武内P「起きたらひどい事になっていました」

THE IDOLM@STER

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ブックマークの変更等お手数をおかけしますが、

引き続きSSマンションをよろしくお願い致します<(_ _)>

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:27:35.32 ID:RXMnuIV2o
武内P「確かに、仕事中に寝てしまった私も悪いです」

アイドル達「……」

武内P「しかし、この仕打はあまりにも酷いとは思いませんか」

アイドル達「……」

武内P「私は今……とても、悲しいです」

アイドル達「……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510316855


2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:30:24.15 ID:RXMnuIV2o
武内P「皆さん、目を瞑ってください」

アイドル達「……」

武内P「寝ている私に何かした人は、手を挙げてください」

アイドル達「……」

武内P「ありがとうございます。目を開けてください」

アイドル達「……」

武内P「誰も、手を挙げませんでしたね」

アイドル達「……」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:33:11.84 ID:RXMnuIV2o
武内P「事務所には……」

アイドル達「?」

武内P「監視カメラがついています」

アイドル達「!?」

武内P「それでは、もう一度目を瞑ってください」

アイドル達「……」

武内P「寝ている私に何かした人は、手を挙げてください」

アイドル達「……」スッ

武内P「ありがとうございます」

アイドル達「……」

武内P「まさか、全員とは思いませんでした」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:35:54.66 ID:RXMnuIV2o
武内P「監視カメラの話は、本当の事ではありません」

アイドル達「!?」

武内P「申し訳ありません。嘘をつかせていただきました」

アイドル達「……」ムッ

武内P「しかし、貴女達が憤るのは違うと思うのです」

アイドル達「……」

武内P「わかって頂けたようで幸いです」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:39:05.81 ID:RXMnuIV2o
武内P「本田さん」

未央「……」

武内P「事の発端は貴女の発言からだ、というのは本当でしょうか」

未央「……」フルフル

武内P「もう一度だけ聞きます」

未央「……」

武内P「『第一回チキチキ! プロデューサー危機一髪!』の開催はしましたか?」

未央「……」コクリ

武内P「お答え頂き、ありがとうございます」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:43:04.97 ID:RXMnuIV2o
武内P「……それでは、順番に話を聞いていこうと思います」

アイドル達「……」

武内P「アタスタシアさん」

アーニャ「……」

武内P「貴女が手に持っている、それは何でしょうか?」

アーニャ「リミェーニ、アー、ベルト、です」

武内P「お答え頂き、ありがとうございます」

武内P「新田さん」

美波「……」

武内P「貴女が手に持っている、それは何でしょうか?」

美波「スラックスです」

武内P「お答え頂き、ありがとうございます」

武内P「そうですね、どちらも私が着用していたものです」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:47:16.96 ID:RXMnuIV2o
武内P「ラブライカで、流れるように脱がせていますね」

美波「アーニャちゃん!」

アーニャ「美波!」

パシンッ!

武内P「ハイタッチをしないでください」

美波・アーニャ「ア~ア~ア~♪」

武内P「『Memories』を歌い出さないでください」

美波・アーニャ「♪」スイスイッ

武内P「お二人とも、踊り出さないでください」

蘭子「ひ~と~り~よがりの~♪」

武内P「神崎さんなら歌って踊っていい、という意味ではありません」

蘭子「……」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:51:42.00 ID:RXMnuIV2o
武内P「神崎さん」

蘭子「……」

武内P「貴女が羽織っている、それは何でしょうか?」

蘭子「我が友を包む漆黒の衣」

武内P「お答え頂き、ありがとうございます」

武内P「そうですね、私が着用していた上着ですね」

蘭子「……」

武内P「とりあえず、それらの返却をお願いします」

美波・アーニャ・蘭子「……」モタモタ

武内P「返すのを渋らないでください」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:55:03.85 ID:RXMnuIV2o
武内P「多田さん」

李衣菜「……」

武内P「今日は、随分とTシャツがゴワついていますね」

李衣菜「……」

武内P「ちょっとしたワンピースの様になっていますよ」

李衣菜「……」

武内P「返さないのがロックと思っていませんか?」

李衣菜「……」モタモタ

武内P「話が早くて助かります」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 21:58:16.37 ID:RXMnuIV2o
武内P「さて」

楓「……」

武内P「何故、貴女まで参加したのでしょうか」

楓「……」

武内P「ワイシャツを、ワーイシャッと脱がせましたね?」

楓「!?」

バシバシ!

武内P「素肌を叩かれると痛いのでやめてください」

楓「……」ムスッ

武内P「その表情には釈然としませんが、返して頂きありがとうございます」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:02:13.06 ID:RXMnuIV2o
武内P「さて、それでは」

凛「……」

武内P「渋谷さん、私のパンツを帽子のように着こなすのはやめてください」

凛「悪くないかな」

武内P「悪いです。返して頂けませんか」

凛「逃げないでよ!」

武内P「大声を出したら私がいつもひるむと思ったら大間違いですよ」

凛「ふーん! ふーん!」ペタン

武内P「座り込んで駄々をこねないでください」

アイドル達「……かわいそう」

凛「ふーん! ふーん!」イヤイヤ

武内P「……後で必ず返してください」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:06:30.49 ID:RXMnuIV2o
武内P「前川さん」

みく「……」

武内P「この猫耳、似合っていますか?」

みく「あんまり」

武内P「そうですね、私もそう思います」

みく「……」

武内P「しかし、比較的軽い行動ですね」

みく「!」

アイドル達「え……ズルい」

武内P「しかし、ギリギリアウトとします」

みく「……」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:10:19.44 ID:RXMnuIV2o
武内P「このままでは私の心が折れそうなので、一つだけ褒めます」

アイドル達「……」

武内P「見かねた私に、布をかけてくれた方がいますね」

アイドル達「……」スッ

武内P「全員、手を挙げないでください」

アイドル達「……」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:14:54.59 ID:RXMnuIV2o
武内P「諸星さん」

きらり「……」

武内P「私の服が、パンツ以外戻ってきたので、これはお返しします」

きらり「……」

武内P「しかし、自分のスカートを脱いで私にかけるという判断は如何なものかと」

きらり「……」

武内P「自分のパンツを丸見えにする必要は無かった、そう、私は思います」

アイドル達「……いやらしい」

武内P「すみません。ありがとうございました、これはお返しします」

きらり「……」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:18:10.12 ID:RXMnuIV2o
武内P「三村さん」

かな子「……」

武内P「私の乳首をクリームでコーティングしましたね?」

かな子「……」

武内P「これは何クリームですか? 取れないのですが」

かな子「美味しいから大丈夫です」

武内P「味の話はしていません」

かな子「……」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:21:30.45 ID:RXMnuIV2o
武内P「緒方さん」

智絵里「……」

武内P「クリームに、四葉のクローバーでトッピングをしましたね?」

智絵里「……」

武内P「とても、可愛らしく配置されていると思います」

智絵里「……見捨てないで、くださいね」

武内P「このタイミングで言われると、返答に困るのでやめましょう」

智絵里「……」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:25:41.88 ID:RXMnuIV2o
武内P「双葉さん」

杏「……」

武内P「四葉のクローバーでトッピングされたクリームの頂点が見えますか?」

杏「……」コクリ

武内P「飴ですね」

杏「……」

武内P「左右で違う色なのは、何か意味があるのですか?」

杏「きらりが右で、杏が左につけた」

武内P「諸星さん、私の感動を返してください」

武内P「キャンディアイランドの皆さんと諸星さんは、私の乳首に恨みがあるのでしょうか」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:30:15.31 ID:RXMnuIV2o
武内P「島村さん」

卯月「……」

武内P「島村さんの『頑張ります』の声で起きる事が出来ました」

卯月「……」

武内P「何を頑張るつもりだったかはわかりませんが、ありがとうございます」

卯月「何にもない……! 私だけ、何にもない……!」

武内P「何をする気だったんですか」

卯月「笑顔なんて、誰にだって出来るもん……!」

武内P「今の私に、笑顔が出来ると思いますか?」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:33:50.76 ID:RXMnuIV2o
武内P「城ヶ崎さん、赤城さん」

莉嘉・みりあ「……」ムスッ

武内P「貴女達が参加出来なかったのは、私にとっては幸運でした」

莉嘉・みりあ「……」

武内P「大量のシールはまだ良いです、大丈夫です」

莉嘉・みりあ「……」

武内P「その、大量のカブトムシをどうするつもりだったのですか?」

莉嘉・みりあ「……」

武内P「やめておきましょう。心が折れてしまいそうです」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:36:42.92 ID:RXMnuIV2o
武内P「千川さん」

ちひろ「……」

武内P「盛りましたね?」

ちひろ「……」フルフル

武内P「もう一度だけ聞きます」

ちひろ「……」

武内P「盛りましたね?」

ちひろ「……」コクリ

武内P「どうしてすぐバラすのに嘘をつくのか、私にはわかりません」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:40:25.17 ID:RXMnuIV2o
武内P「さて、皆さん」

アイドル達「……」

武内P「どうして、こんな真似をしたのですか?」

アイドル達「……」

武内P「私は今、とても悲しい気持ちでいっぱいです」

アイドル達「……」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:43:39.57 ID:RXMnuIV2o
武内P「私は、皆さんに嫌われていたのでしょうか?」

ちひろ「それは違います、プロデューサーさん」

武内P「千川さん?」

ちひろ「皆、プロデューサーさんに怒ってほしくてやったんです」

武内P「そう、なのですか?」

アイドル達「……」コクリ

武内P「意味が、わかりません」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:46:47.85 ID:RXMnuIV2o
ちひろ「悪いことをしたら叱って欲しい」

武内P「……」

ちひろ「でも、プロデューサーさんはいつも怒りませんよね」

武内P「……そう、ですね」

ちひろ「自分達が大切じゃないから、怒ってはくれないのかと、皆不安なんです」

アイドル達「……」

武内P「そう、だったのですね」

アイドル達「……」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:51:05.16 ID:RXMnuIV2o
武内P「皆さん、私は今まで皆さんを怒ったことがありませんでした」

アイドル達「……」

武内P「ですが、皆さんは私の大切なアイドル達です」

アイドル達「……プロデューサー……!」

武内P「それだけは、覚えていてください」

アイドル達「はいっ!」

武内P「良い、笑顔です」

武内P「それではお望み通り、今から本気で怒ります」

おわり

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/10(金) 22:52:41.66 ID:dlg6vUXOO
綺麗に落ちたな
おつおつ
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/11(土) 23:55:58.26 ID:P87IkpD2o
武内P「高垣さん、お話があります」

楓「はい、改まってどうしたんでしょう?」

武内P「話がある……という切り出し方でおわかりになりませんか?」

楓「いいえ」

武内P「……」

楓「?」

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/11(土) 23:58:29.15 ID:P87IkpD2o
武内P「高垣さんは、アイドルとしてとても活躍されていますね」

楓「はい、おかげさまで」

武内P「しかし、貴女の行動はアイドルのとる行動ではありません」

楓「どこが……でしょうか?」

武内P「言わなければ……わかってはもらえませんか?」

楓「勿体ぶらずに仰ってください」

武内P「今、貴女の着ているシャツにプリントされているのは、私の顔ですね」

楓「はい、それが何か?」

武内P「……」

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:00:53.99 ID:rwFnrVcHo
武内P「高垣さん」

楓「このシャツ、とっても着心地がシャッとしてて良いんですよ」

武内P「……そう、ですか」

楓「ふふっ、似合いますか?」

武内P「我ながら怖いです」

楓「? 似合いますか、とお聞きしたんですが……?」

武内P「……」

武内P「少し、似合っています。残念ですが」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:03:17.96 ID:rwFnrVcHo
武内P「高垣さん、貴女は最近ほとんどの場合そのシャツを着用していますね」

楓「そうですが……何か、問題がありますか?」

武内P「男性の顔がプリントされたシャツは――」

楓「――普通、ですよね?」

武内P「!?」

楓「もう一度お聞きしますね」

武内P「……!」

楓「何か、問題がありますか?」

武内P「……」

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:07:30.10 ID:rwFnrVcHo
武内P「……そうですね、男性の顔がプリントされたシャツは、普通にありますね」

楓「ふふっ、でしょう?」

武内P「……」

マッテクダサイ!マッテクダサイ!

武内P「!? 今のは……私の声ですか……?」

楓「あ、すみません、電話が」

マッテクダサイ!マッテクダサイ!

武内P「!?」

武内P「それは着信音なのですか!?」

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:10:09.82 ID:rwFnrVcHo
楓「はい、そうですけど……もしもし?」

武内P「待ってください! いつ録音したんですか!?」

楓「しーっ、電話の声が聞こえません」

武内P「……すみません」

楓「はい……はい……わかりました、では、失礼します」

武内P「……」

楓「はい、お待たせしました」

武内P「……」

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:12:40.26 ID:rwFnrVcHo
武内P「高垣さん、率直にお聞きします」

楓「もう、質問ばっかりですね」

武内P「申し訳ありません。ですが、確認しておきたいので」

楓「はい、何でしょう」

武内P「……今の声は、どこで録音したのですか?」

キカク、ケントウチュウデス

武内P「!?」

楓「あ、すみません、LINEなので気にしないでください」

武内P「気になりますよ!」

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:15:47.13 ID:rwFnrVcHo
武内P「他にも……何か録音しているのでしょうか?」

楓「そんな疲れた顔を……ふふっ、ロックオン♪」

ゼンショシマス

武内P「!? 今、撮りましたね!?」

楓「貴重な顔を撮る時は、緊張しますね」

武内P「シャッター音まで……!?」

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:19:56.94 ID:rwFnrVcHo
武内P「……事態は、私が思っていた以上に深刻だったようですね」

楓「あの……何か、まずかったでしょうか?」オロオロ

武内P「とても、まずいです」

楓「まあ、随分な言い草ですね!」プンプン

武内P「……」

楓「知り合いの声を使うのは、おかしな事では無いと思うんです」

武内P「……まあ、それは確かにありますが」

楓「でしょう♪」

武内P「……」

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:22:44.77 ID:rwFnrVcHo
楓「それを言うなら、貴方の行動もまずいと思うんです」

武内P「私が……ですか?」

楓「……」

オーネガイーシーンデレラー♪

武内P「すみません、着信が……と、高垣さんですか」

楓「はい」

武内P「何が……問題なのでしょうか」

楓「その歳にもなって、10代の女の子の歌が着信音はどうなんです?」

武内P「!?」

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:27:14.39 ID:rwFnrVcHo
武内P「待ってください! 私は、担当アイドル達の歌を……!」

楓「そんな事、知らない人からしたらわからないですよ」

武内P「それは……確かにそうですが……!」

楓「考えてもみてください」

武内P「……」

楓「貴方のようないい大人が、まだ10代前半の女の子が居るグループのファン」

武内P「……」

楓「はい、着信音を『こいかぜ』に変えてください」

武内P「……はい、わかりました」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:32:20.57 ID:rwFnrVcHo
武内P「……着信音を『こいかぜ』に変えました」

楓「よろしい」ムフー

武内P「……」

楓「まだ、何か問題がありますか?」

武内P「……いえ、やはり私の顔がプリントされているシャツは、どう考えても――」

ゼンショシマス

武内P「シャッター音で返事をしないでください! そして撮らないでください!」

楓「ふふっ、本日二枚目ですね♪」

武内P「……」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:37:03.66 ID:rwFnrVcHo
武内P「……まさかとは思いますが」

楓「?」

武内P「他にも、何か私に関する事をしていますか?」

楓「それは、ええと……あまり、大きな声では言えないのですが」

武内P「お願いします。必要なことなので」

楓「その……下着にも、プリントがしてあります」

武内P「っ! し、失礼しました! 女性の下着に関する事を聞くとは……!」

楓「……///」

武内P「……」

武内P「いや、待ってください! そんな所までですか!?」

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:42:35.73 ID:rwFnrVcHo
武内P「高垣さん、すぐに、やめていただけますか」

楓「えっ?」

武内P「プロデューサーとして、私は貴女の行動を看過する事は出来ません」

楓「……」

マッテクダサイ!マッテクダサイ!

武内P「……そのですね、有名人でも無い私の顔や声を用いるのは、その」

楓「……」

マッテクダサイ!マッテクダサイ!

武内P「……話に集中出来ないので、電話に出ていただけますか」

楓「電話に出んわ」

マッテクダサイ!マッテクダサイ!

武内P「いえ、出てください。お願いします」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:46:27.48 ID:rwFnrVcHo
楓「……お話は、わかりました」

武内P「わかってくれたのですか!」

楓「ですが――」

武内P「?」

楓「――その話、お受け出来ません」

武内P「……わかった上で、断ると?」

楓「私は、一緒に階段を登っていきたいんです」

楓「ファンの人達と、笑顔で」

武内P「っ!」

武内P「……」

武内P「あの……物凄く良い事を言われたのですが、今、それは関係ありましたか?」

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:50:24.84 ID:rwFnrVcHo
楓「貴方は、私のファンでは無い……のでしょうか?」

武内P「!? い、いいえ! そんな事はありません!」

楓「けれど……ファンの人は、私のグッズを沢山買ってくださいます」

武内P「そう……ですね」

楓「私の写真がプリントされたグッズや、着信音、着ボイスも」

武内P「……はい」

楓「これは……ファンの人と一緒に階段を上るという事では無いのでしょうか?」

武内P「はい……その通りだと思います」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:53:36.10 ID:rwFnrVcHo
楓「だから、私もせめて身近なファンの人と一緒に居たい」

楓「身近なファンの人のグッズを使っていたい」

楓「……そう、思っただけなんです」

武内P「……高垣さん、ですが」

楓「本当はわかってたんです。こうしたら、貴方を困らせてしまう、って」

武内P「……」

楓「けれど、どうしても不安になります」

楓「……貴方が私のファンなのか、が」

武内P「……」

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 00:59:15.25 ID:rwFnrVcHo
武内P「……高垣さんのお話は、よくわかりました」

楓「……」

武内P「確かに、私にも至らない点がありました。それは認めます」

キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス

武内P「ですが、やはりアイドルである貴女が私のグッズを使用するのは認められません」

キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス

武内P「今の貴女はトップアイドルで、私はプロデューサーですから」

キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス

武内P「あの、一回携帯を切ってもらっていいですか?」

キカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデスキカク、ケントウチュウデス

武内P「というか、スタンプ爆撃を受けてませんか!?」

楓「……」

ゼンショシマス

武内P「携帯の電源を落としてください、今すぐに」

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 01:07:50.96 ID:rwFnrVcHo
楓「では……やはり、駄目だとおっしゃるんですね」

武内P「……しかし、ただ禁止するだけでは、貴女は笑顔になれない……のですよね」

楓「……」コクリ

武内P「その、これは代案として認めてもらえるかわからないのですが……」

楓「……」

武内P「私が、貴女のグッズを使用する、というのではいけませんか?」

楓「……もう一声」

武内P「……」

武内P「……全く、貴女は本当に仕方ない人ですね」

楓「うふふっ♪」

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 01:13:14.02 ID:rwFnrVcHo
  ・  ・  ・

美城専務「やはり、君は優秀だな」

武内P「いえ、そんな事はありません。当然の事をしたまでです」

オチョコデ、チョコット♪

専務「問題になっていた、高垣楓の件は解決したと言って良いだろう」

武内P「はい。私も、彼女のファンの一人として安心しました」

デンワニデンワ♪デンワニデンワ♪デンワニデンワ♪

専務「……だが、新たな問題が生まれた。今も、その最中に居る」

武内P「っ!? 一体、今度は何が……!?」

専務「君が、高垣楓への好意を世間に晒しすぎて困る」

おわり

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/12(日) 22:58:59.58 ID:dAZ9rHWK0
爆笑しちゃたよセンスあるね
87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 00:05:43.48 ID:B+U7VTfFo
「……」

 もう、明日はオフだって言うのに、どうして誰も捕まらないのかしら。
 今日は、お猪口でちょこっとだけで良いから、飲みたい日なのに。
 お酒は一人で飲んでも美味しいけれど、誰かと飲むともっと美味しい。
 せっかくなら、美味しくいただきたいじゃありませんか。

「あら……?」

 と、事務所の中をうろついていたら、思いもよらない光景。

「キミは優秀だが、少し頭がかたいところがあるようだな」
「それこそが、彼女達を笑顔にするために必要な事だと、私は考えます」

 最近、346プロダクションの名物になりつつある、えーと、何て言ったかしら?
 ああ、そうそう! ポエムバトル!
 うふふっ、詩的に戦うだなんて、素敵、ですね!

