫「どうしたの海未……うっ!」

にこ「あんたたちどうしたの!?」

海未「いえ、だんだん思い出してきたんですよ……」

真姫「穂乃果のこと、それにみんなのこともね」

――――良かった……みんな少しだけでも思い出してくれたんだね

――――嬉しいな……

海未「久しぶりですね…………穂乃果」

――――久しぶり……海未ちゃん

海未「大切な幼馴染のあなたを忘れるなんて……そんなことあって良いはずないのに……」

真姫「海未……」

 

海未「穂乃果……もうすぐ全てを思い出して……あなたを助けますから……」

海未「それまで……待っていてくださいね……」

163: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:00:38.86 ID:d0bJz0XD
――――それじゃあ、みんなを穂乃果の場所まで送るよ!

――――準備はいい?

にこ「ええ、いつでもいいわよ!」

――――いくよ!


にこ(たとえ人の姿を失ったとしても……あんたとの約束を果たすわ、希…………)

 
  

突然、景色が変わり君たちは驚く

部室にいたはずの君たちだったが別の場所に移動したようだ

壁も床も赤く、まるで生物の体内のような樹海だ

そう、ここが世界樹の迷宮の最深部

穂乃果が囚われている場所であり

それと同時に君たちが倒さなければならない相手がいる場所だ

164: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:02:08.15 ID:d0bJz0XD
―第3階層・緋色ノ森―

あたり一面を赤い木々に覆われた樹海

森全体が他の生き物を拒んでいるかのようだ

木々は幾重にも重なり合い洞窟のようになっていた

その洞窟の中を進んでいく君たちは開けた場所に出た

そして、そこに世界樹の怪物を見つける

【フォレスト・セル】

それは殺気を放ちながらその場に鎮座していた

世界樹によって生み出された化け物であり、君たちが倒さなければならない敵

全身を巨大な触手に覆われ、気味悪く動いている

奴を倒さなければ穂乃果を助けることはできないだろう

見るとすぐ近くの木々の間に穂乃果が囚われているではないか

気を失ってはいるものの、幸い怪我はなさそうだ

しかし、彼女の元に行くには やはりこの化け物を倒さなければならないだろう

さあ武器を取り 目の前の怪物に挑もう

165: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:03:14.39 ID:d0bJz0XD
フォレスト・セルが現れた

にこ「これが最後の戦いよ!」

海未「穂乃果を助けましょう!」

真姫「ええ!」

にこ「最初から全力でいくわ!」

にこ「変身ッッ!!」

右手から蒼い炎が吹き上がり 彼女は異形の戦士へと変身した

ファフニールの騎士 それはこの世界に迫る危機を退ける存在

いま、破滅の力と救済の力がぶつかりあう!

166: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:04:49.04 ID:d0bJz0XD
にこ「そこをどきなさい!!」

にこは超スピードで接近するとフォレスト・セルのコア部分に剣を振り下ろす

しかし、その剣は見えない壁のようなものに阻まれてしまう

フォレスト・セルは精神障壁を展開し 身を守っているようだ

海未「にこ!! まわりの触手を攻撃しましょう!!」

真姫「背中は任せて!」

海未と真姫も にこの援護をする

だが、フォレスト・セルも攻撃を仕掛けてくる

膨大な力のうねりが まわりの空間を引き裂きながら衝撃を与える

にこは自ら盾になり二人に攻撃が及ばないように防ぎきる

海未「私たちがにこのお荷物になるわけにはいきません!」

真姫「守られてばかりじゃないわよ!」

二人はにこへ攻撃しようとする触手を次々に破壊する

167: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:06:40.83 ID:d0bJz0XD
にこ「フレイムセイバー&ブレイドリコール!!」

炎を纏った斬撃を連続で繰り出しまわりの触手を破壊する

だがフォレスト・セルも雷撃を発生させ、あたり一面を蹂躙する

圧倒的な破壊の力が周囲を襲う

しかし、にこはそれらをすべてを防ぎきると触手を破壊した

触手が破壊されるとコアを守っていた精神障壁が消滅する

海未「障壁が破壊されました! 今です!!」

真姫「にこちゃん!!」

にこ「アカシックノヴァ!!」

にこはファフニールの契約の力を解放し、すべての力をフォレスト・セルにぶつける

周囲を巻き込む強力なエネルギーが フォレスト・セルにダメージを与えた

ファフニールのとてつもないチカラの流動をまともに受け フォレスト・セルは倒れた

君たちは戦いに勝利したのだ

チカラを使い果たしたにこの変身は解除され元の姿に戻る

168: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:07:09.77 ID:d0bJz0XD
にこ「ハア……ハア……勝ったの……?」

海未「にこ!! 大丈夫ですか!」

真姫「にこちゃん!」

にこ「ええ、平気よ」

海未「あれを倒してしまうなんて……」

真姫「とにかくこれで勝ったのよ!」

にこ「ええ……」

海未「早く穂乃果を助けましょう!」

にこ「……」

にこ(希……終わったわよ……)

169: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:08:02.50 ID:d0bJz0XD
木々の間にいる穂乃果を助け出そうとする君たちだったが、見えない壁に阻まれ近づくことができない

なんと穂乃果は精神障壁で守られているではないか

海未「なぜですか! フォレスト・セルは倒したはずなのに!」

真姫「これじゃ助けられないじゃない!」

赤い木々は穂乃果を守りながら取り込むように引っ張るとどこかへ連れて行ってしまう

しばらくすると、地響きにも似た巨大な足音のような音が聞こえてくる!