「それは傲慢と言うものだ。キミは、魔法使いにでもなったつもりか?」
「魔法を使うのは、彼女達自身です。私は、あくまでもそのサポートにすぎません」
「まあ! それじゃあ、素敵なステッキ、という事ですね!」

 とっても自然に話に入り込めたわ。
 あとは、この二人を居酒屋に誘導すれば……完璧ね!

「……高垣くん?」
「……高垣さん?」
「はい、高垣楓でーす♪」

 二人共、私に注目してる今がチャンスよね。

「続きは、居酒屋で……というのが良いと、私は思います♪」

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 00:22:40.83 ID:B+U7VTfFo
  ・  ・  ・

「……まさか、キミが私を酒の席に誘うとは思ってもみなかった」

 常務――今は専務でしたね――が、何度目かわからない言葉を口にした。
 とっても強そうに見えるのに、意外とお酒に弱かったなんて。
 だけど、見た目に変化は無いから、体質的には平気なのかも知れないわね。

「あら、どうしてそう思ったんですか?」
「キミと私の意見は対立している。同じ卓を囲まない理由が、他に必要か?」

 専務は、どうやらあの日のやり取りがひっかかっているらしい。
 けれど、それは私の中では一緒にお酒を飲まない理由にはならない。

「ですが……それは、お仕事の話でしょう?」
「何?」
「仕事とプライベートは分けて考えるべきだと思うんです」
「……」
「もう、専務ったら、アメリカに研修に行ったんでしょう?」

 と、笑いかけたら、とっても呆れた顔をされちゃった。
 私、何か間違ったことを言ったかしら?
 とても、当たり前の話をしただけだと思うのだけれど……。

「……高垣さんは、こういう人ですから」

 そんな、呆れとも諦めともつかない言葉を口にすると、
彼はビールをグイと煽り、箸の背で串焼きから丁寧に串を外している。
 大柄だから、こういう所も大雑把かと思いきや、意外に細かな作業も似合うのね。

「……成る程。少し、理解した」

 専務は、彼の用意した砂肝を一つ箸でつまみ上げ、ひょいと口に放り込んだ。
 少し塩が強かったのかしら、複雑そうな表情をしてるけど。

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 00:35:48.65 ID:B+U7VTfFo
「もう、二人して馬鹿にしてます?」

 二人に、そんな意図が無いのはわかっている。
 けれど、お酒の席なんだもの、ちょっとふざけても良いじゃありませんか。
 そう、思いません?

「いっ、いえ! そんなつもりは……!?」

 そんな私のおふざけに、真面目に反応するのが彼だ。
 とっても不器用で真っすぐな人。
 だからこそ、からかうととっても楽しいし、可愛らしい反応が見られる。

「あら、じゃあ私はどんな人なんですか?」
「高垣さんは、その……とても素晴らしい方です」

 少し、すねた風を装っただけでこの慌てよう。
 うふふっ、これなら、女優としてもやっていけるかも?

「……どんな所が、ですか?」
「どっ、どんな……!?」
「……」
「え、笑顔がとても素敵で、神秘的な雰囲気があり……」
「……それから?」
「それから!? その、美しい容姿や歌声なども魅力的で……!」
「……それから?」
「!?」

 思わずクスクスと笑ってしまいそうになる。

「上司の前でアイドルを口説くとは、関心しないな」

「せっ、専務!?」

 ああ、駄目、おかしい!
 私達は、右手を首筋にやって困る彼を見て、笑い合った。

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 00:49:05.23 ID:B+U7VTfFo
「……勘弁してください」

 自分がからかわれたとわかったのか、彼の声は弱々しい。
 それがまた可愛らしくて、我慢しようとしても笑みが零れてしまう。
 専務も私と同じ気持ちらしく、口の端を釣り上げている。

「まさか、キミにこんな愉快な一面があったとはな」
「……私も、貴女にからかわれるとは思ってもみませんでした」

 まだ笑いの余韻が残る中、二人は言った。

「ふむ……まだ、からかわれ足りないのかな?」
「……お気持ちだけ、いただいておきます」

 彼がそう言うと、また専務がクックッと声を上げる。

「――これはもう、乾杯するしかありませんね♪」

 やっぱり、お酒はこうでなくてはいけない。
 私の言葉を聞いた二人は、無言でジョッキとグラスを手に持ち、掲げた。

「新たな発見に――」

 そして、新しい飲み友達に――

「「「乾杯っ」」」

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 01:12:15.38 ID:B+U7VTfFo
  ・  ・  ・

「美城さ~ん♪ はい、かんぱ~い♪」
「か……乾杯……!」

 お猪口とグラスをカチリと合わせ、読んで字のごとく杯を乾す。
 ああ、今日のお酒はとっても美味しいわ。
 こんなに美味しかったら、いくらでも飲めてしまいそう。

「そう、思いません?」
「はい、笑顔です」
「うふふっ! 笑顔に、かんぱ~い♪」
「かんぱーい」

 日本酒がスルリと喉を通り抜けていく。
 口当たりがとっても優しくて、鼻に抜ける香りもとても良い。
 だけど、お銚子を振ってみると残りがもう少なくなってるの。
 調子よく、お銚子の追加を頼まないといけないわ。

「すみませーん、お銚子2本追加、お願いしま~す♪」

 丁度、通りがかった店員さんに声をかける。
 でもどうしてかしら、こっちを見て一瞬ビックリした顔をしてたけど。

「まだ……飲むのか……!?」

 まあ、どうして美城さんもビックリしてるのかしら。
 ……あっ、そうよね!
 すみません、私ったらうっかりしてました。

「お猪口も、二つ持ってきてくださ~い♪」

 三人で、笑顔で、乾杯しましょう♪

おわり

97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 22:43:44.17 ID:B+U7VTfFo
武内P「待ってください、今の音は?」
98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 22:45:28.13 ID:B+U7VTfFo
専務「音? キミは、何を言っている」キョドキョド

武内P「……いえ、何でもありません」

専務「よろしい。先程の音の事は、忘れ給え」

武内P「は――」

ブブリュッ!

武内P「!?」

専務「……」

99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 22:47:07.86 ID:B+U7VTfFo
武内P「……今」

専務「何がだね」

武内P「……あの、今」

専務「何がだね」

武内P「今、響いてはならないおt」

専務「シンデレラプロジェクトを解散する」

武内P「何も聞こえませんでした」

専務「よろしい」

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 22:49:04.33 ID:B+U7VTfFo
武内P「……あの」

専務「これ以上キミと話す事は無い」

武内P「……これをお使いください」

スッ…

専務「上着を差し出して、どう使えと?」

武内P「安物ですので、お気になさらず」

専務「ありがたく使わせてもらう」

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 22:50:41.21 ID:B+U7VTfFo
武内P「……では、私はこれで」

専務「待ちたまえ」

武内P「……この事は、誰にも言いません」

専務「キミは優秀だな」

武内P「いえ……では」

コンコン!

武内P・専務「!?」

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 22:54:02.75 ID:B+U7VTfFo
奏『速水です。クローネの今後の事で、お話があると聞いて』

武内P「……!?」

専務「……!」

くいっ

武内P「私が相手を、ですか……!?」

専務「……!」コクコク

武内P「……!」コクリ

103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 22:58:07.22 ID:B+U7VTfFo
ガチャ…バタンッ

武内P「おはようございます、速水さん」

奏「おはようございます、って……CPの、プロデューサーさんじゃない」

武内P「はい。少し、専務に用事があったものですから」

奏「そうなの。入れ違いになるなんて、タイミングが悪かったわね」

武内P「……」

奏「それじゃあ、またね。私は専務に用事が――」

武内P「居ません。中には、誰も居ません」

奏「……は?」

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:00:33.81 ID:B+U7VTfFo
奏「けれど、さっき中で話し声が……」

武内P「私の独り言です」

奏「私が相手をとか、どうとか……」

武内P「困った癖だとは思うのですが……」

奏「それに、いつもの上着はどうしたの?」

武内P「追い剥ぎに、やられました」

奏「追い剥ぎ? こんな所で?」

武内P「はい」

奏「……」

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:04:33.47 ID:B+U7VTfFo
奏「……なんだか、とっても怪しいんだけど」

武内P「そうですね。よく、警察の方に捕まってしまいます」

奏「……何か、隠そうとしてない?」

武内P「いえ、そんな事はありません」

奏「ふふっ、それじゃあ……嘘じゃないって、誓いのキスは出来る?」

武内P「わかりました」

奏「そうよね、貴方はそういう所、とってもチャーミングだと思うわ」

奏「……」

奏「わかりました!?」

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:08:48.23 ID:B+U7VTfFo
武内P「では、目をつぶって頂けますか」

奏「えっ、ちょっと……本気!?」

武内P「信じて頂ける方法が、それしかないようなので」

奏「……!?」

武内P「目をつぶって頂けますか」

奏「わ、わかった! わかったわ! 信じる、信じるから!」

武内P「出直された方が、よろしいかと」

奏「……そうするわ」

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:12:30.14 ID:B+U7VTfFo
ガチャ…バタンッ

武内P「……」

武内P「……――ぶはーっ! はーっ!」

武内P「速水さんに不審に思われてしまったが……何とか……!」

武内P「……嫌な、汗をかいてしまった」

シュルッ

武内P「……まさか、この部屋でネクタイを外す事になろうとは」

武内P「――専務、首尾はいかがでしょうか!?」

プリュリュッ!

武内P「せめて! せめて、声で返事してください!」

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:16:28.08 ID:B+U7VTfFo
武内P「専務……デスクの裏で、一体何を……!?」

専務「聞かないで貰おうか。私にも、恥ずかしいという感情はある」

プリュッ!

武内P「……ご自愛ください」

武内P「そっ、それでは、私はこれで――」

コンコン!

武内P・専務「!?」

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:22:33.46 ID:B+U7VTfFo
フレデリカ『はいはーい、フレちゃんがー、会いに来たよー♪』

武内P「……!?」

専務「……!」

くいっ

武内P「もう、限界です……専務……!」

専務「……!」

プッ!

武内P「……!」

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:26:08.69 ID:B+U7VTfFo
ガチャ…バタンッ

武内P「おはようございます宮本さん」

フレ「うわお、本当にCPのプロデューサーが出てきた!」

武内P「専務はいませんよ今日はとてもいい天気ですね」

フレ「あれー? どうして、シャツ一枚で、そんなに汗かいてるのかなー?」

武内P「企画検討中です」

フレ「けんとーちゅうなら、仕方ないね! いえーい!」

武内P「……」

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:30:08.52 ID:B+U7VTfFo
フレ「そっかー、中には誰も居ないんだー」

武内P「はい。ですので、出直されたほうが宜しいかと」

フレ「うんうん。フレちゃんも、それが良いと思うな―」

武内P「わかっていただけて、何よりです」

フレ「それじゃあ、お邪魔しまーす♪」

武内P「にょわー!?」

ドンッ!

武内P「……宮本さん、中には、誰も居ないですよ」

フレ「……わーお、壁ドンなんて……やーん、大胆♪」

112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:35:37.17 ID:B+U7VTfFo
武内P「宮本さん、中には、誰も居ないので」

フレ「……ちゅー」

武内P「あの……何を?」

フレ「シチュエーション的に、アタシ、ちゅーされちゃうのかなー、って」

武内P「いえ、私はプロデューサーで、貴女はアイドルですので……」

フレ「それじゃあ、相手がアイドルじゃなかったら?」

武内P「……それは、どうでしょうか」

フレ「おっけー♪ それじゃあ、アタシは行くねー、ばいばーい♪」

武内P「……」

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:42:18.85 ID:B+U7VTfFo
ガチャ…バタンッ

武内P「……」

武内P「……――ぶはーっ! はーっ!」

武内P「何故、立て続けに人が……!?」

専務「よく、やってくれました」

武内P「専務……終わったの、ですか?」

専務「不測の事態にキミが居て良かったと、そう思いましたよ」

武内P「……いえ、お気になさらず」

武内P「……」

武内P「……いえ、気になさってください」

114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:46:31.30 ID:B+U7VTfFo
  ・  ・  ・

武内P「部長、私にお話とは?」

部長「……まあ、座り給え」

武内P「はい。失礼します」

部長「……」

武内P「それで、あの……お話とは、一体?」

部長「……キミは、彼女の事をどう思う?」

武内P「彼女……専務の事、でしょうか?」

部長「そうだ」

武内P「……」

115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:50:46.94 ID:B+U7VTfFo
武内P「以前と、私の思いは変わりません」

部長「そうか……憎からず思っている、か」

武内P「? あの、少し、ニュアンスが……」

部長「しかしだね、もう少し、時と場所を考えなさい」

武内P「はぁ……?」

部長「キミ達のオフィス・ラブ、噂になっているよ」

武内P「……」

武内P「はい!?」

116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:55:55.84 ID:B+U7VTfFo
部長「私が相手を……それに、もう限界です、か」

武内P「あの、何故、そんな話に……!?」

部長「キミにしては珍しい、ラフな上に乱れた服装に汗……」

武内P「待ってください!」

部長「アイドルの唇を奪ってても、決して執務室に入れようとしない……」

武内P「誤解です! それには、訳が!」

部長「ほう? 一体、どんな訳が?」

武内P「そ、それは……!?」

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/06(土) 23:59:31.12 ID:B+U7VTfFo
部長「聞かせて貰おうか。その、訳とやらを」

武内P「それは、専務が――」

専務「――待ちたまえ」

武内P「!?」

部長「……おや、噂のもう一人のおでましかい?」

専務「キミは、私の顔に泥を塗るつもりか?」

武内P「ですが、現状ではあまりにも……!?」

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 00:08:34.03 ID:KN1u4Jrjo
専務「キミと私は平行線だ。だが、ちょちょいと交わる時もある」

部長「……やはり、そうなのかね?」

武内P「違います!」

専務「彼は、とても頼もしいと思います」

部長「やはり……!?」

武内P「……」

武内P「――専務。真実とは、決して嘘の中には無い、輝いているものです」

専務「――ほう? ならば、キミは私が脱糞した真実が輝いているとでも?」

武内P「――たとえそれが汚い物に塗れていたとしても……私は、そう考えます」

専務「――理解出来ないな。やはり、私達は平行線のようだ」

部長「……」

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 00:16:01.35 ID:KN1u4Jrjo
武内P「――いえ、私は、そうは思いません」

専務「――何?」

武内P「――少なくとも、あの時の私と貴女は、同じ思いだった筈です」

専務「――決して、この事を知られてはならないと……か」

武内P「……と、言う訳なのです、部長!」

部長「これはまた……驚きの真実だ」

専務「――フッ、キミはやはり変わっているな」

武内P「信じて、頂けましたか!?」

部長「……信じざるを得ない、だろうねぇ」

専務「――だが、やはり脱糞というのは美城のイメージに相応しくない」

武内P・部長「……」

専務「――私は、私のやり方でやらせて貰う」キリッ

おわり

120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 00:20:55.61 ID:KN1u4Jrjo
皆さん、ウンコへの抵抗が薄れてきて、とてもいい傾向だと思います
おやすみなさい
122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 10:33:19.68 ID:8rPS48nio
常務の脱糞を戦略的に利用していくスタイル嫌いじゃない
123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:19:01.52 ID:KN1u4Jrjo
書きます

武内P「アイドルの方は、名前で呼べません」

124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:20:39.08 ID:KN1u4Jrjo
夏樹「――って、言ってたよな?」

武内P「はい。申し訳、ありません」

夏樹「ああ、良いんだ謝らなくて」

武内P「? では、何故、その話を……?」

夏樹「――アナスタシアさん、ってのは名前じゃないのかい?」

武内P「!?」

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:23:54.26 ID:KN1u4Jrjo
武内P「それは……そう、ですが」

夏樹「つまり、名前で呼べないってのは嘘だった、って訳だ」

武内P「! ですが、アナスタシアさんの場合は……!?」

夏樹「……フッ、悲しいな」

武内P「……木村さん?」

夏樹「アタシを名前で呼ぶのは、あんなに嫌がったってのに……」

武内P「……」

みく「夏樹チャン、ものすっごく楽しそうにゃ」

李衣菜「うっすら笑ってるもんね」

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:26:20.57 ID:KN1u4Jrjo
夏樹「そりゃ、そうだよな」

武内P「……木村さん」

夏樹「アタシは担当でもない、ただのアイドルさ」

武内P「……」

夏樹「それに、あの子に比べたら可愛げも無いしな、ははっ!」

武内P「……木村さんには、木村さんの良さがあります」

夏樹「……そうだね、木村さんには、ね」

武内P「……」

みく「これは……さすがのPチャンも折れるんじゃない!?」

李衣菜「さっすがなつきち! やっぱり違うよなー!」

127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:29:34.44 ID:KN1u4Jrjo
夏樹「悪かったね、変なこと言って」

武内P「……いえ」

夏樹「なんだか、寂しくなってさ……っく……く」

武内P「……木村さん……まさか、泣いて……!?」

夏樹「っく……ああ、いや、なんでも……うっく、ないよ……っ!」

武内P「……!?」

みく「あー、やっぱり笑いを我慢出来なかったにゃ」

李衣菜「プロデューサーの困り顔、慣れてきたら笑えちゃうもんねぇ」

128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:33:06.84 ID:KN1u4Jrjo
夏樹「……く……うっくく」

武内P「……」

夏樹「あー、もう駄目d」

武内P「夏樹さん」

夏樹「!?」

夏樹「へっ、あ……はい///」

みく「夏樹チャン、完全に虚を突かれてやられたにゃ!」

李衣菜「うっ、嘘でしょ!? なつきち……なつきちー!」

129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:37:37.01 ID:KN1u4Jrjo
夏樹「きゅ、急に名前で呼ぶから、お、驚いたよ///」

武内P「申し訳、ありません」

夏樹「い、良いって……謝らないでくれよ」

くしゃくしゃっ

武内P「まさか、貴女にそんな思いをさせていたとは……思いませんでした」

夏樹「そ、それよりさ……もう一回、名前で呼んでみてよ」

ジーッ

武内P「もう一回、ですか……?」

夏樹「う……うん」

みく「髪を下ろして、革ジャンも閉じて露出を減らしたにゃ……!?」

李衣菜「駄目だよなつきち! その口調は全然ロックじゃないよ!」

130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:42:06.34 ID:KN1u4Jrjo
夏樹「ほ、ほら……早く」

武内P「……」

武内P「夏樹さん」

夏樹「……はい///」ジュンジュワー

李衣菜「なつきち!!」

夏樹「! だ、だりー!? いつからそこに!?」

李衣菜「最初から居たよ! 何、今の!?」

夏樹「ああ……名前で呼ばせる事に、成功したぜ!」グッ!