170: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:09:43.74 ID:d0bJz0XD
にこ「何!? 何なの!?」

???「にこっち!! こっちや!! もう穂乃果ちゃんはここにはいない!!」

にこ「その声は……」

 

にこ「希!?」

希「話は後や! ここから脱出するよ!」

海未「希についていきましょう!」

君たちは希のあとに続き、迷宮から脱出した

171: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:10:36.31 ID:d0bJz0XD
―世界樹の迷宮・外―

迷宮から脱出して外に出ると、世界樹が巨人と化し 動いているではないか

ゆっくりと、だが確実に世界樹だったそれは動いている

もしあれが街へ向かって行けば 甚大な被害が出るだろう

にこ「何なのよあれ……」

希「あれは【世界樹の巨人】っていうんよ……予言にあったもう一つの破滅の力」

真姫「世界樹の巨人……」

希「とにかく飛空艇に乗って!」

海未「飛空艇?」

??「希! こっちよ!」

希「絵里ち! いま行く!」

にこ「絵里!? 何で!?」

絵里「にこ! とにかく今はこっちに来て!」

君たちは絵里が乗っている飛空艇に乗る

飛空艇は空へと飛びあがり 世界樹の巨人のまわりを旋回する

172: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:12:39.44 ID:d0bJz0XD
にこ「絵里……」

絵里「にこ……思い出したのよ」

海未「!? 本当ですか!」

絵里「ええ、それに……」

凛「凛たちもいるにゃあ!」

花陽「穂乃果ちゃんを助けましょう!」

ことり「穂乃果ちゃん……」

海未「ことり……」

ことり「海未ちゃん……思い出したんだね」

真姫「ちょっと……どういうことか説明してもらおうかしら?」

希「そうやな……絵里ち、頼んだで」

絵里「実は私と凛、それに花陽とことりの4人は同じギルドなの」

にこ「え、そうなの?」

絵里「ええ……この前、凛を助けてくれたでしょ?」

真姫「助けたわね」

絵里「そのときの借りを返せたってところかしら?」

絵里「第2階層を探索しているときに希がピンチになっているのを見つけたの」

花陽「それで花陽たちが助けたんです!」

凛「助かってよかったにゃ!」

絵里「もう少し遅かったらF. O. Eにやられていたかもしれないわね」

にこ「希……あの時は置いていっちゃってごめん」

希「ええんよ……絵里ちたちが近くにいるとは思ってなかったし、あの判断で正しかったんよ」

真姫「そうしなければ私たちもきっと命を落としていたわ」

173: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:13:45.30 ID:d0bJz0XD
絵里「希を救出した後、事情を説明してもらったわ」

絵里「さすがに半信半疑だったけれど、不思議と信じようと思ったわ」

絵里「そして、その夜、夢を見たの……穂乃果の夢をね」

凛「凛たちも見たよ!」

海未「もしかして……」

絵里「ええ、そのときから少しずつ前の世界や穂乃果たちのことを思い出していったの」

絵里「それで、希の言うことを信じることにしたわ」

ことり「穂乃果ちゃん……」

花陽「うぅ……大丈夫かな」

絵里「それで世界樹の巨人のことを聞いて、飛空艇を用意してもらったってわけ」

絵里「理事長やA-RISEの3人、雪穂ちゃんや亜里沙たちも思い出したみたいね」

絵里「みんなに協力してもらって、あらかじめ街の人たちに安全なところに避難するように呼び掛けてもらったわ」

希「さすが絵里ちやね」

にこ「それで、この飛空艇は?」

絵里「ええ、そこの説明をお願いね、希」

174: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:14:54.50 ID:d0bJz0XD
希「あの巨人は穂乃果ちゃんにわずかに残されたファフニールの力で動いているんよ」