李衣菜「かもしれないけど、明らかに負けてたよ!」

みく「……ふっふっふ!」

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:46:50.77 ID:KN1u4Jrjo
みく「やっぱり、ロックなんてそんなもんにゃ!」

夏樹「おいおい、それは聞き捨てならないな」

李衣菜「なつきちは、今ちょっと黙ってて」

みく「やっぱり時代はネコミミ! キュートなアイドルが勝つにゃ!」

ガチャッ

菜々「キャハッ! 皆さん、ここに居たんですね!」

みく「菜々チャン! みく達の、大勝利にゃー!」

菜々「へっ!? 大勝利!?」

みく「いえーい!」

菜々「な、なんだかわからないですが……い、いえーい!」

夏樹・李衣菜「……」

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:52:36.47 ID:KN1u4Jrjo
夏樹「みく、一方的な勝利宣言はロックじゃないぜ」

李衣菜「そうだね、なつきちの言う通りだよ」

みく「……つまり、二人は、菜々チャンも名前で呼ばれてみろ、って?」

夏樹・李衣菜「……」コクリ

みく「良いよ! その勝負、受けて立つにゃ!」

菜々「えっと……どういう事なんでしょうか?」

みく「菜々ちゃんが、Pチャンに名前で呼ばれて平気だったら勝ちだよ!」

菜々「ふえっ!? な、ナナがやるんですか!?」

みく・夏樹・李衣菜「勿論!」

菜々「……!?」

武内P「……」

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/07(日) 23:57:49.30 ID:KN1u4Jrjo
菜々「えーっと……なんだかそういう話らしいので、お願いします」

武内P「あの……安部さんを名前で呼ぶのは、さすがに」

菜々「そ、そうですよねー」

夏樹「……これは、アタシの不戦勝かな」

李衣菜「うん、ステージに立ててすらいないんだもん」

みく「菜々ちゃーん! 頑張ってー!」

菜々「がっ、頑張る!?」

菜々「これが若い子のノリ……!? うぅ、キツいです……!」ボソボソ

菜々「と、とにかく! ナナを名前で呼んでください!」

武内P「……申し訳、ありません」

菜々「……!? ど、どうすれば……!?」

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:04:03.21 ID:yuli92kpo
みく「菜々チャン……!」

夏樹「……フッ、見てられないな」

李衣菜「……なつきち、見てるだけって、ロックじゃないよね?」

みく「二人共……?」

夏樹「――行くぜ、お前達! 菜々に、熱い想いを届けてやるんだ!」

みく・李衣菜「!」

みく・李衣菜・夏樹「――ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミン!」

みく・李衣菜・夏樹「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミン!」

菜々「これは……ド級のありがた迷惑ですよ……!?」

武内P「……」

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:09:20.70 ID:yuli92kpo
菜々「あの……名前で、呼んでくれませんか?」

武内P「ですが、それは……」

みく・李衣菜・夏樹「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミン!」

菜々「もうホント! ホントあの……キツいので、はい」

武内P「……」

みく・李衣菜・夏樹「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミン!」

菜々「えっと、土下座とかします?」

武内P「!? いけません、土下座は! それは、あまりにも!」

みく・李衣菜・夏樹「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミン!」

菜々・武内P「……」

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:14:03.02 ID:yuli92kpo
菜々「それじゃあ、どうすれば? メルヘンチェンジしますか?」

武内P「……いえ、名前で呼びますので、ご安心を」

みく・李衣菜・夏樹「! やった!」

菜々・武内P「……」

菜々「えっと……じゃあ、お願いします」

武内P「……はい」

武内P「菜々」

菜々「……」

みく・李衣菜・夏樹「呼び捨て!?」

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:19:56.04 ID:yuli92kpo
菜々「……はい」

武内P「これで……よろしかったでしょうか?」

夏樹「……さすが、菜々さんだ。動じてない」

李衣菜「菜々、さん?」

みく「菜々ちゃーん! みくは……菜々ちゃんを信じてたにゃ!」

菜々「あの……ちょっと、ウサミン星から電波が来てたので」

くいっ

武内P「あの……何故、上着の裾を引っ張って……」

菜々「もう一回、呼んでくれないと駄目かもです……///」

夏樹・李衣菜「……あちゃー」

みく「菜々ちゃーん!? キュートだけど、負けてるよ!?」

138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:25:46.96 ID:yuli92kpo
菜々「……」

武内P「……菜々」

菜々「……頑張ったね、菜々……で、お願いします」

武内P「いえ、それは……」

菜々「お願いします」

武内P「……」

武内P「頑張ったね、菜々」

菜々「……えうっ……!」ポロッ

武内P「!?」

菜々「……うっ、ひっ……! ううぅ……!」ポロポロッ

みく・李衣菜・夏樹「泣いた!?」

武内P「……!?」オロオロ

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:31:19.70 ID:yuli92kpo
  ・  ・  ・

ちひろ「……それで、その後はどうなったんですか?」

武内P「何とか、必死で安部さんをなだめました……」

ちひろ「あら、もう名前では呼ばないんですか?」

武内P「……はい」

ちひろ「でも、その方がプロデューサーさんらしいかも知れませんね」

武内P「ええ……やはり、慣れない事は、するものではありませんでした」

ちひろ「それじゃあ、慣らしていけばいいのでは?」

武内P「……」

武内P「はい?」

140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:36:36.79 ID:yuli92kpo
ちひろ「今回の事は、普段とギャップがあったから起こったと思うんです」

武内P「ギャップ……ですか」

ちひろ「いつもと違って、親しげに名前で呼ばれたから、ですね」

武内P「だから……普段から、名前で呼んで私も慣れろ、と?」

ちひろ「はい♪」

武内P「しかし……やはり、アイドルの方を名前で呼ぶのは……」

ちひろ「あら、ここに良い練習相手が居るじゃありませんか」

武内P「千川さんを名前で……ですか」

ちひろ「はい♪」

武内P「……」

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:42:31.79 ID:yuli92kpo
武内P「ち……」

ちひろ「……」

武内P「ちひろ、さん」

ちひろ「さん、は無しで」

武内P「ちっ……ちひろ」

ちひろ「はい、もう一回」

武内P「……ちひろ」

ちひろ「はい、もう一回」

武内P「ちひろ」

ちひろ「……」

ちひろ「……!」ムフー!

武内P「……」

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:48:55.18 ID:yuli92kpo
ちひろ「……ゴホン! 中々、良いと思います」

武内P「そう……でしょうか? 自分では、よく……」

ちひろ「だけど、やっぱり練習が必要ですね」

武内P「……口調は、結局なおりませんでしたからね」

ちひろ「なので、私が良いと言うまで、他の子を名前で呼んじゃ駄目ですよ?」

武内P「はい……わかりました」

ちひろ「よろしい」

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:53:52.24 ID:yuli92kpo
武内P「元々……アイドルの方を名前で呼ぶのは、抵抗がありましたから」

ちひろ「それをなくすため、二人っきりの時、私は名前で呼びましょうね♪」

武内P「これからよろしくお願いします、千川さん」

ちひろ「んー? 千川さんー?」

武内P「……すみません」

ちひろ「はい、もう一回」

武内P「……これからよろしくお願いします、ちひろ」

ちひろ「……!」ムフー!

武内P「……」

144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 00:56:56.99 ID:yuli92kpo
武内P「……では、質問なのですが」

ちひろ「はい、何ですか?」

武内P「呼び方で距離感が変わるならば……」

ちひろ「?」

武内P「私の呼ばれ方も、名前にした方が良いのでしょうか?」

ちひろ「え、っと……それは……その」

武内P「? どうか、されましたか?」

ちひろ「……」

ちひろ「プロデューサーの方は、名前で呼べません」

おわり

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 15:58:49.19 ID:yuli92kpo
書きます

武内P「人妻が溢れそう?」

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:00:52.00 ID:yuli92kpo
美波「はい……! もう、限界です……!」

アーニャ「美波! しっかりしてください!」

武内P「あの……人妻が溢れそう、とは……?」

美波「落ち着くのよ美波……! 私、まだ独身……独身……?」

アーニャ「ダー! 美波は、まだ結婚してない、です!」

武内P「……!?」

150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:03:21.11 ID:yuli92kpo
武内P「あの、新田さん……?」

美波「新田さんだなんて、もう! 昔の呼び方ですか?」

アーニャ「ニェート! いけません、美波!」

武内P「昔も何も……私は、いつも通りに……」

美波「美波、って呼ぶ約束でしょう?」

武内P「!?」

アーニャ「いけません……! アー、人妻が、溢れてしまいました!」

151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:06:48.84 ID:yuli92kpo
武内P「人妻が、溢れた……?」

アーニャ「ダー。今の美波は、アー、貞淑な人妻、です」

美波「優しい夫。だけど、刺激が無く、物足りない日常……」

武内P「待ってください! 不穏なモノローグを語りだしています!」

アーニャ「ダー。所詮は、人妻です」

美波「今は、とても幸せ。そう、そのはずなのに……」

武内P「新田さん! 戻ってきてください、新田さーん!」

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:10:53.59 ID:yuli92kpo
アーニャ「このままでは、美波が!」

美波「私は、何を求めているのかしら?」

武内P「これは……一体、どうすれば!?」

アーニャ「このままでは……寝取られ? て、しまいます!」

武内P「アナスタシアさん、そんな言葉をどこで!?」

美波「わからない……誰でも良い……教えてちょうだい」

アーニャ「美波に教わりました♪」

武内P「新田さーん!?」

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:14:10.29 ID:yuli92kpo
ガチャッ

今西部長「――おお、ここに居たのかい」

武内P「! 部長! 新田さんの様子が、おかしいのです!」

部長「何?」

美波「お義父さん……あっ、駄目です……!」

アーニャ「ニェート! 部長は、お義父さんではない、です!」

部長「ふむ……何が、駄目だと言うのかね?」

武内P「部長も乗らないでください!」

154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:19:27.30 ID:yuli92kpo
美波「駄目……いけません、こんなの……!」

部長「だから、何が、駄目だと言うのかね?」

美波「駄目よ美波……! 夫を裏切れないわ……!」

アーニャ「プロデューサー! 夫として、美波を止めてください!」

武内P「何故、私が!?」

アーニャ「はやくしないと、取り返しがつかなくなります!」

美波「夫もアーニャちゃんも見てます……! いけません……!」

武内P「どんなシチュエーションですか、一体!?」

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:22:37.96 ID:yuli92kpo
美波「でも、もう……駄目ぇ……!」

武内P「! 待ってください!」

美波「!? あ、アナタ……これは、違うの!」

武内P「新田さんは、私の大切な担当アイドルです」

美波「アナタ……いえ、プロデューサーさん……」

部長「ほう……ならば、目を離すべきではなかったねぇ」ニヤリ

武内P「部長、少し黙っていてください」

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:26:07.71 ID:yuli92kpo
武内P「申し訳ありません、新田さん」

美波「……いえ、そんな」

武内P「貴女の人妻が溢れるのを止めることが出来ませんでした」

部長「何を言っとるんだねキミは」

武内P「……私も、何を言っているかわかりません」

美波「でも……おかげで、人妻が溢れるのを抑えられました」

アーニャ「ハラショー! プロデューサー、すごいです!」

武内P「はぁ……そう、でしょうか」

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:31:13.93 ID:yuli92kpo
武内P「しかし……これは、困りましたね」

美波「はい……私も、困ってたんです」

アーニャ「いつもは、私が、アー、当て身をして止めていました」

武内P「気絶させて止めていたのですか!?」

アーニャ「ダー。そうでないと、止められなかった、です」

武内P「……!?」

部長「ふむ……これは、キミのお手並みを拝見するとしようか」

武内P「待ってください! これは、かなりの大問題では!?」

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:36:57.73 ID:yuli92kpo
武内P「なんとか、人妻を溢れるのを止めなくては……!」

美波「頼りにしてます……アナタ♡」

武内P「もう早速溢れているじゃないですか!」

アーニャ「美波、とっても幸せそう! 美波、可愛い、です!」

美波「ふふっ、アーニャちゃんも祝福してくれてますね♪」

武内P「助けてください、部長!」

部長「すまない、ちょっと煙草吸ってきても良いかい?」

武内P「はい!? よりによって、今ですか!?」

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:42:05.89 ID:yuli92kpo
部長「ちょっと吸ってくる間に、何とかしておきなさい」

武内P「待ってください! それは、あまりにも!」

部長「キミに、一つだけ忠告しておこう」

武内P「っ……忠告、ですか?」

部長「……」

ガチャ…バタンッ

武内P「――何も言わないのですか、部長!」

美波「ふふっ……二人っきり、ですね♡」

武内P「違いますから! アナスタシアさんがいらっしゃいます!」

161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:46:59.23 ID:yuli92kpo
武内P「アナスタシアさん! 新田さんを止めてください!」

アーニャ「ニェート。それは、出来ません」

武内P「!? 何故、ですか!?」

アーニャ「アーニャと呼んでくれないと、駄目、です」

武内P「……!?」

アーニャ「夫婦だから、アー、愛称も無しはいけませんよ♡」

武内P「溢れた人妻の影響を受けてるじゃないですか!?」

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:51:52.88 ID:yuli92kpo
美波「ねぇアナタ……♡」

アーニャ「マーマでも良い、です……パーパ♡」

武内P「……!?」

武内P「お二人とも、いけません!」

武内P「私達は、プロデューサーとアイドルです!」

武内P「それに、まだお昼ですよ!」

武内P「嬉しいですけど……夜まで我慢なさってください♡」

武内P「……」

武内P「――私にも人妻の影響が!?」

163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 16:57:08.73 ID:yuli92kpo
武内P「いけない……! 気をしっかりもたなくては……!」

武内P「私はプロデューサーだ……! 決して、人妻ではない!」

武内P「人妻には、決して負けない!」

美波「もう……意地悪言わないでください♡」

アーニャ「ロシアでは……普通、です♡」

武内P「ダーメ! ゴハンとお風呂を済ませてから、ね♡」

武内P「……」

武内P「んあああああ!?」

164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 17:02:40.17 ID:yuli92kpo
武内P(どうすれば……どうすれば、人妻から逃れられる!?)

武内P(助けを……いや、駄目だ。人妻が増えるだけだ)

武内P「……」

武内P「!」

武内P「――そう言えば、お二人ともそろそろお子さんは?」

美波・アーニャ「えっ?」

武内P「……」

武内P(私だけ、人妻で無いから夫にされてしまうのだ……)

武内P(ならば……私も人妻になってしまえば良い!)

165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 17:07:15.86 ID:yuli92kpo
美波「子供……ですか」

アーニャ「それは……アー」

武内P「子供って、良いですよね」

美波・アーニャ「……」

武内P「お二人の子供だから、やっぱりアイドルになったり」

美波・アーニャ「……」

武内P「あっ、もうこんな時間。それじゃあ、私はこれで……」

ガチャッ…バタン

武内P「……」

武内P「……なんとか、脱出する事が出来た……!」

166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 17:11:13.73 ID:yuli92kpo
武内P「部屋の外までは、人妻の影響は無いようですね……」

武内P「新田さんと、アナスタシアさんには申し訳ないですが……」

武内P「……落ち着くまで、中に居て貰うしかありません」

ドンッ!

武内P「!? いけません、今、外に出ては!」

美波『開けてください! どうして、閉じ込めるんですか!?』

アーニャ『ひどい、です! これは、アー、家庭内暴力、です!』

ドンドンッ!

武内P「違います! これは、そういうのではないですから!」

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 17:19:53.85 ID:yuli92kpo
美波『閉じ込めておきたいほど、愛してるって事ですか!?』

アーニャ『ハラショー! そこまで、私を愛して!?』

ドンドンッ!

武内P「なんてパワーだ!? ドアが悲鳴を上げている……!?」

武内P「落ち着いてください! お二人とも、落ち着いてください!」

美波『「さよならだね」って、さ~い~ご~のこ~とば♪』

アーニャ『耳に、残る、から、い~たいよ今も♪』

美波・アーニャ『愛し~ているから♪』

ドンドンドンドンドンドンドンドンッ!