希「もう穂乃果ちゃんには、ほとんどその力はないんやけどね」

希「簡単に説明すると、あの世界樹の巨人のてっぺんにいる穂乃果ちゃんを助け出せばええんよ」

希が指指すほうを見ると、たしかに世界樹の先端に穂乃果がいる

枝に絡みつかれているものの、むき出しのようにも見えるが おそらく精神障壁で守られているのだろう

あそこにいる穂乃果を救出すれば、エネルギーがなくなった世界樹の巨人は動かなくなると希は言う

希「だからにこっち、ファフニールに変身して穂乃果ちゃんを助けるんや」

にこ「なるほど……私も世界樹もほとんどチカラが残ってない……」

にこ「……これが正真正銘、最後の戦いってわけね」

絵里「飛空艇もなるべく近づけてもらうようにお願いしておくわね!」

海未「私たちも援護しますよ!」

絵里「ええ、だって私たち……」

希「9人でμ’sだからね」

真姫「みんな一緒よ!」

ことり「穂乃果ちゃん……待っててね!」

175: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:15:48.61 ID:d0bJz0XD
にこ「変身ッッ!!」

にこは異形の戦士へと変身すると、飛空艇から飛び出し空中へと躍り出る

この広い空で世界樹の巨人と最終決戦をするのだ

 

にこ(穂乃果……いま助けるわ!)


  

――――――――
――――――
――――
――

176: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:17:01.22 ID:d0bJz0XD
絵里「穂乃果……おかえりなさい」

穂乃果「ただいま……絵里ちゃん」

海未「穂乃果……よかった……」グスッ

穂乃果「海未ちゃん……泣かないでよぉ」

ことり「穂乃果ちゃん……」グスン

穂乃果「ことりちゃん……ただいま」

希「助かってよかったやん」

花陽「うぅ……よ゛がっ゛だよ゛ぉ゛」グスッ

真姫「ええ、そうね」

凛「真姫ちゃん、今日は素直だにゃあ~」

真姫「いいでしょ今日ぐらい!」

君たちは激闘の末、穂乃果を救出することに成功した

世界樹の巨人は崩壊し、この世界の危機は去った

穂乃果に異常はなく、気を失っていたがすぐに目を覚ました

街の住人たちにも怪我はないようだ

177: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:17:40.03 ID:d0bJz0XD
凛「ほら、お星さまになったにこちゃんも喜んでるにゃ!」

にこ「ぬわぁんでよ! 生きてるわよ!」

凛「あ! にこちゃんだ!」

にこ「あんたねぇ!」

 

穂乃果「にこちゃん! ただいま!」

にこ「……おかえりなさい、穂乃果」

178: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:18:46.20 ID:d0bJz0XD
君たちの冒険は終わったのだ

穂乃果を救出することに成功した

ようやく9人そろったのだ

今回の件を受け、世界樹の迷宮の調査は新しい調査隊を派遣し本格的に行うことになるだろう

ミズガルズ調査隊としての君たちの調査も一旦終わりを迎えた

街の被害も少なく、すぐに復興するだろう

179: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:19:17.99 ID:d0bJz0XD
凛「これからどうするの?」

希「うーん、元の世界に帰る方法を考えなくちゃね」

凛「ええ!?」

絵里「この緑豊かな世界を少しだけ楽しんでから、ゆっくり帰ればいいんじゃないかしら?」

海未「楽観的すぎませんか?」

希「帰る方法を調べなきゃね」

海未「それならミズガルズ図書館に来ますか? 知識の宝庫ですよ?」

希「それもいいかもしれへんなあ」

にこ「えぇ!? 何日歩くと思ってるのよ!」

穂乃果「真姫ちゃん! 飛空艇持ってない?」

真姫「あるわけないでしょ!」

ことり「じゃあ、しばらくこの世界にいるってことだよね?」

花陽「ミズガルズにはご飯はありますか!!」

180: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:20:45.13 ID:d0bJz0XD
君たちは元の世界に戻ってもいいし この世界をもう少しだけ楽しんでもいい

 

にこ「もう! こうなったら行くわよ!」

にこ「みんないればどんなことでも乗り越えられるんだから!」

~おわり~

181: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:21:25.78 ID:d0bJz0XD
【補足】

・今回のSSと前回のSSは、いくつもあるIfルートの中の一つであり似たような世界線、みたいな関係……という設定です。

・廃都オトノキとか周辺の街とかの設定は……パラレルワールド的な……フィクションな架空の街・世界とか……そんな感じです。

・前作で、にこちゃんの隠しステータスに、リスに遭遇したときにこちゃんがいるとアリアドネの糸を盗まれない、
というのを書き忘れてました。といっても前回はリスが登場する前に全滅してしまいましたが……
今回のSSではそれっぽいシーンを入れてみました。(ほかのキャラにも記述してない隠しステータスがいくつかありました)

182: 名無しで叶える物語(薔薇の都リリン) 2019/02/18(月) 04:21:57.32 ID:d0bJz0XD
おわり

皆様ありがとうございました。

183: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2019/02/18(月) 06:31:48.65 ID:MirfYYRJ
乙乙



元スレ
タイトル:穂乃果「Re:世界樹の迷宮から」
URL:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1550418202/
掲載サイト:5ちゃんねるに投稿されたスレッドの紹介です

Similar Posts:


PAGE TOP