武内P「うおおおおおおっ!?」

武内P「何故『Memories』を歌うとパワーが急激に上がるんですか!?」

168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 17:24:17.73 ID:yuli92kpo
武内P「これが……パワーオブスマイル……!?」

未央「ねえ……何、やってるの?」

卯月「中に……誰か、閉じ込めてるんですか?」

凛「ねえ、どういうこと? 説明して」

武内P「! 皆さん、これには、事情が……!」

美波『!? 今、女の人の声がしたわ!』

アーニャ『ニェ――ット! どういう事、です!?』

武内P「それはしますよ! アイドル事務所ですから!」

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 17:29:45.05 ID:yuli92kpo
蘭子「我が友よ! この狂乱の宴は、一体何事ぞ!?」

智絵里「閉じ込めるのは……可哀想、です」

かな子「クレープ美味しい~♪」

杏「良いなー、杏も引きこもって楽したいよー」

武内P「これには、事情が!」

美波『事情って何ですか!? ひどい……ひどすぎるわ!』

アーニャ『泣かないでください、美波。償いは、きっちりとさせましょう』

みく「うっわ……Pチャン、最低にゃ」

李衣菜「見損ないましたよ、プロデューサー」

武内P「待ってください! 本当に、事情があるのです!」

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 17:37:00.45 ID:yuli92kpo
莉嘉「とにかく、二人を出してあげようよ!」

みりあ「うんうん! さんせー!」

武内P「待ってください! そんな事をしては!」

きらり「閉じ込めたりしないで、皆でハピハピするにぃ☆」

ガチャッ!

武内P「……ああ、なんてことだ」

CPアイドル達「……さあ、説明してください」

CPアイドル達「ねっ、アナタ♡」

武内P「人妻が溢れてしまった」

おわり

171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 19:45:08.27 ID:xXbLn9RUO
人妻と夜の生活編はよ
172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 20:24:57.88 ID:yuli92kpo
では、夜をドタバタ書きます
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 20:33:03.99 ID:yuli92kpo
「……」

 夜、寝苦しくて目が覚めた。
 季節は夏――シンデレラプロジェクトの、恒例の合宿中だ。
 普段と枕が違うと眠れない、という細やかな神経では無いつもりだったのだが、
蒸すような気温と、寝相で乱れたシーツのシワが気になる。

「……」

 聞こえるのは、虫の鳴き声。
 田舎の虫は大きく、数も多いためその鳴き声は都会の比ではない。
 だが、今はその鳴き声も夜のBGMとしては相応しい。

「……」

 モゾモゾと体を動かし、少しだけ体勢を変える。
 それだけで、また安らかな眠りの世界に戻れる。
 そう、思ったのだが、

「グッスリ寝てる」
「プロデューサーさんの寝顔、可愛いです♪」
「ふーん。まあ、悪くないかな」

 私の部屋に、侵入者が居た。

「!?」

 今の声は、ニュージェネレーションズの三人。
 何故、私の部屋に居るのですか、という疑問は一先ず置いておこう。
 今は、一刻も早く体を起こし、彼女達に注意をしなければいけない。
 よし、体を起こ――

「……!?……!?」

 ――まさか、ここで、金縛り……!?

174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 20:40:35.07 ID:yuli92kpo
 体が、動かない。

「……!……!」

 声が、出ない。

「……!?」

 金縛りは、疲れている時になるものだと聞いたことがある。
 しかし、まさか今、この状況でなるとは最悪の一言に尽きる。
 ニュージェネレーションズの彼女達の意図はわからないが、
このままでは、為す術無く思い通りに事が運んでしまう。

「さあ、宴の始まりぞ」

 神崎さん!?
 まさか、貴女まで居たのですか!?

「しーっ、蘭子ちゃん。あんまり大きな声を出しちゃ駄目よ」
「ダー。美波の言う通り、です」

 ラブライカのお二人まで!?

「プロデューサー……気持ちよさそうに寝てますね」
「まな板の上の鯉、だね~」
「どうせなら、一緒に飴玉も欲しいかなー」

 キャンディアイランドの方達も!?

「……!?」

 どれだけ、この部屋に集まっているのですか!?

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 20:49:51.57 ID:yuli92kpo
「にょわー☆ Pちゃん、お酒飲んでたもんねぇ」

 諸星さん……!

「でも、莉嘉チャンとみりあチャンは良かったの?」
「寝ちゃってたもん。しょうがないって」

 アスタリスクのお二人まで……!?
 しかし、城ヶ崎さんと赤城さんが居ないのは……不幸中の幸いか。

「……!」

 体の自由がきかないため、耳に神経を集中する。
 私の耳に届かないように話しているつもりなのかもしれないが、
今の私は、押し殺した彼女達の息遣いさえ聞こえる気がする。

 彼女達は、一体何をしようと言うのか?

「それじゃあ、寝起きドッキリの練習開始だね」

 ……成る程、そういう訳だったのか。
 彼女達には、そういった仕事を入れた事はないが、今後に備えて、という事だろう。
 だとすればまあ、合点がいかないでもない。
 しかし、プロデューサーである私で練習とは……皆さん、今回限りにしてください。

「はいっ♪ まず、ぬるま湯を股間にかけるんですよね?」
「うん。そうすると、漏らしちゃうって話だけど……確かめないと」

 練習にしては、内容がハードすぎませんか!?

176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 21:01:40.25 ID:yuli92kpo
「……!」

 待ってください! それは、あまりに危険すぎます!

「……!?」

 金縛り!
 何故、こんな重要な時に私は金縛りにあっているのだ!

「聖杯より、我が友へ降り注げ」

 ちゃぷん、という音が聞こえる。
 彼女達は、本気で私の股間にぬるま湯をたらすつもりでいるらしい。
 何故、後先を考えないのか。
 もし、本当に私が漏らしたらどうするつもりなのか。

「布団はもう剥ぎ取ったわ」

 いつの間に!?

「浴衣は、アー、はだけさせますか?」

 いけません! 貴方達は、アイドルなのですよ!?

「それは……寝てても、寒そうだからやめてあげよう?」
「だねー。それは、さすがに気が引けるよ」
「うんうん、パンケーキ美味しい~♪」

 皆さんの優しさの基準が、私にはわかりません!
 そして三村さん、パンケーキの匂いが尋常でなく鼻につきます!
 この時間に、他人の部屋で焼きたてパンケーキを食べないでください!

177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 21:15:27.64 ID:yuli92kpo
「それじゃあ~、Pちゃんの股間に~……」

 まさか、もう!?
 待ってください、心の準備が!

「どうなるのか……ぷくく、楽しみにゃ」
「ちょっと、笑ったら起きちゃうって……うくく」

 後で、アスタリスクのお二人には個別で話をします。

「行くわよ、皆」

 新田さん……貴女をシンデレラプロジェクトのリーダーに指名したのは、
最初の合宿の時でしたね。
 それがまさか、こんな事になるとは思ってもみませんでした。
 彼女達の、統率の取れた動きは……恐らく、貴女によるものなのでしょうね。

「シンデレラプロジェクト、ファイトぉぉぉ……」

 おーっ、という、いつもの彼女達の掛け声は聞こえない。
 代わりに部屋に響いたのは、バシャリと、勢い良く私の股間に降り注いだ、

「んああああああああっ!?」

 熱湯、そして、私の叫び声だった。
 ぬるま湯とは明らかに違う、生易しい温度でないそれに、
私の体は危険信号を発し、金縛りを彼方へ吹き飛ばした。

「……!?」

 私の叫びを聞いた彼女達は、あまりの驚きに絶句している。

「うわあああああっ!? あっ、ああああっ!?」

 図らずも、逆ドッキリが成功した。

178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 21:29:05.05 ID:yuli92kpo
  ・  ・  ・

「……」

 私の前で、城ヶ崎さんと、赤城さんを除く、シンデレラプロジェクトメンバー12人が正座している。
 事情はわかっているので、特に聞くことはない。
 聞くことはないが……説教だ。

「皆さんの今回の行動は、行き過ぎています」

 いつもよりも低い私の声に、メンバー達は体をビクリと震わせる。
 彼女達を憎いとは思わない。
 だが、ここでしっかりと話をしておかなければ、私が今後もたない。

「今後は、絶対にこのような事は無いように、お願いします」

 はい、と、全員が揃って返事。
 その肩は震えていて、泣くのをこらえているのだろうか。
 しかし、泣いても今回ばかりは簡単に許す訳にはいかない。

「……あの」
「はい、何ですか本田さん」

 本田さんが、おずおずと挙手をした。
 何か、言いたいことでもあるのだろうか。

「ドッキリした?」

 彼女の言葉に対する私の返事をメンバー達はワクワクとした顔で待っている。
 此処に来てその質問が出来るとは、恐れ入ります。

179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 21:45:46.55 ID:yuli92kpo
「そうですね……はい、とても驚きました」

 私の答えを聞き、メンバー達は顔を見合わせ、笑った。
 それは、とても良い笑顔で、思わず見とれそうになるもの。

 しかし、心底腹が立った。

「では、イタズラのお仕置きとして、一発尻を叩こうと思います」

 メンバーがざわつく。
 私の表情を伺おうとしているが、恐らく、何の表情もしていないだろう。
 反省を促すためとは言え、体罰はしたくはない。
 だが、それが彼女達にとって必要な事ならば、私は鬼になろう。

「それじゃあ……リーダーの私から、お願いします」

 新田さんが手を上げた。
 その顔は、仕方ないという諦めの色が強い。
 まずは、彼女に反省してもらう事にしよう。

「では、両手を壁について、尻をこちらに向けてください」

 聞きようによっては、とても艶めいた言い回し。
 彼女もそう思ったのか、他のメンバーを安心させるためか、少しおどけた口調で、

「んっ……プロデューサーさん、優しくしてくださいね?」

 と、のたまった。
 さすがはリーダーですね……今の言葉を聞いて、メンバー達の緊張が少しほぐれたようです。

「いえ、駄目です」

 私は、それを無慈悲に打ち砕いた。

180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 22:01:05.44 ID:yuli92kpo
「……!」

 天を貫くように、右手を高く振り上げる。
 イメージするのは、鞭。
 硬さだけでなく、しなやかさも併せ持つ鋼の鞭だ。

「ぷ、プロデューサーさん……?」

 呼吸を整え、心を落ち着かせて、全身に回る血液を意識する。
 細胞の一つ一つを掌握し、全身の、髪の毛一本に至るまでの全てを連動させる。
 今の私は、プロデューサーではない。
 ただ一個の、尻を叩くためだけに存在する、兵器だ。

「あのっ!? や、優しく! 優しくお願いします!」

 筋肉が、爆発の時を待ち、今か今かと叫び声を上げている。
 骨が、寸分の狂いも無く尻を打ち据えるため、残忍な笑い声を上げている。
 一瞬で、何十、何百回と、理想の尻叩きをイメージしては、最高のものに近づけていく。

「……」

 果たして、それは成った。

「や、やめ……おねが」

「プロデュゥゥゥ――スッ!!」

 円運動の軌跡を描き、鋼と化した私の右手が、
新田さん……いや、イタズラをした少女の尻に叩き込まれた。
 破裂音にも似た打撃音。
 衝撃は尻だけでは止まらずに、彼女の体を一直線に突き抜け、パプリと鼻水を噴出させた。

「はああああっ!? ほっ、ほあああああ!?」

 辺りに、アイドルらしからぬ叫び声が響いた。

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 22:12:30.69 ID:yuli92kpo
「……」

 お仕置きとは言え、彼女はアイドル。
 その体に痕が残るような打ち方はしていない。

「んんんんん! これやば、んんんんん!」

 だが、私のプロデューサーとしての全てを用いて、尻を叩いた。
 その結果が、これだ。
 新田さんは、その場で尻を押さえてのたうち回っている。

「では、次は誰にしますか?」

 私が視線を向けると、残されたメンバーがビクリと肩を震わせた。
 彼女達に、こんな顔をさせるのはとても心苦しい。
 しかし、やらなければならないのだ。

「皆あああああ! 逃げてえええええ!」

 新田さんが、残された力を振り絞り懸命に他のメンバーを逃がそうとする。
 鼻水を垂らしながらにも関わらず、仲間を思いやるその姿勢には胸を打たれる。

「では、次も新田さんという事で、宜しいですか?」

 その思いには、応えなければならないだろう。

「アーニャちゃああああん! ファイトおおおおお!」
「ミナアアアアミ!? なんで、私ですかあああ!?」

 わかりました、次はアナスタシアさんですね。

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 22:37:08.69 ID:yuli92kpo
  ・  ・  ・

「ねえねえ、昨日の夜何かあったの?」

 赤城さんが、不思議そうに首を傾げている。

「なんか皆、お尻を気にしてるみたいなんだよねー?☆」

 城ヶ崎さんの、お尻、という言葉を聞いて昨夜のメンバー達がビクリと動きを止める。
 休憩時間中だと言うのに、他のメンバーは全員立ったままだ。
 いや、双葉さんはうつぶせの状態で寝転がっているか。

「いえ……私には、よくわかりません」

 右手を首筋にやろうと動かした途端、メンバー12人が身構えた。
 何故か、数名ほど壁に手をついて尻をこちらに向けているが、放置する。

「あっ! そういえば、昨日の夜のドッキリどうだった?」
「そうそう! アタシとみりあちゃん、寝ちゃったんだよねー☆」

 お二人の言葉を聞いて、少し考える。

「そうですね……成功、だったと思います」

 確かに、かけられたのが熱湯でなければギリギリセーフだったかもしれない。
 ドッキリ自体は私の金縛りがあったにせよ、成功だったとも言える。

「あーん! みりあも参加したかったー!」
「それじゃあそれじゃあ、今晩はアタシ達がドッキリしにいくねっ☆」
「……あらかじめ言ってしまっては、駄目なのでは」

 そう、言ってみたものの、赤城さんと城ヶ崎さんはやる気になっているようだ。

「皆さん……赤城さんと城ヶ崎さんを止めてください」

 私の言葉を聞いて、数名ほどが必死で彼女達の説得に回ってくれた。
 残ったメンバーが軒並み壁に手をついて尻をこちらに向けているのを見て、私は頭を抱えた。

おわり

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 21:33:04.06 ID:ZhryCFPso
「……」

 キャハハ、と、女性達の明るい笑い声が響き渡る。
 アルコールが回っているのだろう、全員顔が赤く、とても良い笑顔だ。
 会話に流れなどなく、ただ、起こった事、起こりうる事を話しているだけ。
 にも関わらず、彼女達は必ず笑顔で話を続けている。

「……」

 此処、シンデレラプロジェクトの、プロジェクトルームで。

「いえーい! 飲んでる~!?」

 飲んでいません。

「飲んでないわ」

 また、笑い声が響き渡った。
 本当に、どうして彼女達はここで酒盛りをするのだろう。
 確かに、広さ的には丁度良いし、ソファーもあって居心地は良いだろう。
 しかし、誰が後片付けをすると思って……ああ、だから此処に来るのですね。

「かんぱーい!」

 何度目かの乾杯を尻目に、巻き込まれないようにパソコンの画面を見つめる。
 さすがに、仕事中の私の邪魔を直接的にする程、非常識ではないらしい。
 間接的には尋常でない程の邪魔をしているのだが、それを抗議する勇気は、無い。

「……」

 早く、帰ってくれないだろうか。
 でないと、後片付けが出来ず、私も帰れない。

194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 21:45:10.92 ID:ZhryCFPso
「はーい! 一番バッター、オナラしまーす!」

 本当に、酔っぱらいというのは最悪だ。
 自分も酔ってしまえば気にならなくなるのだろうが、その選択肢は私には無い。
 私まで酔ってしまっては、後始末をする者が居なくなるからだ。

「Fight! Fight! Let’s Go~! Fight! Fight! 頑張って!」

 自らのソロ曲に合わせてオナラをする事の、何が楽しいのか。
 私にはわからないが、彼女達は大いに盛り上がっている。

「Fight! Fight! Let’s Go~! Fight! Fight! 負けないで!」

 お腹が千切れちゃう、と言いながら笑っている人も居る。
 さすがは酔っていてもアイドル、パフォーマンスはとても素晴らしい。

「フレーフレー、みんなでLet’s Go! フレーフレー大きな声で!」

 この時のためだけの、オリジナルの振り付けだろう。
 彼女のダンスは、チアーを模したものというよりも、バッターのスイングのようだ。
 それを見られたのは喜ぶべきか、彼女がこれから放つアーチを悲しむべきか。

「フレーフレー気持ちを込めて!」

 渾身のスイング。

「Go~!」

 ブボッ!

 ――特大の、ホームランだ。

 ボッ、ボブリッ、ブッ、ブブッ!

「!?」

 ――場外ホームランじゃないですか!?

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 21:56:37.61 ID:ZhryCFPso
「……!?……!?」

 スイングで、お腹をひねった瞬間にオナラを出そうとした。
 恐らく、それが彼女の放ったアーチを場外まで運んでしまったのだろう。

「……」

 しん、と静まり返る室内。
 アーチストは、スイングを終えた体勢のまま微動だにしない。
 目線の先を追ってみるが、そこはただの壁だ。
 彼女には見えているのだろうか……青空に吸い込まれていく、白球が。

「……」

 さて、ここから、私はどう行動すべきなのだろう。
 思考を巡らせてみるが、これが最善だ、というものは浮かばない。
 目の前で歌いながら脱糞したアイドルにどう対処するかなど、研修では習わない。
 どうすれば……どう――

「チャッチャッチャッチャッ、チャララ♪ チャッチャッチャッチャッチャ♪」

 ……この、軽快な前奏は――

「チャッチャッチャッチャッ、チャララ♪」

 待ってください!
 何故、貴女まで歌って踊り始めるのですか!?

「ズン、ズン、ズン!」

 う、うわあ、あああああっ!?

「バキューン!」

 ボブリッ!

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 22:10:47.32 ID:ZhryCFPso
「……!」

 モコリ、モコリと彼女の体のラインを強調するような服の臀部が膨らんでいく。
 しかし、それを気にする事無く、元婦警はバッターに歩み寄る。
 そして、両手を高くあげ、

「いえーい! 2ランホームラン、ね!」

 ハイタッチを要求した。
 そして、パシンと打ち鳴らされる、友情の架け橋。

「今のだと、連続ソロホームランですよー!」
「あたし、野球そんなに詳しくないのよ!」

 こんな状況にも関わらず、彼女達の微笑み合う姿は、とても美しい。
 出来る事なら、腰から下を視界に映したくないと思える程に。
 いや……ああなったからこそ、彼女達の笑顔が輝いて見えるのか。

「……」
「……」

 残った二人が、すっくと立ち上がった。
 いやいや、もう十分です!
 もう、綺麗にまとまった感じがするではないですか!

「四番は任せるわ」

 よく通る、美しい声。

「トゥントゥントゥルトゥトゥーントゥトゥーン♪」

 ……そうですよね、口でやるとそんな感じになってしまいますよね。

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 22:26:01.62 ID:ZhryCFPso
「ムゥーンムゥムゥムゥーン、ムゥーンムゥムゥーン♪ ムゥ~ン♪」

 沸き起こる、爆笑の嵐。
 完璧な振り付けに対して、あまりにも卑怯な言葉と表情。

「ティーンッ♪ ティーンティティーンティンティッティンッ♪」

 この元アナウンサーアイドル、完全に笑わせに来ている。
 既にバッターボックスから降りた二人は涙が出る程笑っている。
 そして、控える四番も肩を震わせ、ヒーヒーと呼吸困難に陥っているではないか。

「プゥープゥープゥッ♪ プゥープゥプゥプゥープゥプゥー♪」

 アナウンサー時代のボキャブラリーを活かしているのだろうか。
 擬音が全て違うものになっているのが、彼女のこだわりを感じさせる。

「これ……無理……!」

 ビチュッ!

 たまらず、四番が先にスイング。

「テトリテトリトン♪ テトリテトテテ♪」

 バブンッ!

 順番は逆になってしまったが、三番バッターも特大のアーチを見せてくれた。

「臭いわ」

 彼女達は、笑った。

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 22:40:13.09 ID:ZhryCFPso
「……」

 笑いの後に訪れたのは、不気味なほどの静寂。
 誰一人言葉を発しようとせず、何一つ行動に起こそうとしない。
 プロジェクトルームに立ち込める異臭。
 あの……後片付けは私がやるので、本当にもう、帰ってください。

「「「「……」」」」

 そう、思った瞬間、四対八つの瞳が、ギョロリと私に向けられた。

「……!?」

 思わず息を呑む……臭い。
 彼女達は、何故私に視線を向けているのだろう。
 他言するつもりは毛頭ないし、言ったとしても誰も信じはしないだろう。
 なのに、どうして私を見て――

「アッ、ハイーヤーアーアーアアアーアー」
「ちゃちゃりりちゃらららちゃちゃりりちゃらら」

 何故、四番の前奏を!?

「待ってください! 私にも、しろと!?」

 抗議の声は、儚くもシンデレラ達の歌声にかき消される。
 彼女達の歌声は、止まらない。
 そして、私には理解出来る……出来てしまう。

 出さなければ、殺される。

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:03:28.27 ID:ZhryCFPso
  ・  ・  ・

「……」

 プロジェクトルームの片付けが終わった。
 臭いはまだ残っているが、それはこの際仕方ないだろう。

「……」

 部屋の隅にあるビニール袋に目を向ける。
 あの中には、友情の結果と、恐怖の結果が詰まっている。

「……」

 結論だけ言わせてもらうならば、私は脱糞した。
 情けなく、悲鳴を上げながら。
 あの時の恐怖は決して忘れることは出来ないだろう。

 ――ティロン♪

「……」

 携帯に、LINEが入る。
 シャワーを浴び終えた、という連絡だろう。
 彼女達が戻ってくる前に片付けを終わらせた自分を褒めても良いと、そう、思います。

「……!?」

 確認のために、携帯を開き……――愕然とした。
 カツリと、携帯が床に落ち、転がる。

「何故……私の家で飲み直すという話になったのですか……!?」

 この時の私は、まだ知らない。

 これから先、何度も繰り返される悪夢を。

おわり

201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:11:08.60 ID:ZhryCFPso
非武内P書きます、申し訳ない

オレP「早苗さんの尻にしかれたい」

202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:13:10.82 ID:ZhryCFPso
ちひろ「それは、姉さん女房的な意味ですか?」

オレP「いいえ、物理的な意味ですよ?」

ちひろ「……えっと」

オレP「こう、ですね? 顔の上に、バフッと座る感じで」

ちひろ「……警察、呼びますね?」

オレP「何故!?」

ちひろ「何故!?」

203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:15:39.87 ID:ZhryCFPso
オレP「急に警察だなんて、頭おかしいでしょう!?」

ちひろ「アナタに頭おかしいとは言われたくないですよ!」

オレP「あっ、もしかして」

ちひろ「?」

オレP「エッチな意味にとらえちゃいました?」

ちひろ「……それ意外、何があるって言うんですか?」

オレP「いやー、参ったなー! ちひろさん、やーらしー!」

ちひろ「は……腹立つ……!」

204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:18:19.07 ID:ZhryCFPso
オレP「良いですか、血液は酸素を全身に運んでるんです」

ちひろ「急に、何を」

オレP「つまりですね、早苗さんの尻にしかれるでしょう?」

ちひろ「……はあ」

オレP「そこで呼吸をしたら、早苗さんの尻が全身を巡ると言っても――」

オレP「――過言では、無いッ!」カッ

ちひろ「はい、通報しますねー」

オレP「待って待って、落ち着いて!」

205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:22:07.84 ID:ZhryCFPso
オレP「オレだってね、無理矢理座ってもらおうとは思いませんよ」

ちひろ「安心しました。早苗さんは、無事なんですね」

オレP「だから、皆にも相談したんです」

ちひろ「……皆?」

オレP「ええ。人に夢を与えるのがアイドル……でしょう?」

ちひろ「アイドルの子達に相談したんですか!?」

オレP「そう! LiPPSと、炎陣にね!」

ちひろ「なんですかその人選は!?」

206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:28:15.25 ID:ZhryCFPso
オレP「彼女達は、とても素晴らしいアイドルですから」

ちひろ「……アイドルにする話ではないと思います」

オレP「拓海にも同じことを言われ、ブン殴られましたよ」

ちひろ「それは、良い鉄拳制裁ですね」

オレP「でもね――守りに入るのが正しいと言えるのか?」

オレP「――危険を知りつつも向かっていくのが、自分を通すって事じゃないのか?」

オレP「――お前はどう思うよ、特攻隊長さんよぉ!」

オレP「……って煽ったら、協力を取り付けられましたよ、ハハッ!」

ちひろ「もう! なんでそんなに単純なんですか!?」

207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:31:52.06 ID:ZhryCFPso
ちひろ「美嘉ちゃんなんか、軽蔑してきたんじゃないですか?」

オレP「ええ、ゴミを見るような目で見られましたよ」

ちひろ「そうですよね、当然の反応です」

オレP「だから――あっ、出口はそっちだから」

オレP「――一応さ、声だけはかけなきゃと思っただけだから」

オレP「――ゴメンな? なんか呼び出しちゃって」

オレP「……って正直に言ったら、協力してくれるって。別に良いのに」

ちひろ「別に良いのにとか、思ってても言わないでくださいよ!」

208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:37:03.84 ID:ZhryCFPso
ちひろ「夏樹ちゃんとか、反応が読めませんね」

オレP「アイツ、面白そうじゃんって笑ってましたよ」

ちひろ「……あー、なんとなくわかります」

オレP「でもね――悪い、オレは真剣なんだ」

オレP「――遊び気分で、こんな事を話したりはしない」

オレP「――この熱い気持ちに名前をつけるなら、ロックになるのかね」

オレP「……ってそれっぽく言ったら、協力するぜと、真剣に」

ちひろ「それっぽくで、人の気持ちを弄ばないでください!」

209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:41:58.21 ID:ZhryCFPso
ちひろ「奏ちゃんは……」

オレP「ご褒美のキスは要らないって言ってましたよ」

ちひろ「そりゃそうですよね」

オレP「だから――ああ、オレの唇はもう先約があるんだ」

オレP「――喋るためじゃなく、早苗さんの尻のために」

オレP「――ケツにキスするために、咲いている」

オレP「……って本音を語ったら、協力するわと、オーラを放って」

ちひろ「『Tulip』の歌詞っぽく欲望を語らないでくださいよ!」

210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:47:32.03 ID:ZhryCFPso
ちひろ「里奈ちゃんは、ああ見えて常識がありますから……」

オレP「そうですね、アタシバカだけど良くないと思うよー、って」

ちひろ「見た目はチャラっとしてるけど、良い子ですよね」

オレP「だから――オレはバカだから、正直にしか行動出来ない」

オレP「――自分に正直に生きるってのは、とっても難しいよな」

オレP「――だけど、バカ正直に生きるのは、悪い事じゃないさ」

オレP「……って誤魔化したら、協力するぽよー! ぽよぽよー!」

ちひろ「良い子なのを利用しないでくださいよ!」

212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:53:04.43 ID:ZhryCFPso
ちひろ「志希ちゃんも……反応が読めませんね」

オレP「アイツ、お尻の匂いが嗅ぎたいのかにゃ~って」

ちひろ「ああ、あの子だったらそういう反応ですよね」

オレP「だから――わかってるんだろ、そんな単純な話じゃないって」

オレP「――オレは、お前のギフテットとしての力に期待してる」

オレP「――天才のお前なら、こんな事もあろうかと、って言うはずだ」

オレP「――顔面騎乗! カオニスワリタクナール、だよ!」

ちひろ「ストーップ! アナタ、本当に怒られますよ!?」

オレP「まだ出来てないらしいので、開発、待ってます」

ちひろ「やろめっつってんでしょうが!」

213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 23:59:18.43 ID:ZhryCFPso
ちひろ「涼ちゃんは……普通に説教されたんじゃないですか?」

オレP「はい。ガチで凹みました」

ちひろ「だけど、諦めないんですね」

オレP「当然――お前の言う事も一理ある」

オレP「――だけど、理屈だけじゃ片付かない、感情ってもんがある」

オレP「――お前は、その熱い思いを歌に乗せてるんだろう?」

オレP「――オレは、言葉に乗せてみたんだが……届いたか?」

オレP「……って聞いたら、協力するよ、って渋々承諾してくれました」

ちひろ「なんでそこで物分りが良くなっちゃったの!」

214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 00:03:30.59 ID:oWHtUYR3o
ちひろ「フレデリカちゃんは……もう! LiPPSって反応が読めない!」

オレP「その個性のぶつかり合いが、彼女達の良い所ですよ」

ちひろ「急にプロデューサーぶらないでください」

オレP「だから――BGMは、どんなのが良いかな?」

オレP「――あんまり壮大すぎても良くないと思うんだよね」

オレP「――ちょっとポップな……あ、ヒップホップで!」

オレP「――頼んだぞ、新曲、楽しみにしてる」

オレP「……って言ったら、協力するするー、って二つ返事でした」

ちひろ「相談の形がちょっと違ってるじゃないですか!」

215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 00:08:23.93 ID:oWHtUYR3o
ちひろ「亜季ちゃんは成人してますから、きっと!」

オレP「ところがどっこい、そうでもない」

ちひろ「……乗せられやすそうですもんね」

オレP「そりゃ――大和! 貴様に、特殊任務を言い渡す!」

オレP「――対象、片桐早苗の尻にしかれるための工作任務だ!」

オレP「――彼女に気付かれる事なく、オレの印象を操作しろ!」

オレP「――尻にしいても良いと思えるようにだ! わかったか!」

オレP「……って命令したら、サーイエッサー! って、チョロチョロでしたよ」

ちひろ「その任務、難易度が高すぎませんか!?」

216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 00:13:39.49 ID:oWHtUYR3o
ちひろ「周子ちゃんには、何の相談をしたんですか?」

オレP「おっ、彼女も相談の質が違うのがわかりますか」

ちひろ「はい、悲しいですけど」

オレP「ははは――なあ、渡す菓子折りはどんなのが良いと思う?」

オレP「――ビール詰め合わせも良いんだけどさ、違うのも良いじゃん?」

オレP「――可愛いお菓子とか、似合うと思うんだよね」

オレP「――桃の和菓子とか……って、これじゃ桃尻か!」

オレP「……って聞いたら、協力するよー、って実家に聞いてみてくれるって」

ちひろ「あの、菓子折り持って行く気ですか!?」

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 00:17:05.89 ID:oWHtUYR3o
オレP「……とまぁ、こんな感じで相談した訳です」

ちひろ「……見事に協力を取り付けてますね」

オレP「オレはプロデューサー、一人では何も出来ません」

オレP「アイドルが居るからこそ、力を発揮する事が出来る」

オレP「お互いが支え合い、協力して高め合える」

オレP「それが、理想的な関係だと、思いませんか?」

ちひろ「詐欺師に向いてますよ、プロデューサーさん」

オレP「よく言われます」

218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 00:19:54.09 ID:oWHtUYR3o
ちひろ「その調子で、本人に言ったら良いんじゃないですか?」

オレP「なっ、何言ってるんですか!?」

ちひろ「あの、何故慌てる必要が?」

オレP「そんな……ちょ、直接言うだなんて……」

ちひろ「?」

オレP「恥ずかしくて……出来ないよぅ///」イヤイヤン

ちひろ「アナタのこれまでの行動の方が恥ずかしいですよ」

219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 00:24:05.97 ID:oWHtUYR3o
オレP「良いんです、オレは果報は寝て待つタイプなんです」

ごろんっ

ちひろ「ソファーに寝転がって、何を?」

オレP「早苗さんがオレの上に座るのを待ってるんです」

ちひろ「聞かなきゃ良かったです」

オレP「あっ、ちひろさんは座らないでくださいね?」

ちひろ「座りませんよ!」

オレP「良かった、オレの上に座るちひろさんは居ないんだ」

ちひろ「そんなつもりは全然無いのに、無性に腹が立ちますね!」

220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 00:32:36.97 ID:oWHtUYR3o
  ・  ・  ・

オレP「はっは、結局顔面をボコボコに殴られて終わりでしたよ」

ちひろ「あの、ジャガイモみたいな顔になってますよ?」

オレP「早苗さんお手製の、ポテトボーイです」

ちひろ「……物は言いようですね」

オレP「……ま、この結果には物言いを付けたいですけどね」

ちひろ「まだ、諦めないんですか?」

オレP「女のケツを追いかけるのは、男の性ですからね」

ちひろ「悲しい習性ですね、それって」

オレP「ハハッ……あー……」

オレP「早苗さんの尻にしかれたい」

おわり

223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 21:48:34.87 ID:oWHtUYR3o
書きます

武内P「トライアドの皆さんと、ですか」

224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 21:51:25.07 ID:oWHtUYR3o
凛「うん、収録について来て欲しい」

加蓮「って、奈緒がどうしてもって」

奈緒「あたし!?」

武内P「そう、なのですか?」

奈緒「違うから! ああいや、違うけどそうじゃなくて……!?」

凛・加蓮「……」ニヤニヤ

奈緒「お前らなー!」

225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 21:54:27.72 ID:oWHtUYR3o
凛「まあ、奈緒をからかうのはこのくらいにして」

加蓮「居てくれると助かるなー、って思って」

奈緒「あたし達、こういう収録って初めてでさ……」

凛「私はニュージェネでやった事ある仕事だけど、ね」

加蓮「お願い、出来ますか?」

奈緒「お願いしますっ! どうしても、成功させたいんだ!」

武内P「……わかりました。スケジュールを調整してみます」

226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 21:56:40.49 ID:oWHtUYR3o
武内P「収録は、歌番組でしたね」

凛「うん。だから、プロデューサーが鼻をかんでくれないと困る」

加蓮・奈緒「……ん?」

武内P「確かに、その通りです」

凛「でないと、歌声がネバネバになっちゃうから」

加蓮「あの……凛?」

奈緒「なんか……おかしくないか?」

凛「? 何が?」

加蓮・奈緒「……!?」

227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 21:58:59.64 ID:oWHtUYR3o
加蓮「あのさ……いつも鼻をかんでもらってるの?」

凛「そんなわけないでしょ」

奈緒「だ、だよな! あたし達の聞き間違いだよな!」

凛「歌う前だけ。そこまで迷惑かけられないし」

加蓮・奈緒「!?」

武内P「私は、迷惑だと思ったことはありませんが……」

凛「……そう?」

武内P「はい」

加蓮・奈緒「……」

228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:02:08.24 ID:oWHtUYR3o
加蓮「鼻をかむって……えっと、何かの例え?」

凛「例え?」

奈緒「ほ、ほら! 鼻の通りを良くするための、何かとか!」

凛「? 普通に、こう、チーンってかんでもらってるけど?」

加蓮「……冗談じゃ」

凛「無いってば。もう、しつこいよ二人共」

奈緒「なんでそんなに当たり前の事みたいに振る舞えるんだよ!?」

凛「えっ? だって、普通の事でしょ」

加蓮・奈緒「……!?」

229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:04:38.93 ID:oWHtUYR3o
加蓮「あの……本当にやってるんですか?」

武内P「はい。渋谷さんが歌う前は、いつも」

奈緒「いつもあたしをからかう割に、そんな事してたのかー!」

凛「当たり前でしょ。アイドルなんだから」

加蓮・奈緒「……は?」

武内P「ファンの前でアイドルが輝けるようにするのが、プロデューサーですから」

加蓮・奈緒「……」

加蓮・奈緒「……はい?」

230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:07:19.72 ID:oWHtUYR3o
加蓮「もしかして、シンデレラプロジェクトでは……」

奈緒「そんなのが、当たり前に行われてる……?」

武内P「はい、勿論です」

加蓮・奈緒「勿論です!?」

凛「二人も、何かしてもらったら?」

加蓮「えっと……何かって、何?」

奈緒「あたしも鼻をかんでもらえって!? ヤだよ!」

武内P「そうですね……お二人の場合でしたら……」

加蓮・奈緒「!?」

231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:13:58.35 ID:oWHtUYR3o
武内P「まず、北条さんの場合ですが――」

加蓮「えっ……ええっ?」

武内P「あまり、体が強くない方だと聞いています」

加蓮「そ、そう……だけど」

武内P「なので、当日までの体調管理は勿論ですが」

加蓮「……」

武内P「当日も、すぐに支えられるように控えていようと思います」

加蓮「それは……うん、ちょっと良いかも」

凛「でしょ?」

奈緒「……」

232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:17:45.59 ID:oWHtUYR3o
奈緒「そ、それじゃあ、あたしの場合は?」

武内P「そうですね、神谷さんの場合ですが――」

奈緒「……」

武内P「髪の毛のセットが乱れやすそうなので、その点のケアを」

奈緒「おお……それはちょっと嬉しいな」

武内P「当日は、より一層キリリと力強い眉毛になるようサポートしたいと思います」

奈緒「なんだそのサポート!?」

凛「ふーん。悪くないかな」

加蓮「やったじゃん、奈緒」

奈緒「やってないからな!?」

233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:20:34.95 ID:oWHtUYR3o
奈緒「眉毛のサポートって、何!?」

武内P「それは……言葉で説明するのは、難しいですね」

凛「今、実際にやってあげたら良いんじゃない?」

奈緒「は!?」

加蓮「あー、それは先に見ておいた方がいいかもね」

奈緒「おい! 他人事だと思ってテキトーな事言うなよな!?」

武内P「……わかりました。お二人が、そう仰るのでしたら」

奈緒「あたしの意見を聞いてなくない!?」

234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:24:45.25 ID:oWHtUYR3o
武内P「それでは神谷さん、目をつぶっていただけますか?」

奈緒「目をつぶるって……な、何する気だよ!?」

武内P「眉を触るので、目を開けていては危険ですから」

奈緒「ま、眉を触るって……」

凛「奈緒、言う通りにした方が良いよ」

奈緒「で、でも……!?」

加蓮「ほら、早く」

奈緒「……くっそー! 覚えてろよな!?」

235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:27:06.16 ID:oWHtUYR3o
奈緒「……は、はい。目、つぶったけど」

武内P「では、失礼します」

さわさわっ…

奈緒「う……うぅ……///」

凛「奈緒、顔が真っ赤だよ」

加蓮「大丈夫、キスされる訳じゃないんだし」

奈緒「余計な事言うなって!///」

武内P「――では、行きます」

奈緒「……へっ?」

武内P「プロデュゥゥゥス!」

シャランラ~

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:31:32.23 ID:oWHtUYR3o
加蓮「えっと……今の掛け声、何?」

凛「大丈夫、いつもの事だから」

加蓮「……」

武内P「……どうですか、神谷さん」

武内P「……いえ、」

神谷13「……どう、って言われても」キリリッ

武内P「神谷13(サーティーン)さん」

凛「凄いね奈緒……いや、神谷13。これなら、仕事は失敗しなさそう」

加蓮「……」

加蓮「!?」

237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:35:22.90 ID:oWHtUYR3o
神谷13「そ、そうか? 自分では、よくわからないんだけど……」キリリッ

加蓮「髪型をセットって言うか、角刈りにセットされてるよ!?」

神谷13「? 何言ってるんだよ、前からだろ?」キリリッ

加蓮「!?」

神谷13「お礼は……スイス銀行に振り込めばいいのかな?」

武内P「いえ、お気持ちだけ頂いておきます」

神谷13「そっか……じゃあ、一回だけ後ろに立っても見逃す事にするよ!」

武内P「はい、ありがとうございます」

加蓮「……!?」

238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:39:22.61 ID:oWHtUYR3o
凛「……ついでだから、私も鼻をかんでもらおうかな」

武内P「渋谷さん?」

神谷13「おいおい凛~? まさか、独占欲か~?」

凛「違うから。そんなんじゃないって」

加蓮「待って凛! 鼻をかむのは、普通なんだよね……!?」

凛「普通じゃない鼻の噛み方って、何それ」ケラケラ

加蓮「そう、だよね……」

武内P「――では、失礼します」

凛「……んっ」

武内P「プロデュゥゥゥス!」

シャランラ~

239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:43:28.05 ID:oWHtUYR3o
加蓮「また……あの掛け声……!?」

凛「……」

加蓮「凛、大丈夫なの……!?」

凛「……あ」

凛「あ~~~……!」ガクガクッ!

ズルリッ!…ボトッ!

加蓮「い、いい、いやあああ!? 何それ!? 何それ!?」

武内P「鼻水です」

加蓮「量がおかしい! なんか体が痙攣してるし!?」

武内P「しかし、これで彼女の歌声はより美しくなります」

加蓮「……!?」

240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:47:59.00 ID:oWHtUYR3o
凛「……うん、スッキリした」

加蓮「ほっ、本当にちょっと声が綺麗になってる……!?」

凛「でしょ?」

奈緒「……あれ? あたし、何でここに居るんだっけ?」

加蓮「! 奈緒、正気に戻ったの!?」

武内P「今回は試し、という事で時間は短めにしておきましたから」

加蓮「……!?」

凛「奈緒、どうだった?」

奈緒「なんだかよくわからないけど……調子が良い気がする!」

加蓮「……!?」

241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:53:00.77 ID:oWHtUYR3o
奈緒「おい、どうしたんだよ加蓮!? 顔が真っ青だぞ!?」

加蓮「いや、これは……」

武内P「!? いけません! すぐ、ソファーに横に!」

凛「プロデューサー! 膝枕して!」

加蓮「それはいらない! って……ああ、大声出したら……」

武内P「どうぞ、北条さん!」

加蓮「……はい、失礼します」

奈緒「大丈夫か、加蓮……」

加蓮「……悔しいけど、案外悪くない」

242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 22:58:45.72 ID:oWHtUYR3o
凛「……プロデューサー、お願いがあるんだけど」

武内P「はい、何でしょうか」

奈緒「加蓮にも、さっきあたし達みたいにした風に!」

加蓮「……やめて……! 本当にやめて……!」

武内P「ですが……」

凛「逃げないでよ! アンタ、プロデューサーでしょ!?」

武内P「!」

奈緒「お願いします!」

武内P「……わかりました。お二人が、そう仰るのでしたら」

加蓮「……いや……! やめ――」

武内P「プロデュゥゥゥス!」

シャランラ~

243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 23:06:17.43 ID:oWHtUYR3o
  ・  ・  ・

専務「先日の収録の付き添い、ご苦労だった」

武内P「いえ、当然のことをしたまでです」

専務「結果的には、成功だったと言えるでしょう」

武内P「何か、ご不満が?」

専務「神谷奈緒くんが、報酬はスイス銀行に振り込むよう言ってきました」

武内P「良い、狙撃です」

専務「北条加蓮くんが、報酬は全てプロテインでと言ってきました」

武内P「良い、筋肉です」

専務「彼女達の個性を伸ばし、欠点を補った、と言う事ですね」

武内P「はい。皆さん、とても良い笑顔でした」

専務「……」

専務「優秀過ぎるのも考えものだな」

おわり

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 23:23:05.26 ID:oWHtUYR3o
346プロのTさんか、やってみます
248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/10(水) 23:42:08.09 ID:oWHtUYR3o
 私には、悩みがあります。
 結婚をしていた事も無いのに、未亡人の様に扱われるのです。
 プロデューサーさんには、「儚げな色気がある」と言われます。
 けれど、初めて出会った大切だと思える人にそう思われるのは、とても、複雑です。

「あっ、あそこに居るの、アイドルの三船美優さんじゃない?」
「ホントだ。まるで、ここまで未亡人の儚げな色気が漂ってくるみたいだ」

 街を歩くと、いつもこう言われてしまいます。
 褒められているのはわかっているし、悪気は無いともわかるんです。
 ……それでも、未亡人扱いされるのは、悲しいです。
 だって、私の大切な人は、今も生きて、私に笑いかけてくれているのに……!

「笑顔です!!」

 唇を噛み締め俯いていた私は、突然かけられた低い男性の声にハッと顔をあげました。
 この方は、確かシンデレラプロジェクトの、プロデューサーの……。
 それに、今の言葉は、一体?

「貴女の大切な方に……そして、ファンの方達に向けるのは、その表情で良いのでしょうか?」

 私は、ハッとなりました。
 確かに、私は未亡人の色気があるとも言われますが、あの人にいつも褒められるのは、笑顔。
 あの人と一緒に居ると自然に出る、笑顔を褒められていたと、思い出しました。
 そんな大切な事を思い出させてくれた男性は、警察の方から職務質問を受けています。
 私はまず、その男性に向けて、思い出させてくれた笑顔を向けました。

「良い、未亡人の様な笑顔です」

 やっぱりプロデューサーって凄い、私は改めてそう思いました。

249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 00:01:46.19 ID:TYMGDyEUo
「はぁ……」

 いつになったら、スプーン曲げ以外の超能力が身につくんだろう。
 サイキックアイドルとして売り出しているのに、このままじゃ駄目だ。
 今の状態が続けば、エスパーユッコじゃなく、スプーンユッコと呼ばれてしまう。

「ムムム……!」

 離れた所にあるスプーンに向けてサイキックを飛ばしてみる。
 だけど、何度練習してもスプーンが浮き上がる事はない。
 今度こそは、今度こそはと思っているのに。

「これが成功しなかったら……」

 もう、サイキックアイドルは卒業しよう。
 これからは、スプーン曲げアイドルとしてやっていこう。
 そう思い、サイキックを飛ばした瞬間、ドアが物凄い勢いで開き、大柄な男性が!
 あの人は、シンデレラプロジェクトの、プロデューサーさん!

「笑顔です!!」

 プロデューサーさんはそう叫ぶと、スプーンを手に取り、真っ二つに引きちぎりました。

「堀さん。私は、貴女のサイキックアイドルとしての輝きは素晴らしいと、そう考えます」

 私の目の前に、コトリ、コトリと二つに分かれたスプーンが置かれました。
 これは……私の超能力が、この超筋力を呼び寄せたという事ですね!?

「良い、さいきっく笑顔です」

 やっぱりプロデューサーは凄い、サイキックそう思いました。

255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 13:49:11.33 ID:TYMGDyEUo
「渋谷さん、お疲れ様でした」

 LIVEが終わってステージ裏に戻ると、真っ先にプロデューサーが声をかけてきた。
 まだ会場は興奮冷めやらぬようで、ざわめきがこちらまで届いてくる。

「どうだった?」

 こうやってプロデューサーに感想を聞くのは、いつものこと。
 だけど、この人はいつも決まってこう言う。

「はい。とても素晴らしい、良いLIVEでした」
「……ん」

 今回のLIVEは、私だけのソロLIVE。
 少し緊張したけど、プロデューサーが見ていてくれたから、不安は無かった。
 だって、私が見ていてって言ったのに、かっこ悪い所は見せられないし、ね。

「きゃあああああっ!?」
「うわあああああっ!? なんだ、このバケモノは!?」

 そんな私達の耳に、明らかに、普通とは思えない叫び声が飛び込んできた。
 何か、あったのかな?
 それに、バケモノって……一体、何のこと?

「――渋谷さん。すぐに、避難を」

 プロデューサーは、真っすぐにステージに向かいながら、背中越しに言った。
 その歩みには一切の淀みが無く、まるで、何かを察しているかのよう。

「避難って……アンタ、どこへ行く気!?」

 避難するなら、そっちじゃないでしょ!?

「私は……プロデューサーですから」

 何それ……全然答えになってない!

256: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 14:03:35.16 ID:TYMGDyEUo
「意味がわからない! プロデューサーだから、何なの!?」

 必死でプロデューサーに追いすがり、スーツの上着を掴んだ。
 すると、プロデューサーはこちらを見ることなく、首筋に手をやり、言った。

「今回のLIVEは、とても素晴らしいものでした」

 そんなの、関係無い。
 だって、わからないけど……会場では、絶対に変なことが起きてる。
 それなのに、アンタがそこに向かう理由は何なの?

「ちゃんと説明して!」
「その、素晴らしいLIVEを最後まで見届けるのが、私の役目です」

 プロデューサーは、ゆるんだ私の手を振りほどき、また歩みを進めた。

「助けて! 誰か、誰かあああああ!」
「うわあああああ! 来るなっ、来るなあああああっ!」

 待って。
 待って、待って、待って、待って!

「……渋谷さんは、避難を早く」

 低い、いつもの声がより一層低くなった。

「……逃げないでよ!」

 逃げようよ、一緒に!
 アンタ、私のプロデューサーでしょ!?

「逃げるのでは、ありません」

 プロデューサーは、上着のボタンをプチリプチリと外し、上着を翻した。

「戦うのが、プロデューサーの務めです」

 その腰元では、大きな銀色のベルトが、輝きを放っていた。

257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 14:18:21.87 ID:TYMGDyEUo
  ・  ・  ・

「助けて……! 誰か……誰か……」
「うああ……力が……力が入らない……」

 LIVE会場は、ひどい有様だった。
 会場の一角を中心に張り巡らされた、白い巨大な糸。
 それに捕らえられた人達は身動きすら出来ず、助けを求め続けている。

「――アナタが、これを?」

 プロデューサーが、白い巨大な糸の中心に立つ影に問いかけた。
 その影は人の形をしているが、シルエットが似ているというだけで、明らかに違う。

「SYAAAAAAAAAA!!」

 影――クモの異形の怪人は、此処は自分の巣だと言うように、咆哮した。
 耳をつんざくようなその咆哮は、ビリビリと会場を震わせる。
 それを聞いた、捕まった人達の上げた悲鳴が、絶望をより加速させていく。

「申し訳、ありません。今すぐに、お引き取り願います」

 しかし、プロデューサーはそれを何一つ意に介さず、平坦な口調で言い放った。
 クモの怪人は、ひるまなかったその様子が気に食わなかったのか、
シュルシュル、獲物を前に舌なめずりするかの様な音を上げた。

「聞き入れては、貰えませんか?」

 プロデューサーの、再度の問いかけ。

「SYAAAAAAAAAA!!」

 クモの怪人は、それに咆哮で応えた。

「……」

 プロデューサーは、右手を首筋にやると、少し困ったような顔をした。

「――それでは、少し強引な手段をとらせていただきます」

258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 14:36:36.47 ID:TYMGDyEUo
 強引な手段?
 こんな、異形のバケモノを相手に、一体何が出来るというのか。
 悪夢の宴を終わらせられるような何かが、彼に出来るというのか。

「……」

 プロデューサーは、右のポケットからスマートフォンを取り出した。
 そして、ホームボタンを素早く三回押し、画面を起動。
 流れるように、暗証番号を画面を見ずに打ち込んでいく。

 ――3――4――6!

『LIVE――』

 スマートフォンから、どこかで聞いたことのある女性の声が聞こえた。
 プロデューサーは、スマートフォンを銀色のベルトにかざし、

「変身ッ!」

 言った。

『――START!』

 彼の体を光が包み込んでいく。
 光の粒子はやがて形を成していき、プロデューサーに鎧を纏わせた。

 鎧は黒を基調としたもので、所々白い箇所もあり、まるでスーツのよう。
 すっぽりと全身を覆うその鎧の胸元では、
ピンクと、ブルーと、イエローの宝石のような物が輝きを放っている。
 プロデューサーが今、どんな顔をしているのかは、
目付きの悪いぴにゃこら太のようなフルフェイスに覆われ、見ることは出来ない。

「……」

 だけど、きっと、いつもの無表情に違いない。

260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 14:54:30.90 ID:TYMGDyEUo
「SYAAAAAAAAAA!!」

 明らかに、クモの怪人の空気が変わった。
 圧倒的捕食者の立場だと思っていたが、目の前の男は違う。
 この男は、ただ逃げ惑い、食われるだけのウサミン星人では、無い。

「SYAAAA!!」

 クモの怪人は、人間では……いや、生物ではあり得ない跳躍を見せた。
 数メートル程高く跳び上がったクモの怪人は、
放物線の軌道を描き、プロデューサーへ向けて異形の右腕を振り下ろそうとした。
 が、

「善処します!」

 プロデューサーは腰を落とし、真正面からそれを拳で迎撃。
 ぶつかり合う右腕と右腕。
 しかし、両者にもたらされたのは、あまりにも違いすぎる結果。

「GYAAAAAAA!?」

 クモの怪人の右腕は有り得ない方向に折れ曲がり、

「……」

 一方、プロデューサーの纏う鎧には傷一つなく、拳を放った体勢から微動だにしていない。

「GURYUUUUU……!」

 クモの怪人は、折れた自分の右腕に糸を巻きつけ、固定。
 しかし、先程までの勢いは完全に削がれていて、ジリジリとその足を後退させている。

261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 15:12:37.71 ID:TYMGDyEUo
「……勝てる」

 プロデューサーなら、あのクモの怪人に勝てる。
 そう思った瞬間、私の口から思わず言葉が漏れた。

「!?」
「!」

 私の声に、反応が二つ。
 一方は、鎧を纏ったプロデューサー。
 そしてもう一方は、

「SYAAAAAAAAAAA!!」

 クモの怪人だった。

「っ!?」

 クモの怪人の8つの目全てが、私を捉える。
 本能的な恐怖から足がすくみ、逃げようと思っても足に力が入らない。
 それでも逃げなければと思い足を動かそうとしてみたものの、その場で尻もちをついてしまう。

「SYAAAAAAAAAAA!!」

 クモの怪人は、咆哮と共に口から液体を私に飛ばしてきた。
 あれは、消化液だ。
 吐き出した時に散った飛沫が落ちた床が、ジュウジュウと音を立てて溶け出している。
 それをスローモーションの様に確認出来るのは、私に消化液が――死が迫っているからか。

「――っ!」

 理由が何にせよ、私は、あれを体に浴びて、終わる。
 万に一つ命が助かったとしても、アイドルを続けるのは絶望的だろう。
 ……ごめんね、皆。
 私、アイドル続けられなくなっちゃうよ。

「――ぐおおおおおっ!?」

 だけど、そんな私を守る、一つの影があった。

262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 15:26:35.78 ID:TYMGDyEUo
「――渋谷さん、お怪我はありませんか?」

 なんで。

「アンタ……私をかばって……?」

 なんで。

「見たところ、異常は無いようです。ですが、この後、医務室に――」
「私じゃなくて! 今、大変なのはアンタでしょ!?」
「……」

 プロデューサーの背中から、ジュウジュウと何かが溶ける音が聞こえてくる。
 この人は、私をあの消化液からかばって、こうなった。
 それなのに、いつもみたいに右手を首筋にやって、私を見て困っている。

「……渋谷さん」

 そして、

「笑顔です」

 いつもの台詞を口にする。

「笑顔って……そんなの、出来っこない!」

 自分を庇って傷ついた人に向けて笑顔なんて、出来ない!
 この状況で笑ってられるのが、アイドルだって言うの!?

「……私は、貴女の笑顔を見続けて行こうと思っています」

 プロデューサーは、立ち上がり、私に背を向けた。

「今までも――」

 振り返らず、

「――そして、これからも」

 前を向いて。

263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 15:45:18.66 ID:TYMGDyEUo
「ふっ――!」

 プロデューサーが、クモの怪人に向かって駆け出す。
 背中からあがる煙を置き去りにするかの様な速度に、クモの怪人は反応出来ない。

「――企画!」
「GYAAAAAA!?」

『Cute!!』

 ピンク色の光を纏ったプロデューサーの拳が、クモの怪人の腹部に突き刺さった。
 よろめくクモの怪人の頭部に、

「――検討中です!」
「GYUUUUUU!?」

『Passion!!』

 今度は、イエローの光を纏った拳が突き刺さる。

「GUUU……OOOOOOOOOO!!!」

 クモの怪人はひるみながらも、両手を振り上げ、プロデューサーに襲いかかった。
 その攻撃は、正に命を賭したもの。

「……」

『CoooooooooooL!!!』

 ブルーの光を纏った、プロデューサーの右足。
 その右足が高く振り上げられ、クモの怪人に叩き込まれた。

「せめて!」

 断末魔の叫びを上げながら、クモの怪人は光の粒子となって消えていく。

「……名刺だけでも」

『LIVE SUCCESS!!』

265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 16:12:07.54 ID:TYMGDyEUo
  ・  ・  ・

「……なんかさ、最近しぶりん」
「?」

 プロジェクトルームでゆっくりしていたら、未央にしては珍しく歯切れ悪く切り出してきた。
 視線を向けてみるものの、続く言葉が来ない。
 もう、一体何? 途中でやめられると、気になるんだけど。

「凛ちゃん……その、ですね」
「卯月までどうしたの」

 二人共、なんでそんなに言いにくそうにしてるの。
 もしかして、気付かない内に何か二人にしてた?

「ぷっ、プロデューサーと……!」
「……みょ、妙に仲が良くないですか!?」

 二人の予想外の言葉に、驚く。
 冗談やお巫山戯でない、二人の真剣な様子がおかしくて、クスリと笑いが溢れる。

「そう?」
「そうだよ! 何か、この前のソロLIVEの後から何か違うもん!」
「はい! 明らかに、こう、距離が近くなったように見えます!」
「そうかな。自分では、よくわからないけど」

 距離が近くなった、とは少し違うかもしれない。
 私は、二人の知らない、プロデューサーの秘密を知っているだけだ。
 もしかしたら、この二人もいつかはそれを知る事になるのかもしれない。
 だけど、口止めされてるし、変に怖がらせる必要は無いよね。

「白状しなさい、しぶりんや! ソロLIVEの時、何があったのか!」
「教えてください、凛ちゃん! まっま、ま、まさか……!?」

 ごめんね、未央、卯月。
 今は、まだ――

「内緒」

おわり

269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 20:15:43.44 ID:TYMGDyEUo
「「「私達、ピンクチェックスクールを――」」」

 大勢の記者さんに向けて、三人でせーのと掛け声を合わせ、

「「「よろしくお願いしますっ♪」」」

 精一杯の笑顔で、挨拶しました。
 練習通り、いえ、練習以上にうまくいったので、とっても嬉しいです。
 降り注ぐフラッシュとシャッター音の中、私は美穂ちゃん、響子ちゃんに笑いかけました。

「「「……エヘヘ」」」

 二人共同じ様に感じていたのか、自然と三人で笑い合う形に。
 私は今、階段を駆け上がっている最中です。
 皆と……そして、この二人とも一緒に。

「……」

 そして、私をアイドルにしてくれた、プロデューサーさんと一緒に。
 そう思うと、会場の隅で控えているプロデューサーさんに自然と目が行きます。
 いつも通りの黒いスーツに、無表情。
 背が高いから、探さなくてもすぐにわかりました。
 プロデューサーさん、私、今、とっても楽しいで――

「うわあああああっ!?」
「なんだ!? コウモリが急に……あっ、あああああっ!?」

 ――会場に響く、大きな悲鳴。
 明らかに普通ではないその様子に、私達は顔を強張らせました。

270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 20:30:43.05 ID:TYMGDyEUo
 記者さん達の居る所から、キーキーという鳴き声が聞こえてきます。
 その鳴き声はどんどん増え、一瞬の静寂の後……ブワリと、コウモリが飛び立ちました。
 会場中を埋め尽くす程の大量のコウモリの群れに、沢山の悲鳴。
 全員、パニックに陥っていました。

「なっ、ななな、何あれ……!?」

 当然、私達も平気ではいられませんでした。
 何か、とんでもない事が起こっているのはわかります。
 だけど、どうしたら良いか、わかりません。
 美穂ちゃんも響子ちゃんも、ガタガタと体を震わせています。

「――皆さん、すぐに避難を」

 だけど、私は怖くありませんでした。

「プロデューサーさんっ!」

 だって、こちらに向かってくる、プロデューサーさんが見えていたから。
 私はプロデューサーさんの元に駆け寄り、聞きました。

「あ、あのっ! 何か、出来ることはありませんか!?」

 私の口を突いて出たのは、そんな言葉でした。
 こんな状況で、私達に出来る事なんて無いのはわかってます。
 だけど、記者さん達は、私達のために集まってくれたんです。
 だから、せめて、何か……!

「……」

 プロデューサーさんは、困ったように笑いながら、右手を首筋にやりました。
 呆れてます、よね。
 でも、だけど、私は……プロデューサーさんが選んでくれた、アイドルだから――!

「笑顔です」

 プロデューサーさんは、上着のボタンをプチリプチリと外し、上着を翻し言いました。
 その腰元では、大きな銀色のベルトが、輝きを放っています。

271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 20:44:11.85 ID:TYMGDyEUo
  ・  ・  ・

「あ……うあ……!」
「……誰か……助け……」

 コウモリに襲われた記者さん達が倒れています。
 よく見ると、その体にはコウモリに噛まれた痕があり、とても痛そうです。
 その中心に、一つだけ立つ、大きな影。

「――申し訳ありません。今は、会見の最中です」

 プロデューサーさんの靴音が、カツリカツリと聞こえます。
 他にも音がするのに、何故か、プロデューサーさんの声がハッキリと聞こえるんです。

「KYUUUUUUUAAAA!!」

 大きな影――コウモリのような姿をした怪人が、その両手を大きく広げました。
 そうしただけなのに、腕と体を繋ぐような形の翼が、その怪人の姿をとても大きく見せます。
 プロデューサーさんも大柄だけど、それよりももっと大きく。
 実際、コウモリの怪人はプロデューサーさんよりも大きいから、余計に大きく感じます。

「今すぐに、お引き取りを」

 表情を変えず、プロデューサーさんが言い放ちました。
 私は、その背中をただ遠くから見ているだけ。
 ただそれだけなのに、その背中が、とても頼もしく見えました。

「KYUUUUUOOOO!!」

 コウモリの怪人が、そんなプロデューサーさんを威嚇するように吠えました。

「……」

 話の通じる相手ではないと、プロデューサーさんもわかっていたようです。
 それでも声をかけたのは、何か理由があったのかもしれません。
 プロデューサーさんは、右手を首筋にやり、少し困った顔をしていました。

「――それでは、少し強引な手段をとらせていただきます」

272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 20:50:51.32 ID:TYMGDyEUo
「……」

 プロデューサーさんは、右のポケットからスマートフォンを取り出しました。
 そして、ホームボタンを素早く三回押し、画面を起動。
 流れるように、暗証番号を画面を見ずに打ち込んでいきます。

 ――3――4――6!

『LIVE――』

 スマートフォンから、どこかで聞いたことのある女性の声が聞こえました。
 こういうの、ええと、複合音声って言うんでしたっけ。
 プロデューサーさんは、スマートフォンを銀色のベルトにかざし、

「変身ッ!」

 言いました。

『――START!』

 その体を光が包み込んでいきます。
 光の粒子はやがて形を成していき、プロデューサーさんに鎧を纏わせました。

 鎧は黒を基調としたもので、所々白い箇所もあって、まるでいつものスーツ姿のようです。
 すっぽりと全身を覆うその鎧の胸元では、
ピンクと、ブルーと、イエローの宝石のような物が輝きを放っています。
 プロデューサーさんが今、どんな顔をしているのかは、
目付きの悪いぴにゃこら太のようなフルフェイスに覆われ、見ることは出来ません。

「……」

 だけど、きっと、いつもの無表情に違いありません。

273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 21:01:15.29 ID:TYMGDyEUo
「KYUUUUUUOOOOOO!!」

 コウモリの怪人が、変身したプロデューサーさんを威嚇しています。
 だけど、プロデューサーさんはそれを気にせず、カツカツと歩みを進めます。

「KYUUUU!!」

 コウモリの怪人の叫び声に命令されたかのように、
大量のコウモリが一斉にプロデューサーさんに襲いかかりました。
 危ない! と、そう思った次の瞬間、

「善処します!」

 プロデューサーさんは体を翻し、
襲い来るコウモリ達をチョップで全て叩き落としました。
 叩き落とされたコウモリ達は、
地面に落ちると同時に、光の粒子となって消えてしまいました。

「KYUUUOOOO……!」

 コウモリの怪人がそれに驚いたのが、私にもわかりました。

「……」

 プロデューサーさんは、また、カツカツとコウモリ怪人へ向かって歩みを進めます。

「KYUAAAAAAA……!」

 まるで、来るなと言うようなコウモリ怪人の鳴き声。
 けれど、それを聞いてもプロデューサーさんの歩みは止まりません。

 

274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 21:13:39.82 ID:TYMGDyEUo
「……凄い……あれ、あれ、あのまま倒せちゃいそう!」
「シンデレラプロジェクトの、プロデューサーさん……凄いです!」

 美穂ちゃんも響子ちゃんも、目を輝かせています。
 勿論、私もプロデューサーさんから目が離せません。

「KYUUUUUUOOOOOO!!」

 だけど、そんな私達にコウモリ怪人が目を付けたようです。
 今までよりもひときわ大きな声で鳴くと、
コウモリの大群が、一斉にこちらに向かってきます。

「「ひっ!?」」

 それを見て、二人共悲鳴を上げました。
 だけど、私は表情を変えません。
 だって、プロデューサーさんは私に言ったんです。

 ――私に出来るのは笑顔だ、って。

「――皆さん、お怪我はありませんか?」

 いつの間にか私達の前に立ちふさがった、大きな背中。
 その背中越しに聞こえるのは、いつもより優しい口調の声。

「はいっ♪」

 島村卯月、笑顔で頑張りました!
 この笑顔……背中越しでも、届いてますか?

275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 21:25:14.06 ID:TYMGDyEUo
「プロデューサーさんが、守ってくれるって信じてました」

 プロデューサーさんの足元から、キラキラと光の粒子が舞い上がっています。
 こんな状況でちょっと不謹慎かも知れません。
 だけど、それがとっても綺麗で、私はドキドキしちゃいました。

「……」

 右手を首筋にやると、プロデューサーさんはコウモリ怪人に向かって駆け出しました。
 それがなんだか照れて逃げ出す子供みたいに見えたのは、気のせいでしょうか。

「KYUUUOOOOOO!!」

 コウモリの怪人が叫びながら、その手をプロデューサーさんに叩きつけます。
 だけど、鎧には傷一つつく事なく、二つの影の距離はゼロになり、重なりました。

「アイドルには手を触れないでください!」

 プロデューサーさんが叫びました。
 その声は、今まで聞いたことのない、怒った声です。

「――企画!」
「KYUUUUOOO!?」

『Cute!!』

 ピンク色の光を纏ったプロデューサーさんのパンチが、コウモリ怪人のお腹に突き刺さります。

「――検討中です!」
「KYUUUAAAA!?」

『Cute!!』

 そして、続けざまに、またピンク色の光が軌跡を描き、同じ箇所に叩き込まれます。

277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 21:44:46.23 ID:TYMGDyEUo
「KYUUUOOOOO……!」

 コウモリの怪人は、その体を大きくよろけさせました。
 そして、プロデューサーさんからは見えないように、でしょうか。
 背中から、小さなコウモリが飛び立ちました。

「……」

『Cuuuuuuuuuute!!!』

 今までよりも、一際大きなピンクの光を纏った、プロデューサーさんの右手。

『Groove!!!』

 その右手が真っ直ぐに突き出され、コウモリ怪人のお腹にパンチ。

「せめて!」

 コウモリ怪人は何一つ言葉を発する事無く、光の粒子になって消えていきます。

「……名刺だけでも」

『LIVE SUCCESS!!』

278: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 21:57:15.33 ID:TYMGDyEUo
  ・  ・  ・

「おかしい!」

 未央ちゃんが、テーブルをダンッと叩き叫びました。
 それにビックリして変な声が出ちゃいました……うぅ、恥ずかしいです。

「どうしたの未央、急に大声出して」
「ごっ、ごめん」
「気をつけてよね」
「うん、気をつける……じゃなくって!」

 凛ちゃんが注意してくれましたけど、未央ちゃんの興奮は収まりません。
 一体、何が原因なんでしょう?

「しぶりんがプロデューサーに最近お熱だったじゃん?」
「何言ってるの。そんなんじゃないから」
「それに続いて、しまむーまで!」
「わ、わわっ、そんなんじゃないですよー!?」

 私がプロデューサーさんにお熱だなんて……はうぅ、顔が熱くなっちゃいました。
 確かに、あの事があってからプロデューサーさんとはよく話しますけど、
お、お熱とかそういうんじゃなくて……その、あ、あははは。

「そこまではまだ良いよ!? でも、なんで、みほちーやきょーちゃんまで!?」

 あの一件以来、美穂ちゃんと響子ちゃんもプロジェクトルームに顔を出すようになりました。
 私は二人とお話する機会が増えて嬉しいし、良い事だと思うんです。
 ……なんだか、ちょっとモヤモヤしますけど。

「ねえ、二人共、私に何か隠してない!?」
「あー……あははは」

 ごめん、未央ちゃん!
 あの時の事は誰にも言っちゃいけないって、口止めされてるんです!
 だから――

「この前も言ったでしょ、未央」
「――内緒です♪」

おわり

281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/11(木) 23:49:22.12 ID:TYMGDyEUo
「ねえ、私に隠し事してるでしょ!?」

 喫茶店の奥、私はプロデューサーに詰め寄った。
 思いの外大声が出てしまい、慌てて回りのお客さん達に頭を下げる。

「……」

 目の前に座るプロデューサーは、右手を首筋にやって困り果てている。
 だけど、この困り方は説明に困っている訳ではない。
 どうやって誤魔化せば良いのかと思案する困り方だ。

「……しまむーも、しぶりんも何か知ってるみたいだし」

 私だけ、仲間はずれにされている。
 あの二人の事だし、このプロデューサーだ。
 話せない事情があるのはなんとなくわかるし、それが悪意の無いものだともわかる。
 ……でも、やっぱり寂しいじゃん。

「本田さん……申し訳、ありません」

 プロデューサーの答えは、私の望むものではなかった。
 思わず俯いてしまったが、顔を上げた時、どんな表情をすればいいのだろう。
 わかんない……全然、わかんないよ。

「きゃああああああっ!?」
「なんだこのバケモノは!? やめ、くっ、くるなあああ!!」

 外から聞こえる、大きな悲鳴。
 それにハッとなって顔を上げた時、プロデューサーはいつになく険しい表情をしていた。

282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 00:01:46.82 ID:kXQoLy7No
 悲鳴は、どんどんこの喫茶店に近づいてくる。
 何かが、ここへ向かってきている?
 私達以外の人もそれに気づいたのか、一目散に喫茶店から逃げ出していった。
 そして、中に居るのは私と、プロデューサーだけ。

「ねえ……何が、起こってるの……!?」

 プロデューサーに聞いても、わからないかもしれない。
 だけど、私には妙な確信があった。
 プロデューサーだったら、私の疑問に答えてくれるんじゃないか、って。
 自分でも変だと思うけどさ、そう、思ったんだよね。

「――本田さん。少し、隠れていてください」

 険しい表情から一転、穏やかな表情。

「プロデューサー……?」

 隠れてろって、プロデューサーはどうするの?
 ねえ、ちょっ、ちょっと待って、どこに行く気!?

「隠し事……というつもりは、ありませんでした」

 プロデューサーは、上着のボタンをプチリプチリと外し、上着を翻した。

「申し訳ありません。貴女に、寂しい思いをさせてしまっていたと、気付かず」

 その腰元では、大きな銀色のベルトが、輝きを放っていた。

283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 00:08:49.09 ID:kXQoLy7No
「……しかし、可能な限り、知られたくはありませんでした」

 プロデューサーは、右のポケットからスマートフォンを取り出した。
 そして、ホームボタンを素早く三回押し、画面を起動。
 流れるように、暗証番号を画面を見ずに打ち込んでいく。

 ――3――4――6!

『LIVE――』

 スマートフォンから、どこかで聞いたことのある女性の声が聞こえた。
 あの二人分の声、なんだか、どこかで聞いたことある気が……。
 プロデューサーは、スマートフォンを銀色のベルトにかざし、

「変身ッ!」

 言った。

『――START!』

 プロデューサーの体を光が包み込んでいく。
 光の粒子はやがて形を成していき、プロデューサーに鎧を纏わせた。

 鎧は黒を基調としたもので、所々白い箇所もあり、まるでスーツのよう。
 すっぽりと全身を覆うその鎧の胸元では、
ピンクと、ブルーと、イエローの宝石のような物が輝きを放っている。
 プロデューサーが今、どんな顔をしているのかは、
目付きの悪いぴにゃこら太のようなフルフェイスに覆われ、見ることは出来ない。

「……」

 だけど、私には、フルフェイスの向こうでプロデューサーが悲しげに微笑んでいる気がした。

284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 00:25:07.59 ID:kXQoLy7No
  ・  ・  ・

「助けて……痛い……痛いよぉ……!」
「母さん……母さん……!」

 喫茶店の外は、惨憺たる光景が広がっていた。
 背中や腕から血を流す人たちが地面に倒れ伏し、苦痛に喘いでいる。
 倒れ伏す母親に泣き縋る、小さな子供も居る。

「――これは、アナタがやった事ですね」

 プロデューサーが、その光景を作り出した張本人と思わしき人影に言い放った。
 確信を持って言えるのは、その人影の頭部と手から、赤い血が滴っていたから。

「GRRRRRRRRR!!」

 その人影の頭部は肉食獣――ヒョウのような怪人で、獰猛な唸り声を上げている。
 それに対するプロデューサーに一切の動揺は無く、あるのはただ、

「……」

 黒い鎧越しにもビリビリと伝わってくる、怒りのみ。
 直接顔を見ている訳ではないのに、
初めて触れるプロデューサーの怒りに、私は、ほんの少し恐怖した。

「私は、誰かを憎いと思った事はありません」

 プロデューサーの声が、低く、低くなった。

「――ですが、アナタと共に歩む事は、不可能なようです」

 それは、問答無用の、敵対宣言。
 プロデューサーが、ヒョウの怪人に向けて、駆け出した。

285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 00:38:26.00 ID:kXQoLy7No
「ふっ――!」

 鎧を纏っているとは思えない程の、高速の踏み込み。
 けれど、ヒョウの怪人はそれに反応し、大きく後ろに跳躍した。

「GURRRRRRRR……!」

 ヒョウの怪人は警戒してか、プロデューサーの周囲を回るように足を動かしている。
 それはまるで、本物の猛獣が獲物に飛びかかる前の動作。
 いまのやりとりを見た限りでは、ヒョウの怪人の方が動きが速い。

 ――プロデューサー、逃げて!

 そう、心の中で思う。
 だけど、肝心の言葉が口から出てこない。
 私は怖い。
 ヒョウの怪人だけじゃなく、それに立ち向かっている、プロデューサーも。

「GURRRRRRR……!」

 ヒョウの怪人の唸り声が、どんどん大きくなる。
 その声でもって、相手を威嚇し、萎縮させようとしているのだろう。
 現に、その声を向けられたわけではないのに、私の足は震えが止まらない。
 だけど、プロデューサーは違った。

「歌は、得意のようですが――」

 ポツリと、ヒョウ怪人に向けて、

「――ダンスの方は、苦手なのでしょうか?」

 かかって来ないのかと、そう言わんばかりの挑発をした。

「GRUUUUUUUOOOOOOOO!!」

 それを聞いたヒョウ怪人は、大きく咆哮した。

286: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 00:53:25.19 ID:kXQoLy7No
「GRRRRRROOOO!!」

 ヒョウの怪人が、高速でプロデューサーの周囲を円を描くように高速で移動する。
 そして、プロデューサーの視線が外れた一瞬を狙い、

「GRRRRRRR!!」

 飛び出し、その両手の大きな爪でプロデューサーに斬りかかる。

「ぐおっ!?」

 爪で切りつけられた場所からは火花が飛び散り、苦痛の声があがる。
 幾度となく繰り返されるその攻撃に、段々とプロデューサーの鎧にヒビが入っていく。

 このままじゃ、プロデューサーが殺されちゃう!
 なんで逃げないの!?
 そんなの投げ出して、早くそこから逃げてよ、プロデューサー!

「GUUUURRRRRROOOOOOO!!」

 ヒョウの怪人が、トドメと言わんばかりに、
大きく腕を振り上げプロデューサーに斬りかかった。
 あんなのを受けたら、ひとたまりもない。

「プロデューサー!!」

 私は、思わず声を上げた。

「――本田さん」

 ……しかし、ヒョウ怪人のツメはプロデューサーの体を捉える事は無く、
ガシリと、イエローに輝くプロデューサーの左腕によって拘束されていた。

「笑顔です」

 いつもの、プロデューサーの台詞。
 それを聞いて、私は頬を伝う涙に初めて気づいた。

287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 01:04:13.11 ID:kXQoLy7No
「――おおおっ!」

 プロデューサーが、ヒョウ怪人を左腕で捕らえたまま叫び声を上げた。
 いかに素早く動けるとは言え、こうなってしまっては、為す術がない。

「――企画!」
「GYAAAAAA!?」

『Cute!!』

 ピンクの光を纏ったプロデューサーの右拳が、ヒョウ怪人の腹部に突き刺さった。
 くの字に折れ曲がるヒョウ怪人の体が、

「――検討中です!」
「GYAAAAAAAAA――!?」

『CooL!!』

 ブルーの光を纏った右足によって、天高く蹴り上げられた。

「AAAAAAAAOOOOOOOO!!?」

 暴れるものの、ヒョウ怪人の手足は空を切るだけ。
 その上昇が頂点に達しようとした時、

「……」

『Passioooooooon!!』

 イエローの光を纏った、プロデューサーの左手。
 その手は親指と人差し指を立て、銃を模したような形をしていた。

「せめて!」

 プロデューサーの左手から、流星の様にイエローの光が放たれた。
 それに撃ち抜かれたヒョウ怪人の体は光の粒子となり、地上に降り注いだ。

「……名刺だけでも」

『LIVE SUCCESS!!』

288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 01:20:19.82 ID:kXQoLy7No
  ・  ・  ・

「ちょっと未央」
「未央ちゃん、説明してください」

 しぶりんとしまむーが、二人して詰め寄ってくる。
 いやー、この前は逆の立場だったのに、不思議なもんだねー!

「説明って、何の?」
「とぼけないで」
「プロデューサーさんに、お弁当作ってきたんですよね!?」
「うんうん。我ながら、だし巻き卵が絶品だったと思うんだよね!」

 あの後、プロデューサーからこれまでの事を全部聞いた。
 そしたらさ、何ていうか、頑張ってるプロデューサーに何かしてあげたいな、って。
 最初は断られたんだけど、そこは未央ちゃんって事ですよ!

「「……!」」

 私の答えを聞いて、二人は言葉を失ったようだ。
 はっはっは、キミ達! 行動に移したもん勝ちだよー?

「明日は、私が作ってくるから」
「凛ちゃん、ずるいです! じゃ、じゃあ私は明後日!」
「それじゃあ、私はまた卯月の次の日ね」
「ちょいちょーい!? そこは私じゃないの!?」

 私は、今でもプロデューサーがちょっと怖い。
 あんな怪物に立ち向かうのなんて、誰にでも出来る事じゃない。
 理由を聞いてみたんだけど、プロデューサーだから、とした答えてくれなかったんだよね。

「もー! 二人共、順番決めるよ!」

 だから、これからプロデューサーの事をもっと知っていこうと思う。
 それが、私の出した結論だ。
 そして、もし怖くなくなった時、その時は……あれ?
 そしたら、そうなったら……

「未央ちゃん、なんだか顔が赤いですよ?」

 何でもない! と、思わず大きな声が出た。

おわり

289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 01:23:38.67 ID:kXQoLy7No
趣味全開、最高ですね!
おやすみなさい
290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 09:06:14.16 ID:HUI6281fo
かっこいい
ファイズ思い出した懐かしい
291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 16:27:13.43 ID:esHi0d30O
数字入力して変身するのはファイズっぽいよね
292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 22:31:51.88 ID:kXQoLy7No
555良いすな、書きます
293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 22:42:44.35 ID:kXQoLy7No
「私を置いて……早く逃げてください……!」

 私達は、森の中を逃げている。
 道は無く、ガサリガサリと生い茂る葉が肌に刺さる。
 だけど、止まる訳にはいかない。

「いいえ……! それは出来ません……!」

 こんな風になるとは思って無かったけど、スニーカーを履いてて良かったわ。
 それに、スカートじゃなくてパンツスタイルなのも。
 ふふっ、不幸中の幸いっていうのは、こう言う事よね。

「高垣さんだけでも、早く……!」

 苦痛に喘ぐ声が、すぐ側から聞こえる。
 それは当たり前よね、だって、私がこの人を支えながら歩いてるんですもの。
 だけど、まだ歩ける程の怪我で良かった。
 そうでなかったら、私の細い手足じゃこの人を引きずるなんて出来ないし。

「しつこいですよ……! 見つからないよう、しーっ、ついてこい……!」

 本当、弱音を吐くだなんてらしくないじゃないですか。
 おかげで、私の駄洒落もちょっとイマイチな出来になっちゃいますよ。
 ……って、そんな状況じゃないのは、わかってるんです。

「SYAAAAAAAAAAA!!」
「GRRRRROOOOOOO!!」
「KYUUUUOOOOOOO!!」

 遠くから、とっても大きな鳴き声が、3つ。
 さっきよりも、どんどん近づいてきてるのが、わかる。
 だから、急いで逃げなくちゃ。
 そうしないと、私だけでなく、この人まで殺されてしまう。

294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 22:55:31.69 ID:kXQoLy7No
「……あっ!?」

 急ぐ気持ちが足元を疎かにしていたのか、木の根に足を取られてしまった。
 披露で棒のようになってしまった足では、こらえきれない。

「っ……!」

 傾く私の体を支えたのは、支えられていたはずの彼。
 しかし、急に無理な動きをしたためか、その顔は盛大にしかめられた。
 だけど、倒れそうになった私の体の前に差し出された腕は、
私の体重がかかっているにも関わらず、微動だにする事は無い。

「……お怪我は、ありませんか?」

 そういう自分の方は、どうなんですか?
 私を逃がすために、怪人たち三体と戦って、ボロボロじゃないですか。
 スーツの袖は片方取れかかってるし、あちこち、傷だらけ。
 私を心配そうに見る顔の頬からは、未だに血が滴り落ちている。

「はい、おかげ様で」

 だけど、この人はそれを指摘しても無駄なのだ。
 この人は、プロデューサーとして、アイドルを一番に考える。
 アイドルのためならば、自分はどうなっても良いと……そう、本気で考えているのだ。

「……――私が、奴らを食い止めます」

 彼は、そっと体を離すと、来た道を戻るべく、私に背を向けた。

「私だけ逃げろと……本気で仰ってるんですか?」

 そんな彼の背中に、問いかける。

「貴方を犠牲にして、私だけ生き残れと……そう、言うつもりですか?」

 再度、彼の背中に、問いかける。

「……高垣さん?」

 彼が振り向いた時、私は、今まで誰にも見せたことのない表情をしていたと思う。

295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 22:56:58.33 ID:kXQoLy7No
誤)>披露で棒のようになってしまった足では、こらえきれない。

正)>疲労で棒のようになってしまった足では、こらえきれない。

296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 23:10:24.65 ID:kXQoLy7No
「残念ですが……そのお話、お受け出来ません」

 私は、彼の提案を完全に突っぱねた。
 驚いたわ、この人は私がその提案を受けると思ってるのかしら。

「ですが……!?」

 だとしたら、

「貴方は――」

 それは、アイドル、高垣楓の事をわかっていなさすぎる。

「――プロデューサー、でしょう?」
「……」

 この人は、私が誰かを犠牲にして生き残っても、笑っていられると思うのかしら。
 そうだとしたら、飲み屋でお酒を飲みながらお説教をしないといけないわ。
 お猪口でちょこっとだなんて、とんでもない。
 ビールを浴びーる程飲みながら、叱ってやらなくっちゃ。

「アイドルから笑顔を奪うのは、プロデューサーの仕事ですか?」
「しかし……!」

 ペチリ。
 ……人のほっぺたを叩いたのなんて初めてだから、手加減しすぎちゃった。

「……」

 だけど、彼は叩かれた頬に手を当てて、呆然とこちらを見ている。
 うふふっ! どうやら、思った以上に効果があったみたい!

「しゃんとしてください」

 貴方がプロデューサーとしての使命を全うしようと言うのなら、

「貴方の前に居るのは、アイドル、高垣楓ですよ」

 私も、笑顔のために命を賭けようじゃありませんか。
 案外、ビギナーズラックでなんとかなると思うんです。

297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 23:24:58.57 ID:kXQoLy7No
「……申し訳、ありませんでした」

 彼の顔に、生気が漲った。
 傷だらけで、疲れ果てているはずなのに、とても綺麗なお辞儀。
 もう、今はそんな事してる場合じゃないでしょう?

「いいえ。こちらこそ、叩いてしまってすみませんでした」

 だけど、私も彼のほっぺたを叩いてしまった。
 だから、その事はちゃんと謝っておかないと、ね。
 後で飲んでいる時に、グチグチ言われたら嫌だもの。

「……」

 彼は、上着を翻し、大きな銀色のベルトを露出させた。

「……私は、笑顔が得意ではありません」

 右のポケットからスマートフォンを。
 そして、ホームボタンを素早く三回押し、画面を起動。
 流れるように、暗証番号を画面を見ずに打ち込んでいく。

 ――3――4――6!

『LIVE――』

「――しかし、笑顔を守る事は出来る。そう、考えます」

 そう宣言すると、スマートフォンを銀色のベルトにかざし、

「変身ッ!」

 言った。

『――START!』

298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 23:39:46.63 ID:kXQoLy7No
  ・  ・  ・

「SYAAAAAAAAAAA!!」
「GRRRRROOOOOOO!!」
「KYUUUUOOOOOOO!!」

 クモの怪人と、ヒョウの怪人が、コウモリの怪人を守るような位置取り。
 見れば、先の二人の怪人の体はボロボロで、まるでゾンビのよう。
 けれど、その動きはまるで生きている時そのまま。

「……先程は、お世話になりました」

 ズシャリと、彼が一歩前に踏み出す。
 此処は、工事が途中で中止になった採石場だろうか。
 彼は――いえ、私達は、追い詰められてここまで逃げてきたのではない。

「うふふっ♪ コテンパンに、やられちゃってましたものね」

 戦うために、此処に来たのだ。

「……」

 ……あっ、すみません。
 せっかく挨拶をしていたのに、余計な事を言ってしまいましたか?
 もう、首筋に手をやって困らないでください!
 顔が見えて無くても、その仕草をしたら困ってるって丸わかりなんですからね。

「高垣さん、避難を――」
「最前列で見るのが、最善です」
「……」

 さっき、あれだけ話したじゃないですか。

「うふふっ、頑張ってくださいね」

 ペチリ、と彼の背中を叩く。
 鎧に覆われた背中なのに、何故かあたたかく……そして、頼もしい背中を。

「はい……頑張ります」

299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/12(金) 23:50:08.78 ID:kXQoLy7No
「SYAAAAAAAAAAA!!」
「GRRRRROOOOOOO!!」
「KYUUUUOOOOOOO!!」

 大きく咆哮する、三人の怪人。
 一度、手ひどくやられた相手だと言うのに、彼のどこにも不安は感じられない。
 ズシャリ、ズシャリと地を踏みしめるその足には、一切の淀みがない。

「このスーツには……私が、今まで起動出来なかった機能があります」

 ズシャリ、ズシャリ。

「何が欠けていたのか……それは、今でもわかりません」

 ズシャリ、ズシャリ。

「しかし、今の私ならば起動出来ると……そう、思います」

 ズシャリッ!

「笑顔を守るため――」

『……――Please!』

「――そのためならばッ!」

『Cinderella!!!』

301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/13(土) 00:09:41.24 ID:NJCIoJsqo
「……!」

 彼の体を包んでいた黒い鎧が、その形を変えていく。
 スライドした装甲の下は、金色に輝いている。
 その輝きは、まるで血液のように鎧を縁取り、白い箇所も金色に染めていく。
 胸に輝くのは、ピンクと、ブルーと、イエローの宝石。
 そして、その中心には、一際多きな輝きを放つ虹色の宝石が現れていた。

「……綺麗」

 思わず、こんな状況なのにその姿を美しいと思った。
 可愛らしいぴにゃこら太のようなフルフェイスの下で、彼はどんな顔をしてるのだろう。
 もしかしたら……うふふっ、苦手な笑顔をしてるかもしれないわね。

「SYAAAAAAAAAAA!!」

 そんな彼に、クモの怪人が大きく跳躍し、飛びかかった。
 けれど、

「――企画!!」

『CoooooooooooL!!!』

 ブルーの眩しい程の光を纏った右足が、叩き込まれた。
 ただそれだけで、さっきは彼をあんなに苦しめたクモの怪人が、
光の粒子となって消えていく。

『Full Combo!』

「GRUUUUUUUOOOOOOOO!!」

 その隙をつこうと、ヒョウの怪人が恐ろしいスピードで駆けてくる。
 それでも、

「――進行中です!!」

『Cuuuuuuuuuute!!!』

 ピンクの眩しい程の光を纏った右拳が、そのお腹に突き刺さる。
 ヒョウの怪人も、クモの怪人と同じように光の粒子となって消える。

『Full Combo!』

302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/13(土) 00:29:44.38 ID:NJCIoJsqo
「KYUUUUOOOOOOO!?」

 彼の、圧倒的な強さにコウモリ怪人は本能的に恐怖したのだろう。
 分が悪いと見るや、その大きな翼を広げ、羽ばたいた。

「――待ってください!」

 彼はそれを逃さず、銃の形にした左手から、イエローの眩い程の光を放った。

『Passioooooooon!!』

「KYUUU!? KYUUUOOOO!?」

『Perfect Combo!』

 イエローの光の直撃を受けたコウモリ怪人。
 ピンク、ブルー、イエローの光がコウモリ怪人を捕らえ、身動きをとれなくしている。
 何かをしようとしているように見えるけど、それも上手くいかないみたい。

「アンコールが残っています。まだ、席を離れぬよう、お願いします」

 彼はそう言うと、

「――ふっ!」

 大きく跳躍し、左足を前に突き出した。
 その左足は、今までよりも一際大きく――虹色に輝いている。
 彼の背中から、虹色の光が溢れ出し、一直線にコウモリ怪人に向かっていく。
 そして、まるで虹色の穂先の大きな槍の様に、

「せめて!」

 彼のキック、はコウモリ怪人の体に大きな穴を開けた。
 コウモリ怪人の体は、爆発したかのように、光の粒子となって消えていく。

「……名刺だけでも」

『LIVE SUCCESS!!』

303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/13(土) 00:43:39.70 ID:NJCIoJsqo
  ・  ・  ・

「ええと……こういう挨拶って、あまり得意じゃないのだけど」

 今日は、待ちに待った快気祝いの飲み会だ。
 誰のって、それは勿論決まっている。

「……」

 神妙な顔つきで、ビールのジョッキを手に持っているこの人の、だ。
 大体、どうして私が乾杯の挨拶をしなきゃいけないんです?
 誰の快気祝いだと思ってるんですか、全くもう!

「楓さん! いっちょ、カッコイイ所見せてください!」
「ちょっと未央、静かにしなって」
「そ、そうですよ!」

 未成年の後輩達は、ジュースで乾杯。
 お祝い事だもの、こういう時はパーッとやらないと駄目よね。

「……今日は、とっても沢山の人が来てくれました」

 チラリと視線を向けると、彼は部屋を見渡した。
 此処に居るのは、事情を知った人間だけ。
 皆、彼にとても感謝している……勿論、私も。

「と、言うわけで、何か一言お願いしま~す♪」

 そう言って、私はペタンと腰を座布団に下ろし、挨拶の役目をバトンタッチ。

「は……!? あ、いえ、その……!?」

 自分にふられると思っていなかったのか、彼はとっても慌ててる。
 うふふっ、こういう所は、本当に可愛げがありますよね。
 ニコニコと笑う私に向かって、彼は言った。

「……その笑顔には、完敗ですね」

 乾杯と、皆が一斉にグラスを合わせた。
 私は、一人悔しい思いをしたのだけど、どうしてくれましょう。

おわり

304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/13(土) 00:46:52.05 ID:NJCIoJsqo
ここ2日、非常に楽しゅうございました
おやすみなさい
305: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/13(土) 12:00:41.31 ID:nO1MbzPN0
おつ
終わりか?いつもオチつけるのうまくて感心するわ


元スレ
タイトル:武内P「起きたらひどい事になっていました」
URL:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510316855/
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